詩人:ユズル | [投票][編集] |
すでに輝きをなくした
ひとにはきくけれど
本当にはかない
脆いもの ばかりだ
興奮も喜びも 幸せの感度も
ぐちゃぐちゃにするのは
いつも自分に他ならないけれど
苦しいと胸が叫べば
情が欲しいとささやいた
ただいまと言われたら
おかえりと言う強迫観念
この意味 わかるかな
明日はもう来ない
誰も本気にしない
甘えながら
夕焼けは
どこへ消えたんだろう
詩人:ユズル | [投票][編集] |
わたしなんかいらないのです。
人は鏡だと
ある人はいうけれど
わたしは誰か
そのものになりたい
わたしという器はいらないのです。
拒まれることを
異常に恐れ
羊にすらなれない
人の形ひとつ
風にも雨にも
あなたにもなれない
あなたになりたいのに
さみしい心は
さみしいばかりで
さみしさは増すばかりで
おばけのわたしは
あなたを奪いたいばかりで
あなたがわたしの存在でありたい
のに
のに、ね
詩人:ユズル | [投票][編集] |
優しさから生まれたんだ 僕は
君の心の中で
夢が見せる夢のまた夢が
地獄になった夜に
限りなく 澄んだ 空
粉まみれの可愛い子猫を
笑うような 午後に
帰らないよとつぶやいてみた
壊れかけた 人さ
このままじゃ 枯れていくよ
つないだら
離さないんだ
君に答えを
醒めない夢を
醒まして
君に喜びを
詩人:ユズル | [投票][編集] |
君の浅はかさが 愛しい
そう言う 君は
君の世界は 理解できない
君が賢くなかったら
もう少し 優しくなれた
溶けかけた アイスクリーム
古ぼけた家の小さな扉
落ちてきた紙吹雪 一枚
君は気付かない
君は気付かない
光の角度という矛盾
アインシュタインの失敗
人間と人間の真理
僕は気付かない
僕は気付かない
君の浅はかさが愛しいと
君は言う
僕は君を
僕は君を
とまったページ
物語と哲学の出会い
切ないのは
どっち
詩人:ユズル | [投票][編集] |
それは価値がないね
とは よくも まあ 言ったものですね
あなた
言葉が重みを持たないのは どうしてだろう
言葉が胸を打たないのは どうしてだろう
言葉がことのはにならないのは どうして
詩人:ユズル | [投票][編集] |
見えない真ん中のほうで
また光が消えていったようだ
その奥にいる光が
新たに顔を出した
そのような光が
遠くなるにつれて
美しくなり
そしてこの光も
美しく見えているのだろう
たくさんの光が消えていった
たくさんの光が消えていって
はじめて
輪になった
燃ゆる命がつらなる
静かな夜の森
詩人:ユズル | [投票][編集] |
綿菓子を敷き詰めた空
凛と しんと カラコロの音が
メロディにならないまま
紡いでいく 夜更け
広い世界に ひとりきり
広い世界を ひとりじめ
どちらだろうか
わたしだけが在る
胸の高鳴りと
ぼんやりとした夢のようなもの
わたしだけがここに在る
詩人:ユズル | [投票][編集] |
冬の交差点 凍る街路樹
ことし はじめて
雪が降ったよ
星の光と わたしたち
なんの違いが あるというのだろう。
ふわふわの毛糸をきゅっと、
編み込む指先の想い。
いつだって夢を追う心。
目の前の言葉にとらわれず、
光の角度について考える。
まだ程遠い そんな足どりを
ぐにゃりと曲がる
すれた傷さえ…
ことし はじめて 雪が降ったよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
空の青に手を伸ばして
掴もうとした 午後の想い
空は手に入らなかった
白い煙はときに汚く
柔らかな景色と弾き合うけれど
そうでないもやもやは
胸を刺激するスパイス
うぐいす色に 染まる 染めあげる
それが夢だと笑う
木がざわめく音
葉の形を透かす光
繊細すぎる風
川辺のつやつやした石
うぐいす色に 染まる 染めあげる
物語の最後のページ