見て来た景色
触れて来たもの
歩いて来た道が

重なり合うことはないけれど


これから

見てゆく景色
触れてゆくもの
歩いてゆく道を

君と重ねてゆけたらと想う
君と重ねてゆきたいと想う

だから

どうか一緒に

強さを演じるには

　限界がある


弱さを隠し通す自分にも

　限界がある

私達は

始まりの色と
終わりの色

まったく同じ色で
終わることなど
出来ないのでしょうね


少なからず
自分色でない誰か色が

今日も”私”に深みを
与えてくれているのでしょう


そう想いながらも
私も”誰か”に

自分色を落として
いるのかもしれませんね

この風
君に吹いた風なのかな

この風
君を掠めて来た風なのかな

この空
君も見ているのかな

この空のあの雲　
今日君も見たのかな

冬空の下

想うことだけなら

許されますか？

”後戻り”という言葉を

今日捨てようと思います

ここに置いてゆこうと思うのです


明日から前だけを見て歩けるように


”後戻り”などという言葉

初めから知らなかったというように

迷ってもいいのですよ

迷わない人なんていない筈ですからね

そうして　

たどり着いた場所こそ

価値があるというものなのですよ　きっと

夕日が沈みきったこの空は

月もなく
星もなく

慈しみもなければ
優しさなど一つもなく

だけれど

蔑みや皮肉さもない

そんな深い深い藍色の空でした

目眩がしそうなほど
果てしないこの道に

私は

どれほどのモノを
拾い集めてゆけるのだろうか

どれほどのモノを
落とし失くしてゆくのだろうか

そして　何より

どんなモノを私は
自分の意思で置いてゆくのだろうか

”ありがとう”を
何度言えたかではなく

”ごめんね”を
何度言えたかではなく

”さよなら”を
何度言えたかではなく


相手の心に何度触れることが
出来たか、ではないだろうか

心　揺さぶられるモノに出逢いたい

心　鷲掴みにされるようなモノに出逢いたい

心　射止められたい

　　
　　衝動に出逢いたい