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カナリアの部屋  〜 投稿順表示 〜


[63] セヴィジャーナス
詩人:カナリア [投票][編集]

セヴィジャーナス
今夜は君に
酔わされて

割れる氷は

煌めきを増した

はやしたてるパルマは
速度を早め

女は黒いドレスを
太股までたくし上げる

膨らみもたらす
そのルージュ

頭の中で繰り広げられる
妄想シーンは
俺の首筋を真っ赤に染める
麗しき セヴィジャーナス
葉巻は ナイフで
音なる靴は ゴルベ

舞う君をもっと

下心で見つめて…

2005/11/13 (Sun)

[64] 蝉の脱け殻
詩人:カナリア [投票][編集]

「しっかりしぃや〜」
貴女の口癖

枯れかけたトマトの苗にも口とんがらすアホな弟にも
貴女に迷惑ばかりかけた私にも

貴女は言いましたね
「しっかりしぃや〜」

蝉の大合唱が
泣いていますよ お母さん

貴女の棺を運ぶとき
カサカサと蝉の脱け殻が
ぎょうさん落ちましたわ

まるで貴女の脱け殻を
辱めているかのように

黒の着物は母の薫り
譲り受けた私を父が見つめる

えぇそんなに初恋の人に似てはりますか?

初夏の風が貴女を連れ去る「しっかりしぃや〜」

私は背筋を伸ばし
“凛”と貴女を見送った

2005/11/14 (Mon)

[65] 雪‐Sethu‐
詩人:カナリア [投票][編集]

まばゆいほどの銀世界
君たちを起こさぬ様に
そっと歩いた

街灯に照らされた
透き通るような
あの子の髪に

休まる雪は 煌めき増していつの間にか
君を天使に変えたね

どうか 僕らの愛まで
“冷やさないで”と
握り締めたこの手には

若いがゆえの“永遠”が
今にも擦り抜けてしまいそうに
藻掻いていたよ

雪よ この切なさよ
恋人よ この愛を

止む事なく 降り注いでおくれ

例えば “トワ” に続く

Love Story

ピリオド打たれし夜にさえ

思い出すのは
あの雪の優しさである様に

2005/11/14 (Mon)

[66] NEW DAY
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「今年ももう終わるね」
なんて
つまらないセリフ吐いて

解かれた靴ひも
君を転ばせた

「どうせ何も変わらないさ」
NEW DAY         面白くもなさそうなSTORY

それでも幕引き上げるその手は 何の期待?

あの日見た夢
今は
切れたギターの弦に
引っ掛けたマフラー

あめに打たれた夜

傷付かないで
泣き出さないで
叫び続けるフラワー

あの日見た夢は
今も
眩しすぎるぐらいに
スポットライト浴びる

あめに打たれた夜

傷付かないで
泣き出さないで

ここから始めるさ

2005/11/15 (Tue)

[67] はたり
詩人:カナリア [投票][編集]

君が願うなら
どんな罠にも填まりましょう
雪解けの春には きっと
藤色の花が唄うでしょう

小さな箱船は
沈みかけては帆に風集め

君の元へ向かうため
  はたり
波打つは恋いごころ
優しげに結ぶ
千代紙の鶴になりましょう
君の元へ向かうため
  はたり
波打つは恋いごころ
哀しげに誘う
飛べない鳥を見つけましょう

2005/11/16 (Wed)

[68] 
詩人:カナリア [投票][編集]

空を仰いで
君からの想いを
紡いだ枝木

色は鮮やかに
筆先の行方は
布に包まれし柊

木の実を
運びましょう
君は鳴く小鳥

霞みゆく日よ
どこにも行かないで
どうかここにいてください
まだ一人では歩けそうにないから
どうかここにいてください
空を悲しんで      唄う想いは
綴りしことのは

色は滲みだし
足先の冷たさ
涙の陽炎

この身を
休めましょう
君は泣く小鳥

微かに浮かぶ
あの日の残像
どこにも行かないで
どうかここにいてください
まだ一人では笑えそうにないから
どうかここにいてください
君は柊
守り神の命よ

2005/11/16 (Wed)

[69] 金色の小麦
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この唄聞こえていますか?君だけの為に
今宵は唄わせてください

「金色(こんじき)」
君は広い草原に
風を映し出す
まるで
小麦の様な人でした

気が付くと
いつも君の名が

そっと語っていた
気がします

言葉の繋がりに恋をして
いつのまにか
君自身に退かれ始めてる

この広い草原で
君だけが鈴の音鳴らす
金色の小麦       
      カナリア

2005/11/16 (Wed)

[70] 眠らぬ姫
詩人:カナリア [投票][編集]

月が微笑む夜にさえ
怯える子猫は
爪を噛む

寂しさだけが
浸透してゆく

涙がそっと
“弱い自分”を照らすのね?

ねぇ
眠れぬ夜は
何を唄えばいいのでしょう

ねぇ
眠れぬ夜は
何を纏えば温もりに辿り着けるの?

夜と朝の合間
貴方の傍以外では

眠りに就けない
眠らないの

どうかあのオトギバナシの様に

ねぇ
眠りに誘う
口付けを私に…

2005/11/17 (Thu)

[71] 冬期畑
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貴女の色に染められた
この着物に袖通す時
蘇るは貴女の薫り
ねぇ 何処へ行けば
貴女に逢えるのですか?

逢いたくて
逢いたくて

過ぎた月日が
私を大人に変え
いつしか貴女に手を引かれなくても
歩ける様になりました
けれどやはり道に迷うのです
そんな時
貴女に逢いたい
どうか私の手を引いてください

逢いたくて
逢いたくて

何処へ行けば
貴女に逢えるのですか?

もし逢えたなら…
抱き締めてくれるより
微笑んでくれるより

嗚呼 貴女
どうかあの日の様に
怒ってください
怒りの裏にある
“愛してる”が聞きたいのです…

貴女の写真を
眺めるたびに
蘇るは貴女の温もり
ねぇ 何処へ行けば
貴女に逢えるのですか?

2005/11/20 (Sun)

[72] パルル色
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蜜柑の皮を手に擦り付けた三軒隣のお婆が眠る

蒼い海はジャリジャリと
音を鳴らし

のったりとした古酒が
更に涙を誘った

少女は聞く
「あの人は何処へ行ったの?」

黒い馬は泡だらけの涎を
そっとアカバナに汲み与え
自らも個々に眠ることを
悟っていたかの様な…

飲み込めない飴玉が
喉に張り付いた

2005/11/20 (Sun)
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