季節はずれのあの台風

実は僕が呼び寄せたんだ

君の中に
摘んでも摘んでも
芽生える
不安 孤独 自嘲を

根こそぎ
吹き飛ばすために


台風が去っても

僕はここにいる

そうやって
僕の嫌がることばかり
選り好んで
してればいい

いい加減に
怒るよ

今まで
離れたいときと
放したくないときが
二人の中で
擦れ違っていたね

意見の一致した今
トドメを刺そうか？

それとも
ハドメをかける？

時々僕が
君に寂しい思いを
させてまで
仕事に集中するのは

生活の基盤が
しっかりしていないと
君に会うことすら
儘ならなくなるから

日常に追われて
君を見失いたくないから

でもどんな忙しい時でも
僕の優先座席に
座っていいのは
君なんだけど

だいたい
鈍感な僕に
なにを言わせたいのか


遠回しに言われても
たらいが回るだけで


ストレートなら
ラブオールの
下手なテニスプレイヤーにでも

なれるのに

いいよ


君に僕より大切な人が
できたんなら


僕は嘘つきで
いい加減で
最低な奴だってことに


甘んじよう

どんなに寒くても
どんなに疲労が襲っても

君におやすみを
伝えたいから
伝えているのに

最近冷たいだなんて
愕然とすること

言うなよ？



バーカ

以前みたいに



あいにこいよ

僕が寂しくなるのは
人が恋しくなるんじゃなくて


きみが


だから


特記事項として
加筆するよ

あの最後に
君と彼女が会った日


君の為を思うなら
振り向いては
いけないんだと
言い聞かせながら

彼女はまた
こうも思っていた



何故君に
冷たく接しなければ
いけないんだと


それからも
ずっと
疑問符は消えなかったのに