詩人:どるとる | [投票][編集] |
ページをめくるように また 今日が明日になって
明日が 明後日になって
季節も変われば 気持ちも変わっていく
変わらないことなんてひとつもない
でも変わらないことがあれば いいなと思う
何にもやることが 見つからない
日曜日の 昼下がり
ただ空を 見上げるこの時間が
忘れていた気持ちを教えてくれた
生きていると気づいたとたん世界が 眩しくて
ありふれたことも 片っ端から 特別になる
そんなこんなで過ぎてく毎日を
指折り数えて 目覚めてはまた眠る
夜が明けて また日が沈んで
家路を急ぐ 夕暮れ
時間と おいかけっこしながら
追い付かれないように逃げるけど
いつも気づけば 追い越されている
嬉しいときも 泣きたいときもある
そんなときは素直に笑ったり泣くことだ
気持ちに嘘をつく必要がないなら
春が飛んでいる 緩やかな日差し
僕は素敵な言葉を探してる
昨日までは 気づかなかった 喜びに
今日出会えたことを誰が知るだろう
昨日の僕だって知らなかった
まだまだ 笑えるって気づいたとたん 明るくなった
涙なんて笑うためのついででいい
性懲りもなくまた すぐに 立ち直る
自転車飛ばして 何処でもない何処かを
目指して走る 夜明け前
悲しみに追い付かれないようにと
走るけど 気づけば悲しみはすぐ後ろにいる
ふっと吐き出す吐息が 白くなる
この分じゃもうじき雪が降るだろう
寒さを 緩和するように ポケットに忍ばせた手を
握ってくれる 誰かの手を探す
僕が 自分以上に大切に出来る誰かを 見つけたときに
見つかるだろう 温かい手を探しているんだよ。
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夕暮れの野球グラウンド
君は マウンドを走る
点をとられて 悔しそうにしていた
遠くから 声援が聞こえる
負け勝負涙を 拭いて笑った
泥だらけの ユニフォームとスパイク
木のバットと色褪せたグローブ
見上げた 空には もう星が輝いて
日の短さに 僕らは冬を 思う
手をつなぐことさえ恥ずかしいから
指を絡ませて 照れ笑い
東京の暮らしは どうだい?
うまくやれていますか?
メールは苦手だから 電話をください
ふるさとは 今日雪が降りました
写真を一枚送ります
あなたが家族を忘れないように
いつだって帰る場所は ここにあるから
嫌になったら 帰って来てください
あなたの ことが心配な母親のお節介です
何よりあなたが幸せであることを願う
段ボールいっぱいの仕送り
封筒に入った 手紙
涙ながらに読んだ夕暮れに
僕はあなたを 思った
遠く離れた 場所、知らない土地での暮らし
慣れたなんてお世辞にも言えないけど
なんとか 暮らしています
押し入れから引っ張り出した
小さなグローブは僕にはもう小さすぎるね
僕はもう立派な大人だ
一人でなんでもやらなくちゃ
だから見守ってて
あなたの 出来損ないの息子からの 最後のわがまま。
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真っ白な 紙とペンさえあれば
消しゴムなんか要らないよ
書き損じは 残しておくことだ
何処が 間違えたのかを覚えておく為に
記された 思い出の足跡が
ゆっくり 記憶をたどっていく
回想の旅が ここから始まる
時の汽車が 動き出す
星の散らばる 海原を 行く 汽車の窓から 見える 月の クレーター
写真には 残らない思い出は まぶたの裏で
おぼろげに 覚えておこう
言葉は形になっていく
伝えたいことが伝えたい人に
伝わるようにと 思う僕やあなたの
心に 魔法をかけて。
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舗装された道積もる雪の上に上手に足跡を つけていく
互い違いの僕らの 歩幅は 狭くなったり広くなったりする
僕の街には 例年より少し早い雪が 観測されたらしい
首を温めるためのマフラーがいるな
君の下手くそな手編みのマフラーの出番だ
ふざけあって じゃれあっているだけで
毎日は 面白いように過ぎてく
一枚また一枚とカレンダーはめくれて
もうこんな季節かと驚かされる
窓の向こう 白く積もる雪と揺れる明かり
つい言葉を忘れてしまいそうになる
つないだ手の温もりはほどけない約束を
結んで すぐに消える足跡を見て儚んだ
言葉を 選びながらしりとりのように 続けていく
君と僕とで交わす会話のキャッチボール は途切れ途切れ
気の利いた言葉を 言えたらいいのに
余計な言葉でつい君を 傷つけてしまう
背中あわせの夜は長く 君をより近くに感じた
あの日の涙 今も僕の胸の中に 忘れ物のように残ってる
過剰なくらいに 輝いている にぎわう街のざわめき
人混みに酔いながら帰り着く家路
ただそばにいるだけでいい そんな気持ち いつまでも 変わらぬようにと 思った
幸せは きっと気づかないくらい
ささやかだから 大事に思えるんだよ
君の言葉が 固くかじかんだ僕の胸の雪を 静かに溶かしてく
窓の向こう 白く積もる雪と揺れる明かり
つい言葉を忘れてしまいそうになる
つないだ手の温もりはほどけない約束を
結んで すぐに消える足跡を見て儚んだ
その時の痛みを 絶え間ない優しさに変えて。
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ほんの小さな奇跡は気づかないだけでどこかで起きている
そんなことだって あるだろう
あるといいなと 思っただけの 今日
もうじき クリスマスです
やたら 乗り気の 街並みだから
僕まで つられて ツリーなんか 買っちゃった
白い雪でも降ろうものなら
もう シチュエーションは出来上がり
恋をしよう 冬山へ行こう
気取ったベッドに飛び乗ろう
ほんの小さな 奇跡は毎日 どこかで
気づかないだけで 起きている
退屈な日々を 飽きさせないように
ちゃっかり用意されてる サプライズ
箱を開けるまでが お楽しみ
止まらない ドキドキ 永遠に続けばいいのになあ
良いことなんかなくても12月になると
笑えてくるよ
魔法なんてのは 信じてないけれど
サンタクロースも いてくれたらいいなと思うし
大切な人が泣いているより笑って くれたらいいと思うことも本当だから
こうやって ただ過ぎてくばかりの毎日を
変えてくれたものを思い出していたら
それは君の存在だって 気づいた 今日
ほんの小さな 奇跡は毎日 どこかで
気づかないだけで 起きている
退屈な日々を 飽きさせないように
ちゃっかり用意されてる サプライズ
箱を開けるまでが お楽しみ
止まらない ドキドキ 永遠に続けばいいのになあ
だから 雪降る街の空を
誰かを思いながら
見上げる 誰かさんの瞳に 流れる星は
あんなにも きれいに輝いているのかな
ほんの小さな奇跡は気づかないくらい
ささやかなもののほうがいいんだよ
人間は欲張りな生き物だから
少しずつ幸せを 味わうくらいが ちょうどいいんです。
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静かに 注がれる
ワインにも似て
芳醇な血潮が
身体中を 忙しく巡る
古いレコード
針を 落とせば
溢れ出すメロディ
意味と無意味の
間に 立って
深呼吸
見せてあげよう
私の醜い 中身を
この世界は
物語の一頁
見せてあげよう
あなたが望むなら
黒い はらわたを
えぐり出して
新しい扉を開けて
白い指で夜明けを描いて
爪先の リズムで
上手に 地面に
降りたって
夢のあとのまどろみに 沈む。
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僕を 今、悩ますすべてに問いかける
渦にも似て とぐろを巻く 不安の影よ
おまえは 一体 何のために私を さいなめるのだ?
自問自答の エブリデイ
ひび割れた窓の向こう
飛んで行きたいよ羽根があるなら
耳にあてがうイヤホン
行きつ戻りつ
回想の電車は走る
ブルースから
ロックンロールへ
流れていく ローテーション
この世界を支配する退屈よ 死んでくれ
何も言わせないための常識なら無い方がマシさ
雑踏のざわめきを聴きながら
世を儚む
「正しい正しさ」なんて 多分ひとつもないよ
だから僕らは 間違えるのさ
まっすぐ立つために
木枯らしに 背を向けて 走り出す
北風こぞうの真似事
それは緩やかな
しかしながら 厳かな 回転
始まりと終わり 対なすもの その凡て
ああ知らないことこそが罪であるならば
僕らは あまりにおおよそを 知らなさすぎるね
偉そうな人達に教えられたことは
人を羨むことと人を憎むことの どちらかだ
耳にあてがうイヤホン
行きつ戻りつ
回想の電車は走る
ブルースから
ロックンロールへ
流れていく ローテーション
この世界を支配する退屈よ 死んでくれ
何も言わせないための常識なら無い方がマシさ
ねえいっそ 命なんて危ういものを持ったことを 憎んで生きようか。
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代わる代わる
変わる時代の色に
移ろいゆく
季節の果てに
なにがしかの不安となにがしかの期待
虹のたもとへ 心は帰る
また明日笑える
そんな小さな 幸せを思いながら
砂漠をゆく 駱駝の
海原をゆく 鯨の
その 瞳に 命は輝く
燃える朝日の向こう
ただひたすらに道は伸びる。
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パレットの中にまたとない色を想像する
冬の降り積もる真っ白な画用紙に描くのは世界
最後の輝きは ひときわ輝いて 世界を照らす
目の前に 広がる色彩
あふれる 赤 青 緑
何色に染まろうか
引かれた線を越えて
常識を 捨て去って
残った 優しさが 花を咲かすから。
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夜明けが 突き刺さる 目を眩ませる
光は 集団になっておまえを 囲い込む
急ぐのなら 迷う暇さえないだろう
扉を開けて
夜明けが 突き刺さる どんな正しさも今だけは 見えないまま
目の前にある世界だけが すべてだと信じてる
時計は 回想のレールを走る
かけ上る
かけ上る 空へ
夜明けが 突き刺さる 目を眩ませる
光は 集団になっておまえを 囲い込む
急ぐのなら 迷う暇さえないだろう
扉を開けて
太陽の下で 笑うよ。