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中村真生子の部屋  〜 投稿順表示 〜


[61] 春よ祝えよ
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朝の挨拶よろしく

「寒い寒い」

ばかりだったのだが

「花が咲いているよ」

に変わり

かわす言葉も春の装い。

今日はすっきり空が晴れ

風も穏やかで

小鳥たちは枝から枝へ。

まばゆい光の中を

ひらひら舞うのは

今年初めて見るモンシロチョウ。

春よ祝えよ。

試練を超えて今日を迎えた

すべてのものの心を。

心置きなく存分に。

お前の持つ慈しみに満ちた力で。

2012/03/29 (Thu)

[62] 別れと出会いの季節
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春―

別れと出会いの季節。

悲しみをこらえて

枯れた葉と別れ

喜びを胸に

新しい葉と出会う。

春―

別れと出会いの季節。

悲しみをこらえて

朽ちた自分と別れ

喜びを胸に

新しい自分と出会う。

春―

巡りの中で

万物が長じる季節。

2012/03/30 (Fri)

[63] お疲れさん会
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「1年間お疲れさま」と

仲間とお昼ご飯をいただく。

若竹汁に始まり

お造りや菜の花や葉ワサビなど

どれも地元の食材を使った

手作りの品々。

「わー、モサエビだ!」

「頭から殻ごと食べられるんだよね」

「これ、なに?」

「らっきょうじゃな?」

「でも、ちょっと違うよね」

お店の人に尋ねれと

「野蒜(のびる)」とのこと。

年を経るほとに

こんな料理がありがたく…。

年を経るほどに

こんな時間がありがたく…。

ここに

こうしていることに

しみじみと感謝する。



2012/03/31 (Sat)

[64] 春の、余韻
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一夜明けて

賑やかな声が消え

いつもと変わらない部屋の中で

そんな時間があったことを

物語っているのは

お土産にもらった春の花々。

ナンキュラス、水仙、チューリップ、

スイートピー、クリスマスローズ、カモミール…。

冬が返ってきたような寒い夜

心に咲いた春の、余韻。




2012/04/01 (Sun)

[65] じゃんけんぽん!
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最初は、グー。

じゃんけん、チョキ。

あいこで、パー。

庭の山桜の葉と

じゃんけんぽん。

パーが出たら

お花もまぢか。

最初は、グー。

じゃんけんぽん!


2012/04/02 (Mon)

[66] 海辺のブランコ
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海辺でブランコをこいでいた。

上にスイングすると真っ青な空が広がり

下にスイングすると澄んだ海が広がり

美しい景色に

この上ない幸せを感じた。

それからブランコをおりて海に入り

しただめ(小さな巻貝)を取った。

イギリスの海辺なのに

「なんだ、日本の海辺と

変わらないじゃないか」と思いながら。

そんな夢を見た。

夢に出てきたあの場所は

海辺にブランコなどはなかったが

まぎれもなく

夏になると毎日のように遊んだ

故郷の石浜だった。

空は青く、海はどこまでも澄み

子どもの声で賑わっていた夏の遊び場の…。

海辺でブランコをこいでいた。

上にスイングすると真っ青な空が広がり

下にスイングすると澄んだ海が広がり

美しい景色に

この上ない幸せを感じた。

あの時、確かに幸せだったのだ。

幸せとは何かということなど

考える必要もないほどに…。




2012/04/03 (Tue)

[67] 今年度の目標
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「今年度の目標は?」

問われて

胸に手を当てれば

手を当てた胸の

思うところを大事にすること。

そしてそれを

頭と体に

何とかさせること。


2012/04/04 (Wed)

[68] やっとキミに…
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やっとキミに出会えた。

この日をずっと待っていた。

キミに出会って

ワタシはワタシに出会った。

それを確かに感じた。

けれど

古いワタシはどこへも行かず

キミがくれた袋に眠ってる。

困ったときは返れるようにと…。

やっとキミに出会えた。

この日をずっと待っていた。

やっとキミに出会えた。

やっとワタシに出会えた。

爆発低気圧の日に

吹き飛ばされるようにして…。



2012/04/05 (Thu)

[69] 終わりと始まり
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振り返れば10年間の歳月。

あなたは立派でした。

でも

言葉にするには

口はばったくて…。

ただ一つ言えることは

私はあなたを

本当にはわかっていないこと。

だからこれからも

そばにいるのだろう。

去来するいろんな思いを

胸に抱きながら…。

新しく歩き始めた

あなたの背中を追いかけながら…。


2012/04/06 (Fri)

[70] スミレ
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その色に

惹かれて植えたスミレが

今年も紫色の花をほころばせる。

愛してやまない大地を

見つめるように…。

そして

焦がれてやまない空を

のぞくように…。

ほんの少しうつむき加減に…。

小さな小さな花だけど

どうしてしゃがんで

見ないでいられようか。

その匂うようなまなざしを。

2012/04/07 (Sat)
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