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照明のない低い舞台。
明らかにミスキャスティング。
捨て駒として扱われた大根役者。
醜い演技を隠すために照明がない。
脳内銀河の脚本は主役であるはずの自分が召使。
カボチャの馬車は来ないが、ガラスの心は割れた。
鏡に映ったナルシズム。
自分の自分による自分の為のダンスパーティー。
黒人霊歌のゴスペルじゃ上手く踊れない。
折角の一張羅も安っぽくみえる。
ほら吹き魔女の甘言を鵜呑みにしてアマンダの生き血やとかげの干物を口にしても、肝臓を悪くしただけ。
不幸の星の下。儚い舞台の上。
黒とか言ってみたり。
救われるような気がして。
藁を掴む思いは泡。
人生は一抹の夢。
嵐の前の静けさのように妙な胸騒ぎ。
これから起こる全てをまだ知らない幸福だけ。
蚤の心臓。勇気のない自分。
落としたバトンは何かの前兆か。
失楽園という名の舞台。
静物画の林檎のような頬をした娘が立って何かを伝えようとしている。
聞こえないよ。
娘の蝋燭の灯は静かに小さく揺れている。
こっちに来るな。
悔しくはないのか。
なぜそれを愛と信じるのか。
俯く処女は長い沈黙を破る。
『あなたがアダムというならばわたしは神をも恨まない』
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春に埋まって窒息死。俺の心の暗黙知。誰も触れざる闇の主。淋しく濡れた目的地。
内的なペストの流行。病的なミストの氾濫。北方のケルトの神話。盲信的カルトの信仰。
理解を示されず一人舞台。視界に秘められし一人裸体。樹海に彷徨えば一人笑い。
ネクロマンサの儀式に酔って。ミクロ熱砂の意識に問うて。アクロバチックな形式の回転。
静的な造花。性的な謳歌。霊的な効果。
焼かれ焼き尽くされ、打ち砕かれた夢の欠片。
愚か者の掌で腐った世界の間抜けさを転がす。
ただ旅と名付けたかっただけなのだ。
本当は何もナイ。
何にもないってことが、何でもありってことなんじゃね?
なんてことはない。ただ希望を持ちたかっただけ。
無限の屍の上で安楽な営みを繰り返しながら。
年中無休の孤独。
涙と恨みのディスカウント。
コンビニエンスでインスタントな恋のバーゲンセール。
暇潰しでベッドイン。
甘酸っぱくほろ苦い、ネオブラックコーヒー。
煎りたての豆の原産地は、どこかからのイミテーション。
量産されるクローン。
それでもいい。
飲み込んでおくれ。
俺の弱さの全て。
抱えきれない闇。
その場凌ぎで抱き合って、終わった後に虚しさに襲われる。
誰でも良かったという強がりが独り歩きする。
チャラチャラと着飾って。
人混みの中で星を見る。
俺の心のネオブラックコーヒー。
嫌味一つ言わず、何食わぬ顔で飲み干しておくれ。
砂糖もミルクも混ぜないで。
「美味しかった」と言っとくれ。
春に埋まって窒息死。俺の心の暗黙知。誰も触れざる闇の主。淋しく濡れた目的地。
内的なペストの流行。病的なミストの氾濫。北方のケルトの神話。盲信的カルトの信仰。
神よ。
あんたがいる限り、我々に幸福は訪れないでしょう。
ほんまくだらんわ。
神よ。
俺らに似てるな。
あんたも結構、辛くて大変なんだろ?
そこに座って、これ飲めよ。
ネオブラックコーヒー。
あったまるぞ。
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聞いて下さい。
みんな野蛮なのです。
如何程の善意を捧げたっても、彼らは無碍に却下するのです。
もし僕に、揺るがざる信念の一つでもあれば、彼らに取って代わって力強く正義を行使するでしょうに。
残念なことに僕にはそれがありません。
聞いて下さい。
みんな野蛮なのです。
幾ら等身大の愛を謳っても、彼らは一向に振り向いてくれません。
どんなに身を削った代物でも、肝心要のカンナが錆びてたんじゃ、哀れだろうよ。
本当の悲劇を、僕は知りません。
ただ繰り返しのような毎日をのうのうと生きてるだけです。
夢も張り合いも、年月が奪い去りました。
誰かの微笑みの中で、せめて倒れないようにしてるだけ。
現実はリヴァイアサンのようなもの。
捕らえ難く、奇妙な生きものの一形態であります。
こんな辺鄙な場所で僕は、原因不明の気持ち悪さに襲われることがあります。
その野蛮な見えざる暴力に屈伏しそうになります。
飛び込んできたノイズ。
どうせ脱出不可能なんだろう?
飼い殺したナイトメアの悲鳴。
バクがいるなら食べてくれ。
手元に残った残骸。
灰になった悲しみ。
美しくもなく醜くもなく、延々と続くアスファルトの砂漠。
見守るだけの月。
幾星霜、紡いだか忘れました。
しばしば憎しみさえ入り混じり。
朽ち果てた遺蹟のような、絵空事。
紙の上に。文字の中に。
反芻する歴史に、引き裂かれながら。
破り棄てた抽象的精神世界のマーブル模様。
グルグル渦巻いて、昇華するのを待つこと数年。
矢の如き光陰は無情。
那由多の彼方に馳せてみても、未だ光は遠し。
闇を寵愛する偏屈な孤児の夢想。
神話と破滅のデジャ・ヴ。
欲望と絶望のメスでオペ後の経過は波乱そのもの。
いい加減に生きていくのも、それはそれでアリかもしれんが、それでは彼らと変わらない。
ああおぞましや。
ああおぞましや。
くれぐれも僕に危害を加えないでくれ。
聞く耳持たぬ野蛮な人達。
その群れから一線を画する者の矜持を胸に、笑う力を守るんだ。
ああこの誓いをば、霧散せぬことを、真に!
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電車は下り。
目的地は不明。
都会の喧騒から離れて、一人を旅する。
向かいに座るカップルがイチャついて、癪に触る。
そう言えば買い忘れてた。
さっきの駅の幕の内弁当、旨いんだった。
今日ほど青空が、悲しい日はないかもしれない。
煙草がハイペースで減ってゆく。
全身で幸福を表現する恋人達は、二人の世界から外は見えないらしい。
苛立ちと焦燥。
硬いシートに肩が凝る。
自棄糞と怯え。
孤独の終着駅へ、人生という名のトレインは進む。
流れに逆らうように、時へ反抗するように。
決められたレールのない、不確かな旅。
ああこのまま、銀河へ昇りたい。
闇に誘われ、虚空の果てへ。
宇宙の神秘的な謎の核心に触れたい。
どこまで行っても悲しみは付き纏う。
いつになったら、こいつと上手に付き合えるのか。
溺れる自我、妖しい未知に彷徨って。
きっとこのまま行っても、知らない街へ辿り着くだけだ。
まるで胎内にいるかのような心地好い揺らぎに任せて、微睡む。
車窓の外の景色には、もはや俺の知るものはない。
俺を知る者はいない。
伸びる未来。
長く続くレール。
俺が受け入れる数少ない優しさ。
ありのままでありたいという願い。
運んでくれ、トレイン。
もしも闇に包まれた時、俺の心が息継ぎできる場所へ。
何もかも時の流れが、せめぎ合いながら、矛盾を相克しようとして藻掻いている。
ギシギシと過剰な負担にひしめき合いながら。
軋みながら、歪みながら。
まるでこのタイヤとレールの摩擦のように熱を孕みながら。
不安、憎悪、憤怒、孤独、甘え、弱さ、嫉妬、猜疑、寂寥、悲哀、苦痛、憂欝、欲望・・・
数えきれない駅を過ぎ、両の腕に抱えきれないほどの感情が永遠と刹那の狭間、俺の中の俺を活かしも殺しもする。
手招きするような未来へと、俺の意志を貫く。
暗くなるばかりだ。
だが光は差すだろう。
同じ列車に乗りながら、違う人生を歩む。
孤独と孤独。
上っ面だけじゃ、解らないよな。
もはや祈るような心境に近い。
暮れ泥む黄昏時。
ひたすら加速しながら。
黒い電車は残酷に走る。
車内の人々は何を思う?
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混沌の不動心を体現する原初の色。
ネガティブとポジティブのメトロノームを激しく反復する魅惑の色。
素敵な色。
ジュラ紀から白亜紀。
欲望の眠らない生命体が、蠢く呪咀に駆られて、アウストラロピテクスの誕生の日まで超未来の野望に炎上す。
沈むような夕日を遮る黒雲を突き破り、高く舞え、忌み嫌われたヤタガラス。
テクノポリスを跋扈する、人畜無害の有罪者が咆孔す。
意味と無意味がオーバーラップし、叩き出す超絶世界新記録はギネス級。
ひび割れたビー玉宇宙の住民は、みんなスリッパ履きしている。
一青窈という字が、最初読めなかった。
思いもよらず現生掴まされたら、冷や水浴びて走り出せ。
残酷な音色のマンダリンで、祝祭しよう。
愛なんて時代錯誤の虚栄さ。
おねえさん。
今夜一晩中、タンポポ畑の見える都会のビル群で、喘ぎ声を聞かせてよ。
俺には羽がある。
君にも花がある。
間違っても俺はうんこじゃねえ。
おててのぬくもりプリーズ。
おはだのうるおいプリーズ。
プリーズ!
吐き出した言葉の原型に、脈略を探さないで欲しい。
ただそのまま。
素敵な色。
故に黒に執着する。
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詩は刹那。
悲しみは永遠。
詩は刹那。
悲しみは永遠。
ただ生まれてきた悲しみにむせび泣き。
ただ生きているおかしみにすすり泣く。
卑しさと賤しさに、癒しを貪るいやらしさ。
都合良くドロドロの感情から目を逸らし、楽な方へ逃げたがる卑怯さ。
満足と愛撫。
商売と欺瞞。
貴女が笑ってくれて、貴女が抱き締めた後に、残るのは寂しさと虚しさだけ。
満ち潮から引き潮へ―。
傷だらけで悩みに溢れた心と体。
時代は閉塞し、キレイゴトに隠された、己の汚さ。
疑うことだけ学んだこの十数年。
亡者の列。
物質と精神。
文明は人間を獣にする。
この手にある未来の暗澹たる退廃に、刹那を詩うしかなくなるのさ。
肥大化するエゴイズム。
我が身の可愛さに、無害で当たり障りないものだけ、愛と呼ぶ。
嫌悪感、嫌悪感、嫌悪感。
軽蔑と嘔吐と拒絶。
厚みも深みも重みも寛さもない言葉の羅列!人格の露呈!
研磨と修練が人を大きくする。
困難の中でこそ魂は育つ。
栄養分のない土壌では、ひ弱な花しか咲かないさ。
余力を残して死ぬなんて出来ないさ!
無力だか全力で生きるだけ!
無秩序の中心で反旗を翻すクーデター。
誰か一人でも救えるようにとデモンストレーション。
泣いて笑って全存在を賭する我がジハード。
黒く輝く。
あれは俺の星。
誰にも見えない一等星。
詩は永遠に。
枯れずに咲く花のように。
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音を詩の中に封印したいと思った。
奏でられし脳内ビート。強靱なリズム。
昂揚感を煽り、それでいて祈りと鎮魂とを併せ持つ、類い稀なるメロディ。
楽器なら文字の一つ一つ。
贋物に囲まれた生活で、真実を鳴らしてみせる。
笑う笑う笑う、心は踊る。
回る回る回る、ワルツは緩やかに。
あらゆるメーンストリートに君臨して、街をジャックせよ。
帝王にK.O。
最高のパーティー。
インディーズからメジャーへの下克上。
奪うぜチャンピオンベルト。
此処はアンダーグラウンドリング。
単純明快能力主義の修羅場。
ジャッジメントは拍手と歓声。
破壊と再生を繰り返す我が情動の旋律。
慈悲と憐れみ。
憎悪と残酷さ。
真逆の要素を含んだ奇跡のブラックシュガーセックスマジック。
心から心。
伝わってやがて天の高みまで。
ロマネスク。
やわな奴は怪我するぜ。
ファンタジア。
諸刃の剣さ気を付けな。
音を詩に。
音を詩に。
愚直なまでに封印する職人を目指して。
俺ら流行にゃ流されず信じる音を鳴らすんだ。
ノーファイト、ノースマイル。
ノーチャレンジ、ノーリターン。
戦わぬ奴は笑えない。
挑戦無くして報酬なし。
そのぐらいは知っときな。
貫け。
アクティブにしてアグレッシブな無二のスタイル。
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この楽園、最初の涙それは海。悲しみは真珠。
優しさは波。
溶け合う大きな愛。
美しいシンフォニー。
体中が歌い出す。
ランランラン。
圧倒的な自然の摂理の前に。
全身で歓喜の合唱。
神々は希望の小箱を、森の奥地に隠して。
高き山から見渡せる、絶景に溜息。
ランランラン。
子供達はプリズム。
争いのないユートピア。
上下強弱、隔たりのない豊かな世界。
大好きな人がそこにいて。
安らぎに憩う小鳥は青空に巣立つ。
なんて麗しき日々。
貴女の瞳の眩しさに、言葉は要らぬ。
朝昼晩。
芳ばしいパンの匂いに目覚め。
昼下がりのハーブティーで午後の息抜き。
庭の仔犬は走り回り、タンポポとじゃれ合う。
夕暮れになると貴女はブランコに座り、恋の唄を口ずさむ。
懐かしい絵本なんかを捲りながら、夜にはディナー。
一日の疲れを癒すように、温かなミルクを。
ゆったりとお風呂を。
春には桃色の花びらを掌に乗せ。
夏には浜辺で潮風と追い駆けっこ。
秋にはドングリと枯葉を集めて並べて。
冬には雪原で転んだ貴女に手を差し出す。
そして今、季節は黒く―。
ランランラン。
なんて幸せな毎日が僕らの横をすり抜けて。
ランランラン。
いつのまにやら取り残されていたんだ。
ランランラン。
期待していた通りにはいかないばかりで。
ランランラン。
もうこの声は貴女には届かない。
世界は遣る瀬なく。
僕は笑うことを忘れた。
リアルが全てを壊したんだ。
いけないのは誰とかじゃなく、きっと少しずつ変わっていった。
優しい貴女の笑顔。
まだ全然抱き足りなかった。
前略サッチモ様。
あなたが歌うワンダフルワールド。
鈍感な僕には聴こえません。
イマジンも、アメイジンググレイスも、愛の讃歌も、聴こえません。
雨にも風にも負けた僕。
腰にぶら下げた思い出が、明確に僕を参らせる。人はそうやって、美しいものを風化させてしまうんだろう。
ランランラン。
ハーモニーは今となり苦しいよ。
ランランラン。
冷めたく小さくなっちゃったね。
ランラン。
ランランラン。
貴女の写真も手紙も全部焼いたよ。
ランランラン。
この歌はなんでだろう。耳から離れないんだ。
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雨、上がったね。みんな傘をたたんでく。
日、伸びたね。こんな時間でもまだ明るい。
涙が明日を洗ってくれる。愛という洗剤でバシャバシャしよう。
恐くないよ。さあ行こう。
未来に続く扉をノックノック。
葉こすれの音。
穏やかな陽光。
生きててよかったね。
こんな日には鼻歌を。
笑うことができるから。
散歩がてらの柴犬にも愛想良く。
それでも少し淋しいのは、君からのメールが来ないから。
何度もセンターに問い合わせてみても“着信なし”。
知らない町で君は、仕事に忙しいみたい。
呑気で気楽な僕とは違って、君はとても真面目な人だから。
肩凝りは治ったかな。
悲しい夢は見てないかな。
朝ご飯ちゃんと採ってるかな。
枕は濡れていないかい。
心配で心配で君のこと。
遠い同じ空の下で、元気でいますか?
美しい世界が、何気ない足元に転がってるんだろう。
気付いてあげないと拗ねてしまうから、いつでも僕は小さな感動を忘れない。
ありふれた奇跡が、君と引き寄せ合ったり、離れてしまったり。
ことごとく色んな表情を見せるんだ。
もう随分開いてない。黒い表紙の日記帳。
B5版横罫の35行40枚のノートには、僕の想いがぎっしり詰まってるんだ。
あんなにも近くに、君がありふれていた日々の息遣いが密やかに聞こえてきて、胸が締めつけられるよ。
淡い水彩画みたいに鮮明だった記憶。
いつしか薄まり色褪せてしまうのかな。
そんな日が来るのが少し恐い。
初めて憶えた星座。
君の好きだったオリオン座は、うんと過去からの光を今夜も見せてくれる。
会いたくなるんだ。
思い出してしまって。
一晩中二人で夜空を眺めていたあの日。
次の日二人して風邪をひいた出来事。
会いたくなるんだ。
あの声と体温と仕草が愛しくて。たまらなくて。
まだ別れたわけでもないのに、悪い方に悪い方に考えてしまう。
雨、上がったね。
日、伸びたね。
君にメールしようかな。
返事はいつになるかわからない。
明日をノック。
君の心をノック。
恐くないよ。さあ行こう。
笑顔が今日を磨いてくれる。