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ユズルの部屋  〜 投稿順表示 〜


[58] 悲しみの淵から
詩人:ユズル [投票][編集]


みんなキラキラと
変わっていってしまう
君は言うんだ
眩しい太陽が痛い

閉じ込められていた檻は
いつの間にかがらんどう
取り残されて 鍵穴に触れて
悪い夢に堕ちていく

いつだってゆっくりでしか
歩けなかったんだもの
優しい水ばかり探していたから
今更怖いじゃない

君とふたりうずくまって
悪夢を共有したって
光に呑まれてくだけよ

不器用な右手ふたつ
空を切って 嫌になって
それでもここまで来た
言葉じゃなくたってわかる

切なくて苦しくて
曖昧なぬくもりで
空には届かなくても
それでもいつか
あの丘を越えるくらいに

2008/06/24 (Tue)

[59] マーメイド
詩人:ユズル [投票][編集]


透き通る青を越えたら
出会える気がしてた

びんに詰めて流したはずの
思い出を抱いてあらわれた

眩しいくらい輝く
長い髪にみとれて
まつげの先
太陽が照らす雫
優しいマーメイド

薄暗いちいさな部屋で
永遠の海を泳ぐよ

あなたはいつも笑顔で
触れたくてもとどかない

夢見るみたいに愛しく
僕の心掬い上げる
飛沫のなか白い肌
きらきらをわけてくれた
優しいマーメイド

2008/06/25 (Wed)

[60] 天使になって
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優しさも 怯えも
綺麗な指先で
まんまるな心のガラスを
そっとなでて
埃を払ってくれた

安らぎの世界で
胸を鳴らすひびき
掠れた歌声が ずっと
暴れ出す夢みたいな…

はちゃめちゃな時間
満ちる笑顔の先に
永遠だなんてさすがに
信じてはいなかったけど

砂漠で失った
ひとすじ気持ちが流れた
さようならを呟いた
心から「元気でね」
微笑んで飛び立った

2008/06/28 (Sat)

[61] ドリームトレイン
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透明な列車が夜を走る
ぼんやり光る月をあてにして
いつだって遠いね
すぐに潰れちゃいそうだね

やわな心を乗せたまま
闇を切り裂くというよりは
暗い暗い中にまじって
消えそうなこの列車

君のもとへ行けばいいのにな
ううん やっぱり君は
気付かないほうがいいな

星なら溢れてるけど
都会の光が恋しいなんて
壊れた扉とがたがたの窓
どこまでも降りられない

君のもとへ行けばいいのにな
ううん やっぱり君は
気付かないほうがいいな

愛しい君とは関係のない世界を
永遠を信じそうになるくらい
深い長いやさしい闇を
列車は走るよ

2008/06/29 (Sun)

[63] ルラ
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星たちの川って
さらさら流れるのかな
キラキラ輝きすぎて
大変じゃないかなあ

遠い昔からつづく
恋物語なんて
日々には関係なく
けれどなんでだろう
会いたいね

ルラルラルララ
綺麗になって
飛び立つよ 今夜

ルラルラルララ
涙を抱いて
飛び立つよ 今夜

まっさらな闇を越えて

2008/07/07 (Mon)

[64] ナイトドリーム
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夏の日差しは強すぎて
いつも日蔭を探してる
逃げ込んだその場所にも
太陽が追ってくる

いっそ失くしてしまおうか
涙さえ許されないなら
誰かたすけてくれないかな
光なんていらないから

夢に流されて
朱い火を消して

暗い暗い底のない
闇へと落ちていけたなら
それが叶わないことを
幸せというんだとしても

夢に流されて
朱い火を消して…

2008/07/13 (Sun)

[65] ライフ
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苦しくってしゃがんでたら
水たまりに映った空が綺麗だった
立ち上がって歩いたら
また雨が降ってきた

ゆらぐ景色と
曖昧な地面のうえで
不安定すぎて
消えてしまいそうで

それでもたまに笑えて
いつまでも続く時間が
憎らしくも愛おしくもあるよね

愚かな僕たちだもの

平和がそそいで
窓をあたためても
幸せを探すんでしょ
いつだって

2008/07/15 (Tue)

[66] かえらない
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重い足を引きずって
泥にまみれたぐちゃぐちゃを
崩れないように支えて
星の消えない場所に来たら

遠い汽笛を聞いた
畦道を駆けていった
動物の雲を眺めた
軋んだ夢を見た

青々とした樹々を掻き分けて
水溜まりを荒らしながら
ひび割れながらも飛んで
星の消えない場所に来たら

甘い飴の味を知った
還りゆく光に包まれた
蜜を求める虫と出会った
涙目でも夢を見た

ああ、
カチャリとなる
皿とナイフがぶつかる響きが
胸に染み込む度に

温かな湯気のなか
じわりとまとわりつく水滴に
くすぐったくなる度に

ああ、

夢を見た
壊れかけの夢を見た

2008/07/16 (Wed)

[67] ユートピア
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光の川を下る
ラジカセ持って
傘はいらない
帰らなくていいよ
悲しげな空まで

嘘をついた
優しさで
森をかきわけてふわふわと
そして気付く
渇いた奇跡
それは君の見てた夢

2008/07/20 (Sun)

[68] ひこうき
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飛行機が上に飛ぶ
悲しい雲をつきやぶって
金色の機体が行く

いくつもの星が降り
雨の矢がつきささり
きらきら きらきら
飛行機が空を飛ぶ

三色の宝石が輝いて
小さな羽の星も
見えるかな 君にも
遠く 遠くまで

悲しみが消えないから
綺麗に見えた
空のうえには何もないと
願いながら

2008/07/25 (Fri)
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