詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
何故産まれ何故死ぬのか?ある種人生の命題に対し、一昔前の私なら、細胞がどうの化学反応がどうのと曰った挙げ句、意味は無いと、切り捨てる処でせう。
でも今ならこう言います。
その意味を探し求め、この世に往生する事こそが、人生の意味なのではないでせうか?
と
表面上だけでも繕えるようになりました。
意味なんかねぇよ。
とはけして言いません。
何故恋をするのか?何故悲しみが産まれるのか?
ここでも快、不快の感情転嫁などとは口が裂けても言いません。
人は一人では生きていけないから、生まれた時に、お母さんがプレゼントしてくれたんだよ。
とでもいいませう。
脳の順応性なんてお首にも出しません。
ただ最近は袖丈の長い着物を着ける事が増えました。
何故かって?
鳥肌たつのを隠すためです。
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
普遍という観念が何故あるのか?
普通が好物の僕たちは
血液型の中に性格を方向付ける要素まで見いだして
統計学に未来まで託して
退化したその足は、腐り落ちたその足は
一体誰が拾うのだろう?
口に出した瞬間に意味を失う言葉が確かにあるとして
それでも僕らは
わかったつもりでぶつかり合って
傷を舐め合って
記号化された感情を、弱さを誇ってしまった心を
どう飼い慣らして行けばいいのだろう?
空白に存在を感じるといったあなたには
僕は一体、何に見えますか?
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
白と黒の間の色が
透明な入れ物を満たした
右も左も分からぬ者が
まっすぐ進めと泣き叫んだ
価値など無い
価値など無いのだ
童話から産まれた悲劇が
朝の静けさを引き裂いた
海底に眠る太古の竜が
3センチの生き物だと知った
真実などない
真実などないのだ
ここに在るすべての物はきっと真実なのだろう
だから、受け入れてなんかやるもんか
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
よくできた物語のような現実に酔いしれて
前向きな明日と自堕落な未来を区別してしまう
時が残酷などという甚だ傍迷惑な被害妄想に捕らわれて
タイムマシンの空想を夢だと豪語する
恋愛だとか親子愛だとか
そんなものですら科学で蹴りをつけちまう時代に
錯誤と言うよりむしろ、錯乱に近いその観念
安心しろ
当たり前に過ぎていくのはあなたの毎日だけ
思い出の一ページを永遠に覚えておくほどみんな暇じゃない
たった三万日程度の人生に昨日と同じ今日が来てたまるか
だから俺は楽しいんだよ
きっと今日もなんかが変わるから
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
二十三時の謝肉祭
選り取り見取りの小さな火種
裏切りの火に触りたい
今更負けなんて怖くないから
五臓六腑に染み渡る
背徳の掟をジョッキで呑み干した
欲望まみれのビール樽
今ごろ誠実になんてできゃぁしねんだ
柘榴の果実に触れてみた
あの頃の香りに出会える気がして
萎びた魚の香りみたい
思い出は思い出のままにして
「あんた、大人になったね」
残念そうな笑顔がやけに誇らしくて
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
自由なんつう言葉は
永遠とか、絶対とか
そんなんによく似てる
実態もなく耳障りがいい
でも
嘘だ
垂直的に与えられる自由
無制限の自由
水平の自由?平等?
支配するかされるか
納得出来ねぇ?
うん俺も
でもまぁ
日本語つかってるもんなぁ
支配享受?
ルールはみんなのためにあるんじゃ決してない
でも
六十億対一の喧嘩するほど度胸もねぇ
さぁどうしようか?
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
春先の優しい雨が頬を撫でるように
冷たい人差し指を僕の顔に這わす君
そんな時はいつも
ここじゃない何処かへ行きたいというサイン
わざとらしく億劫がって君を覗くと
玄関で飼い主を待つ子犬みたいにキョトンとしてみせる
その完璧な仕草に
僕の拙い演技など一瞬で崩れ去る
「ねぇ?今日はどこ行こうか?」
詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
相対的な価値観に支配されて
真実の探求者を気取り
ますます歪に変形していく未来を嘆き
力無き善意を振りかざす
攻撃的な陣形を敷く唇には
致死量の毒は無く
名も知れぬ悲しみの唄は
誰かに届くはずもない
延長線の上に置き忘れた自らの非道
罪人の証を腕に巻け
石に漱ぐ愚か者の誇りを
道理を以て砕け
戦場に咲くべき花などない
そこに愛すべき意味などないのだ