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ユズルの部屋  〜 新着順表示 〜


[317] ガラス玉
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ころころと まるい球の中を
転がる 淡い色 夢の味
輝けば 切なくて こわい
鳴り止まない 小さな音
こだまする 感情
溶け出した 甘いシロップ
ふわふわと 舞う 桃色
閉じ込めたい きらめく一瞬
ころころと まるい球の中を
転がる 淡い色 きゅっとなる
恋の味

2015/03/30 (Mon)

[316] 僕の夜と君と夢
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今日も空は色を変えて 星と暗闇がやってくる
今日も僕は無口なまま 心をくるくるさせている
奥のほうはきっと 人にはわからない

小さなたくさんの箱に囲まれて
どれもキラキラして たいせつに思えて
どれかひとつを 開けたら
その瞬間 いくつかは 風の彼方に消えるから
どれも開けられないまま

耳を澄ましたなら 君の心が聞こえるなら
いっそそうできたなら 僕の選択は変わるかな
けれどやはり怖いから
僕は耳を澄ませないだろうな

ただひたすらに 優しくなりたい
寂しいから 触れていたい なくしたくない
ひとつひとつの箱 すべてを 愛して
すべてを 叶えてあげたい
愚かな僕の 星と暗闇が 今日も 更けていく

2015/03/27 (Fri)

[315] ずしり
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この植物は 強くない
ガラスの囲いに 守られてきたから
嵐の夜も 分厚い葉でからだを覆い
ぎゅっと目を 瞑っていたから

ずしり、
と重たい あんまりにも 重たいです
弱いこころとからだでは
真っ直ぐには 生きられない
嘘だって たくさん重ねた
大切な誰かじゃなくて 自らを守るため
ずしり、ずしり
侵されていく 潰れていく
土の中へ 隠れないと
ぐしゃり、
ほらね 簡単に 壊れてしまうから



2015/02/25 (Wed)

[314] 解決はもうすこしあと
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冷めてしまった紅茶を じっと見て
頬杖をついたままの君は 切実
めまぐるしく歯車が回る中で
困ったように 咳払いをする

「安定を手に入れてしまったから
もうこれで おしまいで いいの」
まだ火種を 奥のほうに
燻らせているくせに

冷めきった 紅茶は おいしくないのに
最後まで飲まなきゃいけない 気がして
窓の外に目をやる 君は 切実
憂鬱が 色がついてるみたいに 漂うよ

こっちまで 引きずり込まれそうなブルー
本当は きらきらした方向に
引きずりこんであげたいのは やまやま
だけどお生憎様 こっちなんてもうずっと 切実

2015/02/08 (Sun)

[313] 箒星
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誰もが その輝きに 儚さに 憧れます
ひとり 夜空を駆けゆく ほうき星
でも ひとしれず 墜ちてしまいました
淋しくて 淋しいまま 冷たい地面のうえ
でも あなたは 覚えていてくれるという
一瞬だけ その輝きを 儚さを
永遠に 忘れられない 忘れないと
言ってくれるなら それだけで

2015/02/07 (Sat)

[312] 無力な恋
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からっぽな けれどいくつもの道をこえて
ほんの少しでも やさしく 聡くなった
小さな わたしの こころから
絞り出した せいいっぱいの言葉は
俯いた だいすきな あなたに 届かない
陰った こころを 支えられない
ただ ただ かなしくて 瞼を閉じて
ただ ただ あなたを 想います

2015/02/06 (Fri)

[311] 心の日々
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カランコロン
セーターは暖かく
心の音をあっためる
ぐるぐるぐる
排水口の渦じゃなくって
真っ白なチョウみたいに
可愛らしければいい
カランコロン
やわらかく風になびくストール
心の音をゆらゆらする
ぐるぐるぐる
コーヒーの真ん中で
ミルクに浮かんだような
日々が続きます

2015/01/05 (Mon)

[310] やわらかく
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現状がなんにも変わっていなくたって
世界を 自分を 見る角度が違えば
もう枯れ果てたと思った視界に
カラフルであたたかな色があふれる
言葉ではわかっていたって
偶然の偶然で やっとそれに気付いた

とらわれていたわけでも
下ばかり向いていたわけでもなくて
ただ少しだけ そういう時期だっただけ

想われなかった 自分に ものに
価値を見失う理由なんてなにもない

この胸はこんなに暖かかったのに
報われない なんて ただの結果
この想いは こんなに素敵なものだった

明日からは 少しだけ 胸を張ろう
いつものように 迷い 楽しみを見つけて



2015/01/04 (Sun)

[309] 大切なきもち
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待って 逃げないで
言葉たちよ
今 この感覚を 繋ぎ止めたいの
ほら だって このときだけ
きらきらしているの
憶えておきたいよ
完全に消えてしまう前に
待って ほら つかまえて
詩にしたいよ
大切な 大切なものに 近づいた気がしてる
この瞬間

2015/01/04 (Sun)

[308] スノードームの内側
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薄い桃色が この街を包む頃
ほわほわと 金平糖が降ってきて
右側に 触れそうな体温がある

あまりに 美しくて 胸の真ん中が
きゅうと鳴く 涙が出そうになった

この瞬間を 閉じ込めたくて
ここは スノードームの内側で
偽りなく それは永遠であればいい

もう 濃い藍が この街を包む頃
ひとり 涙に濡れた頬に 触れたのは
人知れず降りゆく 白い雪だった

2015/01/01 (Thu)
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