詩人:ユズル | [投票][編集] |
満ち足りない 満ち足りない
どうしてなのかわからないまま
もしかしたら
何も信じられていないのかも
満ち足りないと 感じた気がして
満ち足りない幻覚を 毎日見てる
人生なんて 事実なんかない
全部 幻覚 のようなものだって
わかりかけてきた 今なら
満ち足りない このどうしようもない
焦燥感も きっと
幸せに 変えていけるんじゃないかな
なんて 思いながら
後ろ向きが好きなぼくの
慣れない前向きで
眠りについてみようかな
さびしがりが好きなところは
まだ少し変わらないから
さびしがりを見守っててね
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昔懐かしい歌が
テレビから流れて
僕は目をつむって
ぎゅっとこらえた
いつになったら
辿り着けるだろうか?
時代は過ぎていくけど
僕はいまだ こんなものだ
まどろみと 焦燥の
真ん中でゆらゆらしてる
僕は
君のその瞳が
まったく違う世界を見てる
まったく違う世界を生きてる
そんな気がして
僕の持たないもの
君に惹かれるもの
僕にも教えてよ
君のその暖かい右手にさえ
まだ辿り着けないのだろうか?
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淋しい涙はときに最高のスパイスとなり
時の構造を知らないままに
アリスの心で夢を見た
言葉の真理も知らないままに
詩と名付けて書き連ねた
それは幸せとまでは呼べなくとも
その独特な世界と 距離が
愛しくて 不思議なシンパシーを抱いて
めぐりめぐる季節のなか
僕らはまだ ここにいるね
僕らはいつも ここであえるね
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さようならを告げる
準備をしたのだ
とてもよく晴れた日
マグカップ
倒れて
溢れ出した
暖かいスープ
入れ物を失った
そして
支えられていたのは
カップのほうだったと
気付いたのは
いつだったろう
さようならを告げる
準備をしたのに
宇宙は広がるばかり
それなのに そこには
陳腐なさみしさだけ
何をおいても
何をしてでも
失うくらいなら
ねえ
さみしくって
とても耐えられやしないから
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こんなんじゃ、だめだ
だめ、だめ、だめ。
さまようのだ。
きらきらの宝石箱は
どこへ消えた?
探したってもう、
何もない
あるとすれば
それは新しいもの
美しくやさしかったとしても、
昨日のとは違う
捨てたくない、
消したくない
人生を変えるほどの。
はかないことを
知って、悟って、糧にして
気のせいばかりの毎日を、
結局は眠たい日々を、
逃げていく時間を、
限りある命を、
ああ、すすみたい、逃げたい
何故こんなにも人間が溢れている
そんな目で見ないで
そして、
だめだ、眠たいから、眠って
また別の希望と、
だめだ、
を繰り返そう
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時の流れはいつしか環になった
最後にはきっと 繋がるのだ
そう考えるのは 君も僕も同じ
よく晴れた日 窓を綺麗に拭いて
映し出された時の環
消えそうに細く 光を弾いて
雲が現れて 見えなくなった
あれは 君の だろうか
口の中に放り込んだ
ビスケット さくりさくりと
存在を主張しながら
舌の上 消えていった
ビスケットは 僕の時の環に
何を及ぼしただろうか
ビスケットは小さく
小さくけれど さくりさくりと
時の環の形をいずれ 変えるだろう
僕の場合は そう だけれど
一縷の望みも許さぬような
ぴんと張り詰めた糸のように
消えそうに細く 光を弾いて
あれは もう 変わらないと決めた
君の 君の時の環 だろうか
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哀しみの浜辺で
月のその向こうを見つめる
まだらの記憶の波紋が
ゆっくり現れては 消え去る
音と景色と匂いと味と
あの風の感じ
幸せの空に抱かれた
丸くて甘い夢のしゃぼんだま
帰りたい?
還りたい?
きらきら胸で輝く
なによりも切ない願いは
零せるはずもなく
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いつまでたっても
いついつでも
わたしのつま先は冷たく
寒さに朱く染まって
ゆらゆらとゆらいでいるのは
どうしてなのかな
どんなに与えられても
どんなに成長しても
わたしの端のほうは所在なく
どこか何かを探して
さまよいたゆたっているのは
どうしてなのかな
優しいこの世界で
暖かい心を持ち寄って
空には鳥を描いて
花の香りのなか深呼吸しているのに
冷たいつま先
さまよい求める心の端
それともそれらは
ぬくもりにとって必要なのかな
わたしはいつでもゆらいで
たゆたう この波の中
襲いくる優しさ 寂しさ
この世界が大好きで
いろんなこと 感じられる
ただ少しだけ思うの
もっと安心してみたいな
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音の渦の中に 密かに
忍び込ませた 表現を探して
ここは草原で 雨の商店街で
そして宇宙の果てだ
きらきらと降り注ぐ
音符と言の葉
端っこで 真ん中で ゆめを見るよ
ささやかな時間が流れてゆく
優しいと呼べる 数少ない空間
映し出す それは 優しい
切なくて 優しい
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アメジストな海に 投げ入れた銀の石
ぎらぎらとした瞳には
月の雫が映っていて
冷えたくちびる 結んだ君
甘く獰猛な決意を忍ばせて
ゆらいだ色の先に 手を延ばしている
着いていくよ
どこまでも 着いていくよ