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凪都の部屋  〜 投稿順表示 〜


[106] 福音
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思い出を

喉元まで引きずり落とし
嘘吹いて響かせた鼻唄メロディ


歪んで荒んだ大地の片隅で
無関心だと知っていても
優しいような気がした空は
全ての想いに光と影を降らす



不幸にいた事なんて

周囲が教えて
知るものじゃないわ


私は笑えるの
私は歌えるの
私は踊れるの



そう言える
思い出をしまい込んで




2007/10/23 (Tue)

[107] 血肉袋の名前
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私が人で居られたのは
この世に生まれてから
たったの数年で

気がつけば
いつの間にか人間になっていて
その人間のまま
図体ばかりが大きくなり

腰が曲がり、視界が狭まる先の先の話でも
私はきっと人間のままで居て


きっと私は
息を引き取るまで
人には戻れず
人間のままなんだろう


寂しさの漂う
空っぽの肉塊だけは人に成れて

私は人間のまま
消えてしまうんだろう


私は人間を連れて
消えてしまうんだろう




2007/11/02 (Fri)

[108] 不正
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言葉の端と端
繋いで磨いた歪曲の
先が綺麗に見える現象

感嘆に埋もれたシンプルな嘲笑
綺麗が綺麗に見えない事象


いびつな形が
遠く遠目で

細く   細く



アンチ

こぶしを振りかざす
スローが滲んだ瞬間



  振り下ろす

個のキチガイの感覚に咲いた
不敵に歪んだ弧の両端は



細く    細く



不正を重ねた歪つ

2007/11/21 (Wed)

[109] クローバー
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ワタクシは
四つ葉を見つけるのが

少し
ほんの少し
得意な女でございます


路上の隙間
公園の隅
草原の真ん中

一人
群れをなした三ツ葉達と
だんまり睨めっこ

大の成人女性が、と
傍目には正直
困る風景ではありますが

しゃがみ込んで凝らす瞳は
確かに大群の三ツ葉の中から
一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ


見つけて
微笑んで
手の平に

納める事が出来る有能者なのです



しかし夕焼けこやけ
日が沈んだらポイ捨て


萎びた四つ葉を横目に

明日もまた
生きた四つ葉を探しに
早起きをするワタクシは

少し
ほんの少し
特異な女でございます


2007/11/26 (Mon)

[111] カ チ
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カチ


カチカチ
カチカチ
カチ

カカッ

カチ カチカチ




カチカチ カチカチカチカチカチカチ













カチ カチ







カチカチ カチ


カ    タン


























2008/02/17 (Sun)

[112] 揺れる安定
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サンタクロースを信じたあの頃は
ヒゲぽろりで呆気なく幕を閉じ

すがってお願いしたカミサマには
初めからそっぽを向かれてた


それでも気まぐれに
身体を擦り寄せてくる
クロネコは相変わらずの黒猫で


彼女のゆれるカギ尻尾を眺めながら
わたしには何があるのか、


考えて

考えて見てみても、

わたしのお尻には尻尾がない。
そんな事ぐらいしかわからなくて



彼女のほうがきっと
多くを知っていて
多くを持っていて
それでも揺れるのは
そのカギ尻尾だけで



羨んでみたけれど

はえてくるはずもなくて



尻尾があったら



なんてため息。






2008/02/18 (Mon)

[113] さよなら上下
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揺れる、ゆりかごが揺れる
はじっこの灰色の中の中で

この日
左目を閉じた小さな像は
やさしいやさしい子像で



そしてあの日
左目を閉じてしまった
子像は像になっていて


あの太陽と月と星の間に
遥か遠く創造を馳せては

やはり左目を閉じて
けれど命があるから

せめて首を傾げる時は
右に重さを預けようと


そう思った



2008/02/22 (Fri)

[114] ひとひとつ
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綺麗と言われる上っ面を
取って剥いで貼り付けて

お互い軽く会釈したら
0円より価値がないと

気付いたら
薄く口だけ歪んでた



思想は遥か遠く理想を撫でつけて
日を追い儚く揺れるこの薄い影は
行き違い入れ違い似たカタチの中

ただ静かに泳いでた


この足があるトコロ
その手は地に触れる


綺麗と言われる上っ面を
両手でどこかに隠したら

コンクリートの境界線
昨日と今日と明日のあいだ
嘘つきになるワケじゃないのに
知らないトコに知らない空白がある


溢れた液体は蒸発して消える
引き出して散々と黒い影

一生一緒に抱えていくの









2008/02/25 (Mon)

[115] 空に透る
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吐き捨てたありがとう
投げ捨てたごめんなさい
急いで仕舞った独り言
どこにもなくて

うそホント引っくるめ
いつでも誰かを揺らす
言葉の羅列は一重に

いち じゅう ひゃく

ひらがなかたかなえいすうじ

のどからポロリ 零した

せん まん おく

ちょうになって

ちょうになって


今日も空をとんでいる












2008/05/26 (Mon)

[116] ペンの試み
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風に梳かれた雲の隙間
深く仰いで見た濃紺は
突き立て塗り潰した月のない空。

昨日はもう枯れて
物言わなくなった
君を一言 ころり寝転がせても

私は疲れた目で困り顔
薄く乾いていく色彩は
もぅ白に喰われ 鮮やかに落ちていく。

塗り潰し損ねた隙間はキラリ
同じ色に溶け込み逃げだして
今はどこにも見当たらないのに


君は唯一を持って多くは語らない。


君色を帯びていた
延びて遠くへ消える空へ向けて
結局その口は
塗り潰した三日月のそれだから。

私は疲れた顔で 困った目をして
口数の減った友人に頭を抱え
今日も君の手を引いて
薄明かりの朝を行ってきます。









2008/07/12 (Sat)
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