詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
まだ寝る前に聞きたい歌謡曲ベスト10の
1位と8位と9位が決まらない
こんな時は泣きたいだけ泣けばいいと言ったあいつは
泣いてないふりがうまかった
真っ黒に光る夜空の底の
小さな小さな砂粒よりもっと小さい光が
蛇行して降りしきる瞼の裏に
鍵をかけた扉を激しく揺さぶる音がこびりつく
嘘つきの
大切な物は
公園の真ん中に置き忘れても
誰にも忘れ去られて
カバンが四角くなった頃にも
自分で取りに来られるのだろう
こんな夜は
泣きたいのに
まだまだ決まらない
誰にも忘れ去られて
そこにまだあるはずの
拾いにいこうか
泣いてないふりしながら
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神様なんていない
もしもいるならろくでもないやつに決まってる
ああ
俺は確かに聞いたんだ
あのどよめきの中で助けを求めて泣いてた声を
逃げたのは
誰から?
神様なんていないさ
恢々な天網はちゃっかり俺を逃しているもの
何が恐いのか
言葉に出来ないんだ
あの時手を差し伸べることは出来たはずだ
逃げきれるのか?
いつまで?
領分をわきまえて
本分を全うせよ
ああ
力がほしい
本分を全うせよ
逃げたくない
領分をわきまえて
闘おう
本分を全うせよ
クソ食らえ
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少し欠けた月を観るとほっとする
朧に微睡む割れ鏡
右脳は明暗を認知する
左脳は暗喩を探知する
比喩表現は18度前後の安全地帯
月影の非円形に安堵した堕落
永劫の業火の妄想
右脳の認知した善悪
左脳の探知した選択
欠けた月は
欠けたまま沈んだ
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大海を知らねば
空の高さを知るのであれば
どれほどの
いきる価値を
見出す術を
備えたところで
現実がランダムで
かろうじて生きている今の
前向きな空気に押し流されて
後ろ向きを忘れたいから
人間が前向きな振りをする事を
喜ばしいと上から目線で捉えれば
死に近づいているのだと悟らずにはいられない
だから
隣人を愛せる人が
神に授かりしこの生を死を
と
嘆かわしくもいじらしい
かわいげのあるゴウマンを
ぶちかましたとしたとして
許せる人が羨ましくては
端
遠い道のりだろう人生
俺は
俺は
一瞬が一瞬にして
次に
昔になる世界が凡てだから
決めうちされた感受性の根底にある
意味不明な
出自不明な
証拠不十分な
自分らしさが煩わしくて
愛が最強の武器だというなら
俺を救って見ろと言わんばかりの殺人鬼には
与える価値もない物を
垂れ流す明日の朝日を
拝むために必死コいて生きている訳じゃねえよくそったれ
それでも
愛すればこそ
友と葡萄酒は古い方がいい
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女が
顔面に海溝の様な皺を幾つも刻み
汚い指先で吸い殻を摘む
私は
卑しげな顔を向けながら
摘んだものが吸い殻と書かれたバケツの中に
放り込まれるのを見ていた
あたり一面の吸い殻が浚われる
半時間も続いた頃には
まるで初めからそうあったかの様に
整然としていた
女は
塵のないバケツの横に腰を下ろし
所々皮が剥げた合皮性の手提げ袋を弄る
中から
何かが詰まった透明のビニール袋を取り出す
それを苛立たしげに引き破ると
一面にまき散らした
鳩が
群がる
鳩が
群がる
女は
中身を掴み
鳩の群れに投げかける
鳩が
何かを食い散らかして飛び立つ頃
その場所には白い鳩の糞が塗りつけられてあった
女は
立ち上がり
此方に一瞥をくれて立ち去った
ちょうど
その後ろには
野点の立て札があった
真っ赤に塗られた木の板に
白で書かれた文字はこう読める
鳩に餌を与えないで
私は
驚いて女の後ろ姿を目で追いかける
姿はもう見当たらない
代わりに
少女が独り嘲笑を浮かべながら
テトテトと此方へ歩み寄り口を開く
おじさん
いっつも
同じ事
してるんだね
私は
誰なんだろう
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『美品』と書かれたポップをみた
中古のウーハー
隣のコンポの値札には
『新品同様』と書かれていた
外は雨
溜まった雨水が
アスファルトに冠する程の
『音出ます』
手書きの汚い文字
かろうじて読める
ふと上を見上げた『ジャンク』の文字
外は雨
アスファルトに冠した雨水が
靴下をぬらす程の
新品で購入したアンプに
昨日は梅雨の終わりを教えてもらった
外は雨
溜まった雨水が
アスファルトに冠する程の
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眠り続けることに飽きたから
闘ってみよう
太陽が八回昇る頃には
この命は潰えているのだろう
最期の時まで
我が生命に従い
飛び続けよう
この羽根が千切れたなら
這ってでも
さあ
太陽よ
照らせ
この命を
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ただ願うだけで生かされることができるのに
あなたはどうして
そんなに飢えているの?
運命の女神は意地悪な微笑みを僕に向ける
望まなければ手に入らない明日を目前にぶら下げて
剣先を僕に突きつける
手を伸ばさなければ手の入れられないもの
手を伸ばすと失うもの
彼女はもう一度言う
願うだけで生かされることができるのに
あなたはどうして
こんなに渇いているの?
突きつけた剣をカタカタと震わせて
怯えた唇で無理に微笑む
彼女は知っているのだ
僕が手を伸ばすことを
彼女は知っているのだ
僕が何度もそうしてきた事を
僕は手を伸ばし
明日をつかむ
血まみれの唇で叫ぶ
運命なんてくそくらえ
何度でもいってやる
運命なんて
くそくらえ
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孤島に住んでいる
見渡す限り海で
遠くを渡る船は此方を気にもしない
雑踏の片隅にうずくまっている
目の前を通り過ぎる人々は
必死に足元を睨んでいる
世界が本当に
血の通わない
そんなものなら
きっと誰も幼いパンダの死を悼みはしないだろう
きっと液晶から愛の歌は聞こえてはこないだろう
だけど僕は
戦争を恐ろしいと感じるし
レジの横の募金箱に
小銭を放り込む
そしてそれは
きっと誰でもそうだ
夕日が赤いのも
夏が熱いのも
誰かが恋に焦がれているからだと信じられたなら
きっと世界は
このくそったれな世界は
あの人が言うような
愛に満ちた世界になるんだろう
明日は誰かに誇れるような
輝いた世界に
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君の小さな心の動きを
これほど嬉しく感じる事が
いつかもっと積み重なったら
誰にも負けない
夫婦に熟れるだろうね
ありがとう
これからもよろしく