ホーム > 詩人の部屋 > 白茹たまの部屋 > 投稿順表示

白茹たまの部屋  〜 投稿順表示 〜


[76] 確かに君に恋してた
詩人:白茹たま [投票][編集]


どうして こんなにも
 涙が止まらない

片想いだった
それは それは
切ない片想いだった
だけど
確かに恋だった
ちゃんと 君が好きだった
恋に 恋など していなかった

 だって こんなにも痛い…

少し目が合った だけ
少し手が触れた だけ
なのに どうして
こんなに 熱い
届けたい だけど
届けたくない
もどかしい 解けない難問
忘れたい だけど
忘れたくない
私の中の 絡み合う矛盾

好き 好き 好き
溢れて それなのに
もう 届かない
伸ばした手は
君を見つけられず 空を掴んだ

2010/02/10 (Wed)

[78] 狼な彼は、赤ずきんに恋をしました。
詩人:白茹たま [投票][編集]


昔々あるところに
真紅の頭巾被りし娘
彼女を人々はこう呼ぶ

「赤ずきん」

彼女は祖母の 家向かい
見舞いの為の 花探す
「花畑の場所はどこかしら」
一人彷徨う真紅のあの娘
食べてしまいたいくらい 可愛い

「ちょいとお嬢さん」

花畑へ連れ出して
純粋 そして馬鹿だな
花を摘む後ろ姿
嗚呼 可愛い
食べてしまいたいくらいに ね

「食べてしまおうか」

いや それは勿体無い
それくらい 可愛い
だけど とても美味しそう
マシュマロのような頬
柔らかな髪
甘い蜜のような香り

「胸が 痛い かな…」

駄目だ
無理だ
胸が痛い
今日は 帰ろう

「いつか 君を 食べさせて」

 

2010/02/13 (Sat)

[79] blossom
詩人:白茹たま [投票][編集]

青い春の中で
僕らは今 開花する
この 優美な桜のように

桜の花弁掴まえる少年
三年前の僕に似ていた
目が合って ちょっと笑った
桜 開花して
すぐに散ってゆくんだ
春を運んで
すぐに去ってゆくんだ
僕らも一瞬の 桜

ああ 僕ら
青春のど真ん中
眩しすぎるくらい
きらきら輝いて
世界を照らしているのかな
それでも 僕ら
青春のど真ん中
桜と同じだね
明るく咲いて
儚く散っていくんだな

儚くてもいいんだ
だけど今だけは
美しく 真っ直ぐに
咲いていたいよ

2010/02/20 (Sat)

[80] share an umbrella with you
詩人:白茹たま [投票][編集]

お気に入りの傘
小花柄の傘
くるくる回しながら
夢見ているの いつか...

share an umbrella with you!
share an umbrella with you!
ねえ この傘の中で
キミと二人で
心地良い雨音 聴きたいな
ゆっくり路を 歩きたいな
夢見るわ 相合い傘

2010/02/20 (Sat)

[81] salad days
詩人:白茹たま [投票][編集]


さぁ あの空に
虹色絵の具をぶちまけろ!

カラフルな日常
くるくる巡る日々
馬鹿でいいさ
知らなくていいさ
オトナのフリはやめよう
唄おうか この空に
青春を謳歌しようよ

さぁ この教室
虹色絵の具をぶちまけろ!

冷めたような口調は要らない
コドモだと言われてもいい
だって僕ら まだコドモだろ
いいんだ 何も知らなくても
いつか 来るんだ
知りたくなくても
知らなければならない日が
それまでは いい
やりたい放題
暴れたいじゃない
だって僕らは...

さぁ この歌を
虹色の空にぶちまけろ!

2010/02/20 (Sat)

[82] 片想い
詩人:白茹たま [投票][編集]


さようなら
私の片想い
雨に打たれて
さようなら
消えてしまえ
君という記憶も
思い出も全部
さようなら
私の片想い
もう振り向かない
私は前だけ
前だけ見て...

2010/02/26 (Fri)

[83] ひとり
詩人:白茹たま [投票][編集]


ひとりが好き なんて
それは嘘

他人と そして自分についた
それは嘘

寂しいなんて言えない
天邪鬼だと笑えばいい
「ひとりが好きだから」
それは ただの強がりだって
気づいてたんだ
ひとりぼっちに傷ついた
過去の自分と
これからの自分
護るためについた嘘

「ひとりが好き」
そうなれば 寂しくない
「ひとりは苦じゃない」
そうなれば そんな理想

私はこれからも嘘をつく
自分を 護るための
小さな嘘。

2010/03/27 (Sat)

[84] 狼と赤ずきん
詩人:白茹たま [投票][編集]



赤い少女
ぼくは彼女を食べなければ
用意されたシナリオ
可愛らしい彼女
ぼくは彼女を食べなければ
たとえお腹に石を詰められる運命にあっても

ただ好きでいるのは駄目だったの?
赤いずきんの彼女
ぼくは悪役でしかないんだ
ほんとはね
ぼくは彼女と結ばれたかった
「この花、君に似てるね」
なんて
たわいもない会話したかった

どうしてぼくは狼で
どうして彼女は赤ずきん?
ただ好きなだけなのに
どうしてぼくは悪役で
どうして彼女は主人公?

「どうしておばあちゃんのお口はそんなに大きいの?」
「それはね…」

ぼくは 君を 食べました

2010/05/10 (Mon)

[85] 灰被り姫はマゾヒスト
詩人:白茹たま [投票][編集]


「シンデレラ、床を掃除しなさい」
「はい、喜んで」

冷たすぎる水
冷たすぎる義姉と継母
私は喜び床を拭く
蔑むような彼女らの視線
心地良いことこの上ない


「シンデレラ、その靴を履かせて」
「はい、喜んで」

尖ったピンヒール
尖った義姉と継母
私は喜び靴を手に
嘲笑うような彼女らの視線
快感すぎてとろけそう


「シンデレラ、あなたは待ってなさい」
「はい、お姉さま」

美しいドレス
美しい義姉と継母
私は箒で床を掃く
ドレスを纏った彼女らの視線
嗚呼 放置プレイなのね



マゾヒスト・シンデレラ
彼女はガラスの靴を履かない
マゾヒスト・シンデレラ
彼女は王子に出会わない



 

2010/05/10 (Mon)

[86] 鏡とお妃様
詩人:白茹たま [投票][編集]



「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?」



私 髪を巻いたのよ
香水も変えたの
ドレスも変えたわ
ねぇ 私 一番きれいでしょ?

なのに どうして
あなたはいつも
彼女の名しか言わないじゃない
あんな娘 どこがいいのかしら

私 化粧変えたのよ
シャンプーも変えたの
ヒールも変えたわ
ねぇ 私 一番きれいでしょ?

なのに どうして
あなたは今日も
彼女の名を口に出すのよ
あんな娘 消してしまえばいい

私からあなたを奪う
あの娘は邪魔なの
ねぇ 消してもいいわよね
真っ赤な林檎
猛毒に犯された
毒々しいほど赤い林檎

林檎をかじった
赤い唇 小刻みに震え
彼女はその場に崩れ

「これで、私が一番よ」

あなたのもとに駆け寄る
ねぇ 私 一番きれいでしょ?
彼女がいない今
私は あなたの一番でしょ?

ねぇ どうして
どうして何も言わないの
私 一番 きれいでしょ?



 

2010/05/10 (Mon)
72件中 (51-60) [ 1 2 3 4 5 6 7 8
- 詩人の部屋 -