詩人:ふくざわゆいと | [投票][編集] |
せっかく一緒に過ごしても
たくさん泣かせてしまうばかりで
ボクのちょっとした不機嫌さえ
キミに気付かれて 気を遣わせて
事あるごとに 「ごめんね」と
何もかもにすら 敏感になって
目を腫らし 繰り返し呟いた
弱々しく 小さな背中
笑っていなきゃ 明るくいなきゃ
何のために そばにいるんだ
何のために ここまで来たんだ
ほんの少しでも キミを幸せにしたい
誰よりも強く そう想っているのに
今はただ 胸が痛くて
かける言葉も 見当たらなかった
「ごめんね」と 伝えなきゃなのは
きっと ボクの方だったのに…
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それはあまりにも突然だった
なにかで殴られたような 衝撃だった
時が経っても 信じられず
ただ 休暇を取って
会社にいないだけだと思えた
仕事が大好きな人だった
人一倍真剣で 手を抜かず
強い責任感と 誇りを持って業務にあたる
その姿は 周りには眩しく
その立場から 皆を引っ張り
時に疎まれても 正しい道を貫く
憧れの存在だった
入社当初
要領の悪い自分は すぐに孤立した
けれど この人は信じてくれた
周りに「やめてしまえ!」と嫌われて
小さく虚ろな自分に
「ここで負けるな!」と励まし
「このままじゃ悔しいよな」と寄り添い
『現場』を 教えてくれた
「バカヤロー!」と何度も叱られて
だからこそ 褒められると嬉しくて
誰よりも厳しく 誰よりも優しかった
悩めば 一緒に考えてくれた
この人に付いていこうと思えた
『父』のような存在だった
夕方になっても ピンと来なかった
なぜこんなことしてるのだろうと
喪服に着替えながら
通夜に向かう足は重たく
心は 向かなかった
お別れになってしまうのか
頭の中を ぐるぐると回って
落ち着かないまま扉が開くと
会社を辞めて 別の道に進んだ者
勤務先が異動となった者
上司や同僚 俯く面々
確かめたくなった
ぎごちなく礼して 顔を合わせた
ただ 寝ているようだった
言い表せない気持ち 激しく動揺した
受け止めがたい事実だった
一礼し 棺を離れてからは
よく覚えていない
奥さまの言葉
何度も読み返していた
いつのまにか一人 ぽつんと残った
「まだ教えてもらいたいことがあるんですよ!」
「なに、寝てるんですか。いつもみたいに叱ってくださいよ」
「この先、誰を手本にやっていけばいいんですか!」
涙が溢れた 止められなかった
「決して周りに流されるなよ、
お前のいいところは真面目に取り組むところだ、
腐らずにやっていけば、必ず大丈夫だから。」
自分に よく掛けてくれた言葉
絶対に忘れない
あなたの意志を 継いでいかなければ
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あの日から 今日で12年…
長い月日が経った
いろいろ苦しい思いもした
今年は雨だった
絶対に 忘れてはならない日
ねぇ 聞いて 報告があるよ
大切にしたい人が出来たんだ
こんな明るい話題なんて 初めてだよね
自分でも ビックリしてるよ
でも 本気なんだ
ボクに出来るか 分からないけれど
好きなんだ 心から
だから ボクのできる限り
大切にしていきたい
喜んでくれる? 祝ってくれる?
キミが 遠く旅立った世界で
ボクは また幸せを感じられたよ
諦めてしまわないでよかった
キミの言葉を 信じてよかった
もう 縛られてもいない
キミを 思い出すことがあっても
キミに 苦しんだりしないよ
独りじゃないって 分かったから
大切にしたい人がいるから
だから 安心して欲しいな
長いこと 空の向こうまで
たくさん 心配かけてしまったね
でも きっともう大丈夫だよ
こんな明るい気持ちで
この日を迎えられる時が 来るなんて
全く 想像も付かなかった
それだけ少しは 前へ進めたのかな
ありがとう
これからもどうか 見守っていてね
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知らずに 大切な人を傷つけていた
どうしてもっと早く気付けなかったのか
素直過ぎて、、、
ダメじゃないけど、、、
言葉が刺さる 痛い
けど、受け止めなきゃいけない言葉なんだと思う
自分が傷つく以上に
傷つけてきたのだろうから
どうすれば良かったんだろう
どこで間違えたのだろう
どうしてそれを今知るのだろう
もっと早く気付けていたら…
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昔 ある女の子に言われたんだ
「自分で自分のこと
どれだけ一生懸命でも決して
『自分は 頑張っている』なんて言うな」って
だから 無理や限界の境目は分からなくなるほど疲れても
求められてるものや
結果が出せない限りはダメなんだと思ってた
まだ足りないんだ 自分は頑張っていないんだと思い込んでしまった
けど 違ったんだ 気づいたんだ
多分 その女の子は 言葉足らずで
ホントに伝えたかったのは
わざわざ 口にするな ってだけで
自分で自分を認めてあげたら
それでいいんじゃないかって
誰かに 認められなくたって
自分が頑張ってきたことを
自分自身が誇りに思えたら
それでいいんじゃないかって
例えば 缶コーヒー ひとつ買って
10分くらい 喧騒から切り離して
ほっと落ち着いてもいいんだよって
誰かに知ってもらいたい
見てもらいたい 分かってもらいたい
そんな気持ちは 誰にでもあるけれど
自分から口にしてしまうのは
あまりにも品がないんじゃないかって
自分の価値を 押し付けているようで
それは もったいないんじゃないかって
だけのことだったんだと思う
「あなたが 頑張っている人だって
私は ちゃんと分かっているよ」って
今になって ようやく分かるような気がするよ
ひとつひとつ またひとつと
目の前のことを やっていけばいいんだ
頑張っていけば それでいいんだ
もし 誰も気づいていなくても
自分が分かっていればいいんだ
キミには 自然と伝わっていたのだから
その当時 すぐには分かってなくて
文字どおりに受け止めてしまって
自分に無理をさせたこともあったけど
もっと自分自身を好きに 楽に
大切に思っても 良かったんだ
今になって ようやく分かるような気がするよ
教えてくれてありがとう
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それでも、と言い続ける
可能性の獣
逃げ出す事はいつでも出来る
見た目には弱く脆いかもしれない
それでも、ぶつかっていく
求めた結果が残せなくても
可能性を信じて
やれるだけやろう
もう一度
自分が誰かを愛せると信じて
自分が誰かから愛されるように
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キミの傷の深さは
ボクには 分からないけれど
キミと同じ立場だったら
ボクもきっと 傷ついていただろう
明かされた真実 知らなかった秘密
それでも はにかんで見せていた
あの笑顔 今は痛々しくて…
どうして あの日
一言 キミに声を掛けなかったんだろう
どうして キミの気持ちになって
考えることをしなかったんだろう
分かるだなんて とても言えないけど
なにかサインがあったかもしれない
気づけたかも知れないのに
ボクも 周りも なにひとつ
してあげられないまま
静かに キミは
いなくなってしまったんだね…
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もし 騙されていたとしても
あなたに 裏切られていたとしても
これまで 一緒に過ごせた日々は
かけがえのないものだから
あなたにとっては 退屈で
どうでもよかったかもしれない
私を堕とす 芝居だとしても
この恋いが ニセモノだとしても
私の気持ちは 本物だから
簡単に 変えられない
嫌いになんてなれないよ…
ありがとう さようなら
私 幸せでした
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ただ 純粋でいたい
誰かに 傷つけられたとしても
ただ 正直でいたい
誰かを 傷つけてしまったとしても
ただ 真っ白でいたい
淀みや汚れを 知ったとしても
ただ 真っ直ぐでいたい
雪にも折れない 柳のように
ただ 清らかでいたい
澄んだ 月明かりのように