詩人:凪都 | [投票][編集] |
前フリ無く手を繋ぎ
音沙汰無くさようなら
右も左も前も後ろも
そこは確かに世界の真ん中
歩道橋天国の上
混濁し膨張した一瞬に
バイバイを催促する
夕闇のとうりゃんせ
カップラーメン一つ分
超えた時間に次は会える
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あぁ、どちらまで?
ここまで?
どこまで
そこまで
浮き沈みの
意味無く笑うイメージに
ぶらぶら
両手を風にはためかせ
ここから
どこかへ
そこまで
どちらまで?
閉じた瞼の裏に問い掛ける
巻いた尻尾を
解いた空白にある違和感に捧ぐ
さぁむこう
こちらへそちらへあちらへ
あぁ、どちらまで?
とりとめのない白から黒
空に翳した両手
日と火と秘と
灯す邂逅へ足を、ふと
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透明な容器は
ミキサーという
名前を持っていて
寝ぼけまなこで
だから意味も無く
冷蔵庫にあったバナナと人参
砂糖と牛乳とキャベツと?
適度に残り物を与えてスイッチオン
ヒステリー起こした女みたいに
キーキー キーキー
泣き喚いて噛み砕く
ミキサーを眺めて
ぐるぐる ぐるぐる
もう黙って
回るマーブル模様を模倣する思考回路
ガラスの中身に生まれた答えまで
模倣出来ない曖昧ミーなジュースでグッドモーニング
本日も朝を彩る
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この赤いポストみたいに
なんでも食べられたらいい
口の大きさに見合う愛と哀で
膨らまない腹をいっぱいにして
鍵一つで
すべて掻き出される空しさに
一緒にいけたら
いけたらいけたら
んでも
行けない逝けない
どこにもいけない
まず生きていない
誰かの思いが通る道
紙一枚
封筒一枚
時々速達で
時々荷物で
腹って
入って溜まって出す
そういえば腹って
そんな役割だった
あぁ
あのポストになりたい
許容範囲でなら
みんな受け止めてあげる
排便時はみんな一緒の
あの赤いポストがいい
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涙腺は強い方じゃない
すぐ眼球に水が溜まって
零れて落ちて弾けて消えて
嘘泣きがお上手ね
なんてシニカルにさ
もぅ貴方に言われたくないの
鳴く時と泣く時と無くす時は
誰も知らない日とシトシト人と一晩中
思い込みで死ねても
思い込みでは殺せない
ねぇ?
その甘酸っぱさにはにかんで
暁に生き帰りましょう
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花が咲いていた
朝露に濡れて揺れる綺麗な白を
一声【キレイね】で
彼女はハサミで切り落とし
本日も部屋の花瓶に生けている
花は泣いてるって妄想と
花は喜んでるって空想の
キチガイ達の討論
解答はここにはなく
目覚めの悪い甘い珈琲片手に
そして私は
【花】のある風景に首を傾げて見る
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吐き
捨てられた
嗤う誰かさん達の
言葉はとうに
拾い飽きてしまった
それはもぅ
両手いっぱい
零れ落ちる程に
吐き
違えるのが得意な
大人の群れの中にいても
勘違いしないで
君の心が灯った
身体だから愛せるの
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まばたく合間をぬって
じんわりスローが滲んだ空
朝焼けと夕焼けの赤色模様
虹じゃない色が拡がる虹色の空
淡々と眺めていた
手を振るあの子にあの頃と
過ぎ去りし日々に
重なり透かした今では
同じ時間でも
もう、影の長さが違うね
縁の下の黒猫が
見つけにくくなったら
時計の針を進めて
さよならを言わないと
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絶え間無く繰り返す
打ち寄せては帰る
触れさせても捕まえさせない
広く言葉を投げかけて
薄く浅く染み込んで消えた
深い場所から産まれて浮上
還ってこれなくなった不浄
親愛なる
水分率約65%に告ぐ心象