詩人:ユズル | [投票][編集] |
微かな風が髪を揺らす
何処から吹くんだろう
気付いたら 辿り着いていた
この白い世界で
けだるい空気に
眠ることしか出来ずに
絡み付く真っ黒な記憶
持て余したてのひら
海沿いの坂道を
翔けていく夕暮れを
覚えてる
ざらついた幻の先に
揺れる影だけ見つめていた
汗ばむ身体 乾かしていく
涼しくなってく夕風
温度など感じない
季節すらないような
いつから此処に来たのだろう
懐かしい匂いの中で
還らない空を見た
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空は茜色で
包まれるようだった
カラカラ自転車の音
笑いあう帰り道
あのときみたいな
熱もときめきも
今は彼方だね
休む暇もなく
遠い風が髪を揺らす
胸の奥で鳴いていた
鳥が飛びだす
夕焼けは変わらない
変わったのは僕だけ
ふざけながら
走り出してみよう
思い出どおりにはいかないけど
ださくても
空の下で
太陽を目指すよ
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カラカラと古びた水車が
軋みながら 回る
ささやかなしずくが
弾けるメロディー
これはまるで夢のなか
一瞬でも無になって
ゆっくり呼吸だけをして
細くうねる小道が
どこに続くか私は知らない
青く晴れて ふわふわの雲
揺れてる 一番の空
これはまるで夢のなか
真っ白な光に包まれて
傷を隠すように…
いっときの凪いだ海
何も背負わない
記憶のない世界
私には必要だった
そろそろ 別れを告げるよ
ほら また聞こえるようになる
胸のなかの音
忘れられない扉が開いて
つむっていた瞳を
開けたら
今 開けたら
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弾む色とりどりの
小さな花びら
とても柔らかな
羽が生えたよ
綺麗だなあ
ほら全部がきらきら
輝いてるんだよ
桃色の心で
なんて可愛い
なんて優しい
世界を飛べるよ
桃の色
あたたかい
ぬくもりの
桃の色
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ずっと前から知ってるよ
おとなしい瞳の中の炎も
不安を振り払う腕も
綱渡りの心だって…
折れないように立ち続ける
そのあなたの姿が
いつか優しい思い出に
変わる日まで
夢をみせていてね
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綺麗な瞳をしていると
最初に思った
穏やかに紡がれる言葉が
心地よくて
傷ついて 笑って
見上げた先に
待っているものはなんだろう
見届けたい
全部感じていたい
純粋で 大人で
優しいウソで隠した
泥にまみれた背中
振り向いて
笑ったら
私も笑うから
最後までそばにいるよ
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ガラスの迷路の端っこの
行き止まりまで
追い詰められてしまう前に
小さな隙間を見つけて
潜り込んででも
生きてて欲しいな
きっとみんな
真っ直ぐなんでしょう
ぐにゃぐにゃになりながら
それでも迷路の真ん中で
笑えるのも それもいいと
思って欲しいな
全速力でも
のろのろ歩きでも
スキップだって
ズル休みしたって
本当はね
どれだっていいんだよ
意味がなくてもやめないで
情けなくてもずっと
ここにいるってこと
それだけで
誇ればいいじゃない
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滴る冷たい水に映る
虹色に輝く光と
透明なガラスの破片の
真ん中に立っている
細やかな歌声の響く
遠い神殿の中に
閉じ込められた想いを
決して迎えにいかない
恋が身体を焼き尽くすというなら
灰になって世界を飛びたいわ
あなたが遠すぎるなら
美しく燃え上がりたい
素敵な夜更けの
柔らかな瞳だけを
忘れないでいて
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古くて色褪せた
夏のくすんだ海を
終わるときまで
眺めていたい
傷だらけ
いつだって僕ら
キラキラな上のほうへ
深い闇から追われながら
手を繋いで泳いでいた
瞳の中
陰を見出だして
夢心地の
旅に泣いて
甘くてせつない
秘密の約束を抱きしめて
傷だらけ
いつだって僕ら
優しい涙で溺れながら
闇も光もない海を
手を繋いで泳いでいた
詩人:ユズル | [投票][編集] |
真っ暗な景色に
光る星をぶらさげてみたよ
そうしたら
笑顔を見つけた
もっともっと星をちりばめて
見上げる瞳が嬉しくて
夜はほら 優しいのよ
灰色の雲にこしかけて
星屑の筆で描いてる
街はゆらいでて
切ない桃源郷
空からは遠いけれど…
わたしはふーっと
そっと息を吹き掛けるわ
流れてゆく光
祈りを受け止めて
夜はほら 暖かいのよ