次の高波で

キミのところまで


もう
わたしをここに繋ぎとめておく
枷なんて
とっぱらってしまったから

always love you


そんな
当てどもない自信はあったの

想い合えないなら

傷付き合うのも悪くないと思った

こんな
不可抗力な肩書きに
左右されて

抱き合うことにさえ
後ろめたさを感じた


ねぇ

今度 出逢うときは


どうか
ただの男と女として

何気なかったから
気付かなかった


煙草の吸口をほんの少し
愛でるように撫でる仕草

こんなにひとがいるのに
キミだけなんだと


当たり前のように
喫煙席に座ったわたしは



煙に見え隠れする誰かの指の中に
あの仕草を探して

キミの手を離すことを条件に

キミの傍にずっといられる


味方なんて
名前ばかりで

限りなくゼロに近くなっている

カウントダウン



知らない振りして
微笑えれば

もっと格好よくキミの記憶に漂えたのに

いっそのこと


金魚になりたいと思った



自由もなにも望まないから
キミに飼われて
キミに死ぬ

赤い金魚になりたかった

真夏の朝

気付いたら


薄くて乾いた
キミの抜け殻だけが

隣にあった



限られてる ということは

今に始まったことじゃないけど

最後に
言いたい言葉くらいあった

キミと
いつか約束したことを

今更思い出した

もどかしげにわたしを横たえて
髪を撫でられながら
視界に揺らめくオレンジ色を観て


ネオンに埋もれた東京で
キミには観慣れたはずの東京タワー

次に逢う時は
連れて行ってと
次に東京に来るときも
やっぱりキミに逢いに来る時だからと



東京にいるのに

キミに逢えるわけでもない

28階のマンションからの景色は
すごく綺麗だったけど


抱かれながら
キミのこと考えてた

東京タワーを
横目に観ながら