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ユズルの部屋  〜 新着順表示 〜


[327] 想像
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そのひとときは その場所だけは
わたし以外 人のいのちはなくて
晴れた日の草原 夕焼けの湖
朽ち果てた煉瓦造りの家
ただ 流れる雲を 瞳に映し
透明な水のゆらいだ音を 聴き
寝そべって 冷たさとぬるさを感じて
いちばんフラットに 何も忘れて

あなたの瞳も 耳障りな人の声も
繊細なわたしには 恐れでしかないの
街が 未来が こわいから
その日のことだけ 考えるだけ

そのひとときは その場所だけは
わたし以外 人のいのちはなくて
そうしたら わたしはきっと 安らいで
微笑んで そして どうするんだろう

2015/09/21 (Mon)

[326] 
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雨あめ降る夜
あなたも わたしも あの人も ひとり
雫のメロディーが
穏やかにたゆたう

ひんやりした風が
身体の真ん中を吹き巡るような
想いを抱えてうずくまる人
目をそらしたくなる雨の記憶に
静かに想いを馳せる儚い人

あなたも わたしも あの人も
誰にだって水が必要なの
それでも
雲の向こうに顔を出せば
いつだって星は瞬くよ

2015/09/18 (Fri)

[325] 弱い大人
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僕は今日も 長い道の真ん中で
優しい言葉ひとつひとつ鞄から出して
たぐりよせ 甘い蜜へと飛んでいく

弱気な僕は いつだって弱気で
君に恋したところで不毛なんだけれどな
優しいものが なにより好き なによりも

前に進むための道具 ロープだって
食糧だって ナイフなんてなおさら 持っていないさ
僕の鞄には思い出だけ 優しい日の記憶だけ
それだけをただ詰め込んできたから

だから そんなにも 弱いままなのね
だから 綺麗だけれど 深みがないのね
だから いまさらに 迷ってばかりなのね
だから おとななのに 幼いのね

冷たい水飛沫 かけてくる君は嫌いだ
怖い 声音で 僕を振り返らせる
弱い 優しい 僕になんの価値もないこと
そんなの気付きたくなかった







2015/09/17 (Thu)

[324] 心の真ん中
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こんばんは
自分から溢れ出た泉の真ん中で
溺れかけている 君
そんなになって 責め続けて
あんまり心によくないよ
僕にもあるけれど

どうでもよく思えても
誰かから投げつけられた 言葉が
ひんやりした瞳が 忘れられないの
みんなが 宙に 翼を広げて
自分だけ ひとりぼっち
地面を這っているように
自分をだめだと 思っているのね

黒の中に星があらわれて
シンデレラの魔法も溶けたあと
夜にしか会えないけれど
僕は 君を よく知っているよ
音になって 風になって 君を
見つめて 包んで 理解してあげる
だからそんなに もう泣かないで
もうじゅうぶん 痛かったでしょう
ずっとずっと 頑張っていたでしょう

瞳を閉じて 夢におちたら
さようなら 次は真っ白な朝だよ
またそんな夜に 会えるから
大丈夫だよ 君は 大丈夫だよ


2015/06/19 (Fri)

[323] ひらがな
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ひらがなの中で どれが好き?
唐突に 投げかけられた クエスチョンに
なんて 返すのが いちばんだろうと
とろくさい頭でも 懸命にひねらす
見透かしたように ちがうよ
あなたの 感じたままが 聞きたいの
と 言う
さて ぼくが 感じたままって
どこだろう そんなこと言われても 困る
見当たらなくなってしまっている
感じたまま
「ゆ」 でも 「さ」 でもなんでも
嫌ったりしないよ と 笑う
でも 確証が得られないと これが
正解だよって だれか
だれが決めるの? あなたじゃないの?
わかってる
わかってるよ 本当は
めぐりめぐる 永遠の課題
好きな ひらがな 探すから
感じたままを 見つけるから
ちょっとだけ 待っていて


2015/06/19 (Fri)

[322] 瞼を閉じるように
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止めたりしない
歪めもしない
消えていくもの 静かに ただ そっと
消えていけるのなら 安心

手探り 真っ暗闇 手に入れた蝋燭
信じた世界で 交わした約束
はしごを登って 残ったのは
冷たい この両手だけ
そういうものだよ と 誰かが嗤う
笑顔を振りまくことに
なんの意味があったろう
きっと安い 優しさ だったね

傷つきたく ない
とても 怖い

止めたりしない
歪めもしない
消えていくもの 静かに ただ そっと
消えていけるのなら 安心

2015/06/19 (Fri)

[321] ミルクラブ
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コーヒーに浮かんだミルクの渦が
ぐしゃりと歪んで 沈む
ゆるく 時間を閉ざす 苦笑い

時計の針のうえを ひたすら
走ってきた 一生懸命も 消えて

ちくりちくり
鳴いている
何処でしょうか
ちくりちくり
泣いている

2015/05/26 (Tue)

[320] 想い
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青く 淡いだけの 扉だったのさ
しょせん そこには 何もなかった

壊れそうな 星がひとつだけ 真上
はだし 傷跡 ずっとせつない

真っ黒な 化け物と見つめ合った瞬間から
とまらない 渦のような 鼓動
熱くて 焼けついた 雫がこぼれ出す
銀河の真ん中 もっと 近く 触れたい

熱くて 焼けついた 雫がこぼれ出す
銀河の真ん中 もっと 近く 触れたい

2015/04/30 (Thu)

[319] 曇った瞳でも
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べつに嫌いじゃない でも好きでもない
そんなものがそこらじゅうに
コロコロ 溢れている 君の瞳が
何を捉えて どんな幕をかけているのか
わからない わからないなりに
その心を 密かに 応援している

ほんのすこしでいいから 共有したい
胸が痛むのが ひどくめんどうくさいのは
僕も同じ 傷だって 受けたくない いやだ
だけど はじまらないことに気付いてしまった
なんにも はじまらない はじまらない日々
真ん中 密かに 君の心を 支えたい

2015/04/21 (Tue)

[318] Qand…
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一生というこの時間は
ながすぎるのか
足りないのか
どちらだと思いますか?

優しい世界では
いけないのか
深くを覗いたら
絶望しかないのか

この切なさは
どうしたって救えないのか
あなたはどう
思いますか?

2015/04/19 (Sun)
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