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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[8382] 猫と星と煙草
詩人:どるとる [投票][編集]


ポケットの中の煙草を 探る右手が
残念そうに 引き抜かれたのは
夕方を少し 過ぎた辺りの夜の手前

月を撫でる 猫の長いまだら模様の尻尾が
流れる音楽にあわせて左右に揺れる

悲しみは 言葉にすれば 涙を
いくら流しても 語りれないから
僕は 悲しみを通り雨と笑うよ

角砂糖積み上げて崩しても
何も生まれやしないの
それでもいいの 気が紛れるなら

今は少しだけ 優しい 人のふりをしてて

月の明るい夜に涙なんか見せたくないから。

2016/10/25 (Tue)

[8381] むすんでひらいて
詩人:どるとる [投票][編集]


朝日が 眩しくて目を細めて
見上げた空に 雨上がりの虹を見つけたよ

下ろし立ての スニーカーで駆け抜ける
白い息を切らして あの坂のてっぺんまで

競争だって 君をけしかけて
むすんでひらいて 手を打ったあの日

笑って 泣いて それで日は暮れて
気づけばもう こんな時間で

万華鏡 覗きこんで見えた 未来は
嘘じゃないんだってまだ駄々こねて

公園のブランコで 靴を飛ばしてる
変わらない ものなんかないんだって

あざ笑った 僕をたたき起こして
傷つく勇気くらいはまだあるんだから

その拳で 諦めそうな僕を殴れ
瞬いて消えた 星の名前は知らない

ジャングルジムによじ登って見上げた
星空 今でも忘れない 思い出のひとつだ

こうして 大人になった今もまだ
引き出しを開けては回想してるんだ

やがて大切なものは何も見えなくなって
それが大人になった証なら いらないな
「みんなが言う大人」には 悪いけどなりたかないんだ

笑って 泣いて それで日は暮れて
気づけばもう こんな時間で

万華鏡 覗きこんで見えた 未来は
嘘じゃないんだってまだ駄々こねて

幻でもいいからまた会えないかなって
手当たり次第目を凝らして探した

光は 尾を引いて落ちた 僕の瞳の中に吸い込まれてく

ふれられないけれど確かにここにある
目を閉じて広がる 夜空に探すよあの星を。

2016/10/25 (Tue)

[8380] 三番線
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僕らは言葉もなく なすすべもない寒さにふるえた
今持てるだけの温もりあるだけ持ち寄って

慣用句みたいな 「愛してる」なんかよりも
もっと心を近づける方法はないかな

まだ来ないかなって もう少しかなって
三番線のホームで君を待っているんだ

最終よりいくつか手前の電車から降りてくる君に遠くから手を振って

どれだけ寂しかったのか 説明するより先に
君を見つけた僕は 安心して
大人げなく泣いてしまったんだよ

寒いから首に巻いてねと手編みのマフラー
僕の好きな色を知っている 君は赤い毛糸を選んでくれた

刺繍が 入っている世界にただひとつのマフラー
君の手には絆創膏が何枚も貼られてた

見上げた夜空に 流れ星がひとつ
祈るのは勿論 君の幸せ

歩幅をいちいち合わせるほど できた人間ではないけど
何度も振り返って君を気にする

ちゃんとついてきてるか心配だから
仕方ないから手をつないでもいいよ
本当は僕がただ手をつなぎたかっただけ

積み重ねた 時間の中にある
思い出が 両手の指でも数えきれないほど増えたよ
そしてまた ひとつ何気ない言葉や仕種が
思い出になってく
僕は今さら 当たり前なことに気づいたんだ
僕は本当に君が好きなんだってことに
気づいたらなんだか恥ずかしくなった

最終よりいくつか手前の電車から降りてくる君に遠くから手を振って

どれだけ寂しかったのか 説明するより先に
君を見つけた僕は 安心して
大人げなく泣いてしまったんだよ

いつでも君が 僕に笑いかけてくれることが
幸せで それを確かめるたびに 泣いてしまうんだよ。

2016/10/25 (Tue)

[8379] 風の上の足跡
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煙草を 二、三本吸ったあたりで夜が明けた
窓の外にある ありきたりの景色に
投げ掛けた 問いかけは転がる石になって
やがて 穴の中に落ちてしまうだろう

声に出さないと 気づきもしない愛とか
冗談じゃないわと 駆け出した

その背中に 映してた空は くすんで
寂しささえも 笑い飛ばしていた

目の前にあるものがこの世界の すべてなら

過ぎた時間や 写真の中の人々は
生きた 足跡さえ風に消えて

明日の 旅にはついてはこれず

地図を広げても 行き先は ぼんやりとした霧の中
踏み出した道だけが 地図に記されることを知ったのは
つい最近のことだったりするんだ

ため息さえ 吐き出せば 空気を揺らして
小さな風を 起こすよ

旅立とうと 綿毛が野に放たれた日
見送る人は誰もいない 影も形もない

泣いて笑った 今日の思い出は

明日になれば 記憶から遠ざかって
忙しさのあまり忘れてしまうよ

風の上に吹きさらしの足跡だから

行き先も知らない電車に飛び乗って
僕は 何処でもない何処かを目指した

宛もない 旅の行く末を占う花びらは
最後の一枚になるまで千切っても答えは 出ないよ
そんな思案は 往生際が悪いよ

その背中に 映してた空は くすんで
寂しささえも 笑い飛ばしていた

目の前にあるものがこの世界の すべてなら

過ぎた時間や 写真の中の人々は
生きた 足跡さえ風に消えて

明日の 旅にはついてはこれず。

2016/10/25 (Tue)

[8378] 夜明け前
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夜明けにはまだ遠い 薄暗い街
ため息さえ 凍りついて白く煙るよ

コートの襟を立ててもまだ寒いから
君の 笑顔を浮かべてはほくそ笑む

今か今かと待っている「その時」を
何度でも 繰り返していくのだろう

寂しさと 嬉しさが入り交じったような
どっちつかずの気持ちを道連れに

互いの顔も わからない くらいの闇の中で
お互いの 吐き出す息だけが 目印

そこにいるんだね 笑ってるのかな
泣いているのかな 言葉にして伝えてよ

坂を登りきって 振り返ればもう
朝日が 辺りの 闇を蹴散らすから

積み重ねる時間の 重みとか 意味とか
考えながら どうでもよくなった眠った

果てなく 遠い未来をイメージしては
見えない未来に 怯えて泣いていた

避けられない未来を 運命と呼ぶなら
あなたとの出会いもまた運命だろうか

寒そうにうずくまる猫は 寝返りをうってそのついでに暢気にあくびをひとつ

遠くに見える灯台の光を 目指して走った
取り立てて何の意味もないけれど

なにかが そうさせるんだよ
心をぐっと動かしていくんだよ

ペダルに力を込めてもうひと頑張り
君の嬉しそうな笑った顔を見つけたよ

愛とは少し違う感情だ
だから 僕らは離ればなれ
でも つながっていたよ
見えない 何かで
不確かな今を 確かに明日につなげて

寂しさと 嬉しさが入り交じったような
どっちつかずの気持ちを道連れに

互いの顔も わからない くらいの闇の中で
お互いの 吐き出す息だけが 目印

そこにいるんだね 笑ってるのかな
泣いているのかな 言葉にして伝えてよ

坂を登りきって 振り返ればもう
朝日が 辺りの 闇を蹴散らすから。

2016/10/25 (Tue)

[8377] レイン
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夕暮れ、赤く染まった 街の空
遠くに見える 工場の煙突の煙
ゆらゆらと 東に流れていく

この悲しみの捨て場を探している
僕は一人で 寂しさに声も出せず
子猫のようにふるえているよ

見えない音が闇の中に降って
いくつもの 雨粒が屋根にはじけて
まっ逆さまに落ちていく

痛みは残るよ 傷痕を残して
小説にはさんだ栞のところまで
読んだ物語の続きをまた読んでいく。

2016/10/22 (Sat)

[8376] あした
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もう一回! 何度でも振り出しに戻って
努努諦めることの ないように
幾度もの失敗もものともせず
姿勢をただして 豪快に笑うのだ

何かと 暗い話題が尽きない世の中ですが
こんなご時世だからこそ 笑顔が必要なんじゃないかと思う

希望なんて まるで見えない日々だ
それでも僕らが 目指すべきは いつだってあしたなんだって思うのさ

夜が明けて にわとりが鳴いて
コケッココー
朝ですよ 早く目覚めて
ぼんやりとした 頭を 顔でも洗って
シャッキッとさせたなら
はい準備万端 出社登校 出発進行
学業 仕事に 励むのだ

ギター片手に歌を口ずさむ
ありふれたメロディで 紡ぎ出す 言葉は
世界を 何も変えられないけど
一番大切な人を笑顔にすることくらいはできそうさ

幕が 開いて 今日が始まる
僕だけのショウタイム さあ皆さん
足並み揃えずに
自由自在に 思ったまま 生きてみよう
それぞれの 異なるステップで踊ろう

あなたが 持つその色は この世界にひとつ
誰も持ってない唯一無二の 色です
だから誇りなさいあなたのすべてに
あなたが生きる毎日がもう既に
奇跡みたいなものなんだから
神の啓示も 運勢占い 予言も 関係ない
努力と頑張りだけが 実を結ぶのだ

時々深く傷ついて
立ち直れないくらい傷つくこともある
そんなときは魔法の呪文を唱えてみよう
大丈夫だよ きっと
まだ僕にはあしたがある
やり直せるさ何度でも
だから!
夜が明けて にわとりが鳴いて
コケッココー
朝ですよ 早く目覚めて
ぼんやりとした 頭を 顔でも洗って
シャッキッとさせたなら
はい準備万端 出社登校 出発進行
学業 仕事に 励むのだ

そして余裕綽々であしたを迎え撃て。

2016/10/22 (Sat)

[8375] 言の葉
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言葉に救われることもある
言葉に死を覚悟したこともある

言葉の持つ 何かに恐れながら
惹かれていく 心が見つけたのは
小さなひとつの光

僕が 手にしたこの言葉は
人の心を動かすほどの力もないけれど
あなたの心を まっすぐに 目指していく
届けばいいな
伝わればいいな
この 言の葉

言葉を よごす人もいる
言葉を 丁寧に 使う人もいる

洗濯物をたたむように 真綿にふれる 指先のように
やわらかく 包み込んでね

僕が 知っているだけの言葉たちは
きっと数にしたら多くはないけれど
ただ一途にあなたを 思う気持ち
笑ってくれるかな
笑ってくれるといいな
あの笑顔で

雨は やがて降りやんで
傘をたたんで 君が見上げる 空には
虹がひとつ アーチを描いてる
希望のないはずの世界に 幸せは確かに存在している

僕が 手にしたこの言葉は
人の心を動かすほどの力もないけれど
あなたの心を まっすぐに 目指していく
届けばいいな
伝わればいいな
この 言の葉

明日のあなたへ。

2016/10/22 (Sat)

[8374] 空想ドーナツ
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ドーナツ模様の雲が浮かぶ青い空
下手くそな冗談で やり過ごしてく

甘い香りのする ほうへ誘われてふらふら

いくつもの 歌が君を待っている
あの不思議な曲がり角の向こうで

いくつもの 夢が君を待っている
固唾を飲んでその時を待ちわびて

たったひとつの空想を 手のひらに
乗せて 小さな穴から覗き見る世界。

2016/10/22 (Sat)

[8373] 白いハト
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白い肌をさらけ出したから
凍えた手がかじかんで動かない

帰ったら 手洗いうがい するんだよと
お母さんが 笑って言いました

いつもそばにいるはずなのに
いつもは気づかない
優しさも なぜか近く寄り添うと 見える

あなたが 笑うと僕まで笑ってしまう
あなたが 泣けば僕まで 泣いてしまう

そんな 心のつながりを信じていたい
同じ気持ちにはなれなくても

時々重なる 気持ちがあるなら
大丈夫、僕とあなたは ちゃんと
僕とあなたを やれている。

2016/10/22 (Sat)
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