詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
ホットココア
冷めないうちに
他人の悪口
いないうちに
明日の準備は
寝るまえに
夜更かしするなら
朝までに
当たり前の世界の真理
全てわかっていたいけれど
最後まで言うのはカッコ悪いわ
濁して結ばず
走り続けて想像させて
だけど戸締まりだけは
しっかりしてね
大事なものがあるうちに
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人工物は取り残される
人の想いと共に取り残される
仏頂面した置き時計も
誇りをまとった本棚も
人工物は呑み込まれる
人の想いも意固地に守りながら
溶け込むように呑み込まれていくよ
今日も夕日に染まっていくよ
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たしかに朝は夜の「次」だけれど
はっきりと変わるのはいつだろうか
境目はどこだろうか
夜の色は朝の色に
夜の匂いは朝の匂いに
夜のふたりは朝のふたりに
今日は夜通し起きてようか
ふたり寄り添って
お互いを確かめながら
朝の気配がしたら
ふたりで朝食の準備をしよう
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横這いで進みながら
立ち上がる方法を考えている
空と地面に平行に挟まれて
時間という便利で憎めない概念に流されながら閉口する
地球が丸いってのは嘘だ
そう文句を言いたくなるけれど
すくっと立ち上がるだけ
それが簡単なようで実に難しい
全体像の見えないこの空間
狭い視野でただ脱する方法を思考する
まるで僕らは行き先の決まった流れ星だ
何をしていても迫られている
新聞を読んでいても電車に揺られていても
歯を磨いていても恋をしていてもそう
僕らは横這いでもがきながら
いつも何かに迫られている
迫っていきたい
そいつの核心に僕は迫りたい
すくっと立ち上がって一歩踏み出して
堂々と胸を張って歩きながら迫っていきたい
それが実に難しい
今日もまた横這いで思考するだけ
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恋はいつも泥だらけだ
ぬかるんだ地面を蹴りあげて
懸命に走ってみるけれど
スッ転んで膝を擦りむいて
前転して服が破けて
そこでスクッと立ち上がって
慌ててポーズを決めてみても
滑稽でしかないなぁ
滑稽としか言えないなぁ
コッケイケッコウコケコッコー
朝から今日も恋をする
コッケイケッコウモウケッコー
夜が更けても恋をする
やぶれかぶれの恋かぶれ
泥にまみれて君を想う
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君と過ごす時間よりも
君のことを考えてニヤニヤする時間が多い
そのアンバランスが良いのかもしれない
男なんてそういう生き物だ
男が目の前にないものを妄想して
そうして世界は成り立っているのだ
これは新発見だ
世の中の真理だ
ストーカーだと言われたら
それまでなんだけれどね
君のことが好き?
いいや君のことを考えるのが好き
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明日のことはわからないよ
君はそう言って笑う
顔をくしゃっとさせて
目をきゅうっと細くして笑う
その顔が僕は好きだ
でも君が言うように
明日のことはわからない
明日も君のその笑顔が
僕の前に在るとは限らない
明日のことはわからない
でも一瞬一瞬を判断を誤らないように進むと
足がもつれて転んじゃう
君が顔をくしゃっとさせて笑っている
大好きな目がきゅうっと細くなる
嘘をつく暇もない
細工をする暇もない
君との時間を丸裸でもがくようにしながら泳ぐ
それはとてもここちよい
明日のことはわからないね
それは不安に包まれた小さな幸せ
大切に胸に抱え込む
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死ぬってなんだよ
今になってそんなことを考える
あいつはもういないのに
死ぬってなんだよ
呟くように聞いてみる?
もちろんどこからも返事はないだろう
悲しみが涙に変わり
そして胸にぽっかりと穴をあける
そっとずっと心の底に留まっていた涙が
あいた穴からつららのように絶え間なく溢れ落ちる
それは冷たく身体を麻痺させる
死ぬってなんだよ
今になってそんなことを考える
あいつはもういないのに
涙をふいて歩き出そう
また日常に流されよう
僕は今日も生きていこう
流されながらただ進もう
ふと立ち止まったときは
またここに来るよ
さようなら
さようなら
さようなら
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奇跡なんてものはない
どこかでそんなことを聞いたことがある
多分そうなんだろう
僕は決まって君のことを考えている
うんざりするほど考えている
奇跡は信じる者に訪れる
どこかでそんな言葉を見たことがある
多分そうなんだろう
僕は決まって君のことを考えている
いつも呆れて笑ってしまう
奇跡なんてものは
奇跡なんてものはね
僕は旅をしたい
君と二人で目的のない旅をしたい
さあ行こうぜ
奇跡が終わってしまう前に
君よ
どうか笑ってくれ
僕のために
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途切れてしまったヒコーキ雲は
どこかの空に繋がっているのかな
いつの間にか忘れていた未来には
今からでも繋がるのかな
いつも何かを取り戻すために早足で歩くよ
無意味だと知っているけれど
すべてが一瞬だなんて悲しすぎるじゃない
そんなこと考えたくないんだ
一方通行にひたすら線を刻んでいく
流れに逆らったマイナスは消えていく
君と僕と引いた白線の
交差する場所を目印にして待ち合わせしよう
通りすぎないように目を見開いて
一瞬を思いっきり睨みながら歩いていく
僕は早足で歩いていく