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サエの日記

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プロフィール
詩人名 : サエ
詩人ID : 02190531
年 齢 : 36歳
性 別 : 女性

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最新ログ

過去ログ

大切なもの
2020/04/15(Wed)

心から愛しているだなんて
歯の浮くような台詞
離れた途端にすらすらと
台本でもあるかのように並べては
想いを吐き出すあなたが憎い

電話が鳴ると解ってて
すぐに既読をつけては
2トーン高い声で嬉しがる
あなたが喜ぶの解ってて
少し小声で愛を囁く私が嫌い

なんの真似をしてるんだろう
私達はどこに向かってるんだろう
離れながらにもこうして繋がっているのは
何のため?
ただ恋をしてるだけと言ったら
そんな綺麗なものじゃない
愛してしまっただけと言ったら
なら離れるべきじゃない?

私の中で声がする
汚い言葉で表すのを嫌がったって
互いにどんなに愛しく感じたって
赤い糸で結ばれたりはしないのに

サエ

ミス
2020/04/12(Sun)

矛盾でできたこの頭
あなたを失いたい思いと
失ったときの怖さ
いっそ契約書でもあったらよかった

消えない罪悪感
不相応な嫉妬
変われない自分
自分なんてあってない

こうしてる間も
どうしたらあなたに会えるのか
あと何度目を閉じたら会えるのか
あなたのひとつひとつを思い出し
夜が更けていく

サエ

距離
2020/04/09(Thu)

そしてふたりは離れた

離れてはじめてあなたの心を感じているよ
離れてから真っ直ぐに愛してくれていると感じる
もしかしたら会っていた時もそうだったのか
ひねた私じゃ感じとれないだけだったのか

まだ日が浅いから
ふたりの時の鮮明な記憶が
余韻が残っているうちはいい
ねぇ そのうち熱は冷めてしまうのかな
ねぇ あなたは夢から覚めてしまうのかな

塗りたてのネイルの香りのように
靴擦れのキズのように
時がたてばなくなるものなのかな
痛みも喜びも涙も
あなたが好きと言ってくれた笑顔も
まるで初めからなかったかのように

心配症な私の不安は尽きることはない
それでも道ならぬ恋は続くよ



サエ

I love
2020/03/25(Wed)

あなたに会える気がしていた
淡い期待を振り払って
おやすみとメッセージをあげた
あなたがもう眠っていてくれたらと
ぐっすり眠れているようにと願った

前触れなく震える携帯は
幸せを運んできた

たわいない会話のなか
探り合うように
互いの思いをこぼし合う
声が聞けたなら
もう会いたいにきまってる

ぴったりと繋ぐ掌が幸せのかたち
会いたかったと小さく漏らしたあなたに
意地悪なわたしは聞き返す
取り消したりなんてさせない
わたしの方が会いたかったもの

素直なからだ、貪欲なふたりは
互いを呼んでは鳴くの繰り返し
飽きずに確かめ合うばかり
残された僅かな時間が
まるでスパイスみたく
わたし達を刺激していた

いつになくわたしを呼ぶあなたが
いつになく愛しくて仕方なくて
思わず愛してるだなんて口走りそうだった瞬間
あなたはわたしに好きだと言った
何度も言った繰り返し
切ない眼差しでわたしを見上げて
吐息のまじった愛してるをくれた何度も

素直な心、不器用なふたりは
求め合っては問いかける
傷つきながら救われる
あなたに愛してると言われたとき
暗闇でよかったとしみじみ感じた
こみ上げては溢れそうな涙を
見せずにすむから

帰り道、わたしの大切な至福の刻を
愛し合った刻と言い放ったあなた
愛されてるだなんて勘違いも甚だしいと
これまで何度自分を戒めただろう

何度も言わないと照れるあなたも
強く握った掌であれから何度も
言ってくれてた
掌から愛してるって

サエ

カウントダウン
2020/03/24(Tue)

昨夜の夢を思い出す
数センチ先のあなた
例外なく夢中な時間

1分が1時間にはならないだろうか…
まっくらななかに逃げ込んだふたりは
高速のヘッドライトに照らされては
朝を迎えそうな夜に離れた
心は穏やかだった

あなたの心まで欲しい
つま先から頭の先髪一本まで欲しい
今夜の雨みたいな
押し寄せる洪水みたいな
こんなにも強い感情が
わたしにもあった

この男が欲しいと心底思った
繋がっていたい
いられないから余計に願う

あなたを失うまで
あと10日

サエ

共同体
2020/03/19(Thu)

ちょっと不安だったんだ
連絡をとれない7日間
あなたはきっと平気だろうって
ちょうどよく
このまま自然に終わっていくのかなって

連絡を待ってた
さびしいと感じてた
わたしと同じ
ただそれが嬉しくて
あなたからの子どもみたいな
「かおがみたい」
ってメッセージが愛しくて

ぎゅっとして息をつく瞬間
頬を合わせて体温を感じる
名前を呼んで確かめ合う
自惚れでも何でもいい
互いに互いが必要だって

暗闇でもメガネがなくても
笑顔が溢れるのが分かる
五感をフルにして
ただただ抱きしめ合うだけで
この世の幸せを独り占めした気分になる

わたしは今夜ひとりじゃない

サエ

あと少しだけ
2020/03/08(Sun)

思いを我慢しがちなくせに
すぐ大丈夫と言うくせに
どうしてこの思いは
こんなにしつこくまとわりつくの?

割り切ったとはとても言えない歪んだ関係
初恋の如く
否応なしに
切なさとやり切れなさはやってくるのに
初恋のように
素直に傷付けない

背徳や道徳なんて言葉を駆使して
理性を保つふりをして
孤独な夜を誤魔化しては
後ろで尻尾を振ったまま

こんなの恋でも愛でもない
そんな単純で美しい言葉は似つかわしくない
欲望や惰性や止まり木みたいな
心とは程遠いもの

ならどうして惹かれるの?
親子ほどの違いをいつも感じながら
包まれては安心して
求められては興奮して
いつも側に感じていたい
身体の繋がりとは別のところで
結ばれることを願っては
たったひと言で満たされる

賞味期限のある関係
ちょうどいい期間の火遊び
求めてはいけない人だったんだ
彼もわたしも
そんなこと
分かっていたのに


サエ

やきもち
2020/02/25(Tue)

わかってた
あなたの休日にわたしはいらない
わかってた
あなたで止まった連絡は今日はもう来ないこと
わかってた
あの人とはちゃんと繋がっていること
わかってた
あの人がいればわたしはいらない

わからない振りも疲れるね
疲れるって誰にも言えないのに

あなたの靴はどこいった?
両方揃った靴はシンデレラじゃないけれど
あなたがそこにいるようで少し嬉しかった
今夜あなたの靴はいなくなってた
わかってた
あの人が持って行ったこと
わかってた
あの人なら持っていってしまうこと

わたしもあの人も
これ以上何を欲しがるの?
今以上何を求めるの?
わたしもあなたもあの人も
滑稽なほど貪欲で
自分勝手ではしたない

流れ星なんて見るからだ
夢になんて願うからだ
考えおこす暇もないほど
忙しい毎日が今は欲しい
飽きるほど抱かれたら
今度こそあなたを失いたい


サエ

トンネル
2020/02/19(Wed)

オヤスミって送ったじゃない
いつものように
オウム返しで
オヤスミって返ってくると思うじゃない

イレギュラーな幸福は
いちいち私を困らせる

思い通りになってやらない、と
安っぽい意地は灰皿に捨てて
雑誌で見たばかりのすっぴん風メイクを真似てみる
浮き足立っているのは明確で
光の速さで済ませる支度は
あなたを待たせたりしない
なんだか悔しくて
ちょっと遠回りをした

あなたの胸に収まると
深呼吸がシンクロして
不覚にも
幸せだと噛み締めてしまった
今夜、
すきも嫌いも
あなたには言わない

制限と意地で造りあげた私
だって本音なんて出したら
重いじゃない
うざいじゃない
あなたから求めてくれただけで充分なのに
心まで欲しいなんて
言えるはずないじゃない

眼を逸らさないで見ていてくれた
瞬きも呼吸も忘れるほど夢中に

時計を見ないでいてくれた
眠いくせに
あなたの自分勝手が嬉しい

今夜一緒にいてくれた
まるでふたりでひとつかのように

理性も常識もない
イミテーションかもしれない
きっと今 世界一欲張りなふたり
そんな恋があってもいいじゃない
痛みも心地良さもひとつもこぼさず掬いたい
そんな恋があってもいいじゃない

イレギュラーな幸福は
つくづく私を甘やかす

サエ

call
2020/02/14(Fri)

きょうは3回も電話をくれた
屋上から きっとあなたはこっちをみてる

ねぇ 知らないでしょ
わたしがこんなに夢中なこと
ねぇ 知らないでしょ
あなたが冗談言うたびに
空っぽの笑い声だけ響くの
ねぇ 知らないでしょ
今夜もあなたに会いたかったの

不安定な約束を信じられるほど
わたしは純粋じゃない
好きだけで突っ走れるほど
わたしは子どもじゃない
でも
バッドエンドが分かってて
今すぐにあなたを切れるほど
わたしは大人でもない

誰かの不幸のうえに
成り立つわたし達の至福は
きっと人生のなかのほんの一瞬
どんなしっぺ返しが来ようとも
わたしはあなたを避けては通れなかった

好きと言えても
愛していると言えない寂しさ
あなたの腕に収まるたびに
心でぽつりと言ってるの
わたしはあなたを愛してる

サエ

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