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猫の影の部屋  〜 新着順表示 〜


[497] 泣く女。
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ちぎれた卵、そうエッグ
踏みつけられて、可哀想ね

刳れた傷口に塗りつけたのは
効き目のない言葉
スライスした優しさを
小出しにする技術といえば

よく出る涙だ
のど渇きそうだ
まるで目立ちたがり屋だ
笑いは堪えきった


契ったお話、ああストーリィ
焼き捨てられて、可哀想ね

廃れた噂を掘り起こすな
気のきかない言葉
スライスした思い出は
生ゴミにしてしまえば

よく出る涙だ
溜めた膿だそうだ
まるでカリカチュアだ
口角を押し殺す


泣き止めば良い
もう誰もみてやしないぞ

2010/07/13 (Tue)

[496] メルトダウン。
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輪郭が崩壊していく
何がみえていたのだろう

輪郭が溶解していく
何が入っていたのだろう

闇の中へ意識が飲み込まれていく
どうせなら焼き尽くされたい

闇の中へ組織が組み込まれていく
どうせなら食い尽くされたい


望みは叶う
というアイロニー
その隘路には
なにも見つけられやしなかった
なにも手には入りはしなかった

手からこぼれ落ちた吐瀉物
なんの役にも立たないのだ
ジョークでもなんでもない
ラインが曖昧なのだ

そうなのだ

2010/06/30 (Wed)

[495] 生について。
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空を目指した
届かないことなんてわかっていた
空を掴んだ
何もないことも知っていた


目を閉じてしまえ
それでいいのに
なぜ僕らは見ようと
見ようとする

ノートルダムのあの男は
いつまでも鐘を打った
何か届くように
何か届けるように


耳を塞いでしまえ
それでいいのに
なぜ僕らは聴こうと
聴こうとする

アルンハイムのあの男は
一心不乱に土を掘った
何か見えるように
何か見せるように


空を目指した
届かないことなんてわかっていた
空を掴んだ
何もないことも知っていた

2010/06/22 (Tue)

[494] 閃光。
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光が遠くに
ピストルは手元
上がる口角を
見つめていた

裂いた
チーズは熱を帯びている
欠いた
causeが見当たらない

ご名答
明日が抵当

あなたが近くに
ピストンは狂う
下がるやにを
吊るし上げた


咲いた
ローズは雫に濡れている
飽いた
ポーズは見当違い

ご名答
価値はその程度

光が遠くに
ピストルは手元
上がる口角を
見つめていた



光は遠くに
ピストルは手元だ
下がる銃口に
恵みの雨を

2010/06/14 (Mon)

[493] 余る。
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手に余る女だった
天を仰いだもんだった

こうやって歳ってとるもんなのか
あおった酒は胃を焼いた

願うことはいつも手じゃ余る
分かり合えないことも まぁある
そんなもんなのか
と呟いてみた


身に余る女だった
判を押したようだったんだ

そうやって腰ってふるもんなのか
落とした涙が肌を焼いた

想うことはいつも身に余る
届かないことも、まぁある
こんなもんなのか
と呟いてみた


幸福は身に余る
不幸なことも、まぁある
手に余るほど

願うことはいつも手じゃ余る
分かり合えないことも まぁある
そんなもんなのか
と呟いてみた

2010/06/05 (Sat)

[492] Amores.
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知らない娘が花を摘んでいた
澄んだ空の色

口元が微かに緩む
それはマズイと、口走る

そのマスタードの造形
散ることなどは思案の外
柔らかな指先が撫でる


知らない風が花を揺らしていた
澄んだ夏の色

口元を手で覆う
これはマズイと、口ごもる

そのマタドールの憧憬
死ぬことなどは思案の外
柔らかな血と肉が爆ぜる


散りぬれど
網膜に残る光量


そのマスタードの造形
散ることなどは想定外
柔らかな指先が撫でる

知らない風が花を揺らしていた
澄んだ夏の色

2010/06/03 (Thu)

[491] レモネード。
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レモネードの優しい香り
君が横で笑ってる

聞き飽きたCD
今日もまた流してる
天気は悪くない

踏み出した一歩がやたらと浮ついている
天気が良いからか
君がいるからか
これ以上はno commentで


レモネードは優しい香り
君の横で笑ってる

聞き飽きたセリフ
僕もまた繰り返してる
気分は悪くない

差し出した一手がやたらと浮ついている
天気が良いからか
君がいるからか
これ以上はdon't touchで


どっかいこうか
ドライブでもしようか
そんなやりとり
やり飽きたやりとり

踏み出した一歩がやたらと浮ついている
天気が良いからか
君がいるからか
これ以上はno commentで



レモネードは優しい香り
君が横で笑ってる

2010/05/31 (Mon)

[490] Velocity.
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後ろへ走る前景
光景は疾駆する
明日は明後日の方向

どうした
声はどこまで引っ込んだ
喉が怯えて振るわんぞ
死にたくなけりゃ降りるこった

アイルトンの向こう側へ
笑えないジョークも吹き飛ばせ
立つ瀬など飛び越えて


忘れ去る後景
前傾がスタンス
昨日は一昨日きやがれ

動じな
これはどこまで奔るんだ?
馬鹿が疑問符の「いづくにか」
死にたくなけりゃ降りるこった

ミカエルの向こう側へ
笑えないジョークは置き去りにせい
マッハなどとうにこえている


忘れ去る後景
前傾がスタンス
昨日は一昨日きやがれ
後ろへ走る前景
光景は疾駆する
明日は明後日の方向へ

2010/05/27 (Thu)

[489] manma.
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トーストにかぶりついた
窓の下を赤い車が通った
コーヒーはもう沸いた

朝に何かを期待しても
大抵は報われない
ただ此処に在ることを

眼界に拡がる変哲のない世界
難しい本には悪いが
こんなのも悪かない


紫煙を貪り食った
股の下を黒い猫が通った
ターキーはもう焼けた?

旋回に手間取る視覚 やるせない
忙しない人には悪いが
こんなのも悪かねぇ


シンプルな世界だ
どうこねくり回すんだ
かないっこない

朝に何かを期待した?
報われないさ
ただ此処に在ることを

2010/05/27 (Thu)

[488] Nominare.
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夕日が沈む
その価値をどう言えばいいのだろう
途方に暮れた

舞い落ちる雪
この雪片の名前はなんだっけか
声を失った

シンプルなのも困ったもんだ
余計なものが付き纏う
こうしてまたややこしくなる
ややこしくなっていく


這い蹲る影
その接点はどこだったか
生を失った

サンプルだけじゃ物足らない
余計なものが必要か
こうして厚みが出てくる
あつかましくなっていく


伝えたいことだけ伝わればいい
何を伝えたいかなんて忘れてしまった


這い蹲る影
その接点はどこだったか
生を失った

2010/05/25 (Tue)
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