詩人:大示 | [投票][編集] |
薄い霧を破る犬の鳴き声
ぱちぱちと焚き火が呼ぶ
カサリと竹藪の内緒話
迷ひ家のような広い家
昔話に入り込んだみたいと
はしゃいでいた、あの日
もう誰も居なくなってしまった
私の迷ひ家
昔日の面影は
まだそこにありますか
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あぁ、今日は晴れ
うん、今、適度な感じ
あれ?・・・曇り後、雨
こんなふうに君の心模様が
解ればいいのにと思うことがある
僕が極端に
コミュニケーションが苦手なだけかもしれないな
正解の言葉を探すのは
本当に難しい
心予報士になりたい
資格は何処でとれるんだろう
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うたた寝をしていると
どこからか
小さな話し声が聞こえた気がした
硝子の戸棚に近寄り
中のぬいぐるみ達を眺める
すっかり忘れていた
昔の友達
久しぶりに取り出し抱きしめた
懐かしくなり少し涙が出た
『昔、よく一緒にいてくれたね』
いつの頃からだろう
君から離れてしまったのは
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猫が嫌いなあなた
猫が好きな私
拾ってきたのはあなた
面倒見るのは私
飼えばいい、と言ったのはあなた
その言葉に驚いたのは私
ねぇ、嫌いじゃないの?
『たった今、好きになった』
好き、だなんて
あなたの口から出るなんて
とても貴重
何が決め手になったの?
詩人:大示 | [投票][編集] |
暗く鬱ぎ込んでた君
小さな毛玉を土産に渡すと
数日ぶりの笑顔を見せた
嫌いな恋敵に助力を頼むのは
あまり良い気はしない
『たった今、好きになった』
あの言葉は半分、嘘だ
詩人:大示 | [投票][編集] |
小さな子は、いつも一生懸命だ
喋る時も、遊ぶ時も、食べる時も
その眩しさ、若さに大人は
眉をひそめ時に疎ましく思う
しかし
必死で生きようとしている生命を
否定する権利は誰にも無い
否定する前に
しなければならないことは
たくさん、あるはずです
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指を絡めて
一つの言の葉、二人で紡ぐ
この薄桃の花びらの代わりに
白い風花が舞う頃
また会おう、と
名残惜しげに指切りした
奇跡の様に季節は巡る
ヒト フタ ミ ヨ
指折り数え待ち焦がれた
約束の季節
私の体は冷たいけれど
指切りした小指は暖かい
あの日の、この場所で
想いを伝えて
これから二人で季節を巡る
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『あんな、良い子が・・・』
最後のサインを見逃してしまった
否、視界にも入れてなかった
その結果が惨劇を起こす
紙にも表裏があるが
人は薄っぺらい存在ではない
他人に、何が解ると言うのだろう
表だけを見て、人を判断すると
痛い目をみるのはこの世の道理
詩人:大示 | [投票][編集] |
『人を殴る奴は牛と豚の相手しか
してこなかったんだな』
小さい頃、そう思い
心の中で嘲笑していた
今は私の周りにそんな奴は
いなくなった
塵の様な思い出しか残せないのは
本当に哀れだ
いつかは消える命
周りの人が、自分の死を待つ
死神に見えるか
天使に見えるかは
人との接し方次第