月の晩

水面のほとり

跳ね踊る

蜻蛉の羽

光る夕空

赤い瞳

静けさが浮かぶ


空はなく月だけが輝かしくて

夢現

現のまま

眠っていて

眠ったまま

夢見て

堕ちていく

深くで

深く閉ざしたままで

眠っていた

眠っている

過去も現在も

すぐここに

目を醒ます事のない

そのように


『言葉は埋もれていて』

闇にこだまする

目も耳も澄まして

退かしていく

…この場所を残して…

整理する
には
整理する場所
より
大きな場所が必要で

最低でも
整理する場所の
中のモノの
もっとも大きなモノを
移動させられる場所が必要

かさばるなら
まとめたり
捨てたり
しないといけない

そして
取り出す為に
空白も
また必要

無理矢理に
引っ張り出すと
散らかりますからね


何事も同じだと…
…思ったのでした

覗きこんでみた

瞳に照らされ映った

瞳の先へと

足を踏み入れた


ひっそりと綻びを作って

目を凝らさず

奥を写し映す様に先へと



…足音だけがここにいる…

くすんだ

くずれた

足を滑らして

あわよくば


影を覆い


そして


…沈黙は守られた…

光の加減

月の方向

海の場所

場所の場所

水の棲み

揺れ動く


廃墟の片隅

破片が散らばっていた

水を汚した水が

空へ
帰って行った

僕はまだ
空を見上げて
見上げられないでいる

…この瞳には何も…



雫は融け…まだ雫で…
水面の底へ
と
流れ溺れていく
『…月を隠すように…』

私でない私を

どう扱っていいのか

どう扱いたいのか

今どう在るのか

どう有らされているのか

どうしたら

私のまま私で在ろうか

切り離そうか

どうしたものか

私という私で