詩人:どるとる | [投票][編集] |
私は 探してる
途方もない 夢を
言葉を繋いで
気持ちを紐解いて
歴史の上に
降り積もる命は
やがて、終わりを
知るのだろう
映画の中の物語さ
悲しみや喜びや
幸せや不幸せは
ふいに吹く
機械仕掛けの風に消える
嘘でもいいから
優しさをおくれよ
愛のない箱庭に
緑を植えるように
ハッタリでもいいから
最後まで騙してよ
変わり映えのない
毎日に「奇跡」を降らしてよ
本当の嘘に 私はいつも 愛されながら
隣に座ってる「幸せ」に気づかないままで 張りぼての美しさに 惑わされてる。
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ほら 薄暗闇の向こうから のしのしと夜が歩いてくる
光を食べながら 街中の朝の名残を 拾い集めてる
不思議だね 悲しみも喜びもない 心は空っぽさ 穴が空いたように
ラララ 今だけは世界中のすべてを 愛せそうな
ラララ 今だけは世界中のすべてに 笑いかけられそうな
そんな気持ちがするよ
意識の外れを 夜が歩くけれど僕は 素知らぬ顔で 朝が来るのを待っている
薄っぺらな光が 窓の外を過ぎるのを
なんとなく見たけれどそれだって
意味はない ただ僕は七色の夢を見る。
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夜が 歩く音がする
眠りに落ちた街のどこからか
のしのしと歩く
夜は光を食べる
朝のかけらを拾い集めながら
後片付けするように僕らが寝静まったころ夜は歩くのさ
ほら大きな 闇の口を広げて 今日を平らげた
そしていつの間にか
夜は去っていく
夜明けが朝を連れてやってきた
だけど僕の胸の中に
夜の足跡が
そこはかとなく
残ってる。
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大きな影が アスファルトに映って
揺れている 寄り添っている
あなたの温もりが手から伝わってくる
恥ずかしさごまかすように言ったよ
あなたの影は ダイダラボッチみたいだね
君の 強がりなとこも 君の 寂しがりやなとこも全部知っているから
ほら、見せてよ君の弱さも すべて愛して見せるから
お腹減ったね 今日は何にしようか
当たり前くらいに思っているんだよ
大好きな人を大事にすること
あなたが泣いてれば僕まで泣いてしまう
心は通じ合ってる 恥ずかしいくらい
そして二人は今日も夕暮れの道
ダイダラボッチみたいな影を寄り添わせて歩く
君の 負けん気なとこも 意地っ張りなとこも 全部好きだから
ほら何気ない一言で心すれ違うけど
同じように何気ない一言で笑いあう今日
君の 強がりなとこも 君の 寂しがりやなとこも全部知っているから
ほら、見せてよ君の弱さも すべて愛して見せるから
お腹減ったね 今日は何にしようか
家まで競争だ 振り返る君が僕に微笑んだ。
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ほらごらん 空は暮れゆき 瞼を焼く
夕陽が ビル影から差し込んで 僕は眩しさに目をつむった
何を焦っているのか
何を慌てているのか
日々走る街を 眺めながら忙しい人たちを鼻で笑っていました
なんとなく悲しくて
なんとなくうれしくて
いたたまれなくなって
どことなく 辛くて
どことなく切なくて
もどかしくなって
行き場をすっかりなくして
気づけば日は暮れて 窓の外 日が沈む
僕は ため息つくことしか出来なかった
自分をごまかすことしか出来なかった
それでも 少し昨日よりは前に進んだかな
何かが変わったのか 変われたのかな
シャツのボタンはとれかかってる
糸が飛び出して みっともない有り様さ
まるで僕のよう
何を迷っているのか
何を悩んでいるのか
日々変わる 日付を追いかけながら 追いかけられたりもして
なんとなく死にたくて
でもやっぱり生きたくて
わからなくなって
それとなく話合わせて
それとなくつながって
息がつまって 気づけば独り 涙に濡れてる
ああ 雨が降ってきた 明日は本降りかな
僕は我慢をすることが出来なかった
僕は走りきることが出来なかった
それでも 日々いい方へ 向かっているかな
これからどうなるかなどうしようかな
なんとなく悲しくて
なんとなくうれしくて
いたたまれなくなって
どことなく 辛くて
どことなく切なくて
もどかしくなって
行き場をすっかりなくして
気づけば日は暮れて 窓の外 日が沈む
僕は ため息つくことしか出来なかった
自分をごまかすことしか出来なかった
それでも 少し昨日よりは前に進んだかな
何かが変わったのか 変われたのかな
世界は変わらない 僕が変わらなければ
ずっと 同じふうにしか見えない
電車と同じさ 動いているように見えてすべての景色は本当は止まっている
動いているのは時間だけだ。
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名前を呼ばれたような気がして風に誘われるまま
僕は家を飛び出した
開けた窓から見ていたのさ 大きな黄金色の満月
ボロ自転車で行こう
悲しみは 悲しみのままで
切なさは 切なさのままで
変われない僕を万華鏡のように見せる
ふわっと生まれた
声に 振り返ると
もうこんな季節です
なんてことのない
いつもの夜なのに
ただひとついつもと違うのは なぜだろう 今夜は明日に期待できそうなんだ
ペダルを漕いで 行けるところまで行こう
車輪は回る
クレーターが よく見える 月面に降り立った飛行士のよう
無重力になったみたいに心が軽い。
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当たり前の中に
そっと咲いた幸せ
軽く息をするように
なんてありふれた
何気ないものなんだろう
ただそこにある 幸せにこれといった名前をつけることもなく
ただ幸せと言ってみる僕の中にはただ青い海と空が広がる
笑う 泣く たまに怒る ささやかですが満たされています
涙も笑顔も ちょうどいいくらいにあって
多すぎず少なすぎず だけど確かにここにある
当たり前の中に
そっと咲いた幸せ
ただそこにいる 人たちの営みの傍らに 寄り添うように 幸せは座っているよ 名前のない幸せだから 通り過ぎてもわからない
だけど なんとなく
僕ら 向かい合ってる
そんな気がするのさ。
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波はただ 押し寄せて
波はただ 引いてゆく
繰り返すように
始まりから終わりまでをなぞるように
波はただ 繰り返しを繰り返していく
押し寄せた波が引いてゆくと
その波はもうさっきまでの波じゃない
さっきまでのあなたじゃない
今日が 押し寄せて
そして引いてゆくと
明日、押し寄せた
波が昨日の波とは
違うような そんな
そんなものなのです。
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赤い 赤い りんごにも似た夕暮れが
商店街を 赤く 赤く染めて 染めている
ぶらぶら 歩く
用もなく 冷やかす
たまに 立ち止まる
そんな時間がなんだか好きなんだ
その時の気持ちがなんとなく好きなんだ
かじられたりんごのように たったひとつの赤いりんごが
またひとつ かじられてほら やけに目にしみるよ あの夕暮れ
チャイムが鳴ればもうじき夜が来るだろう
腹も減るだろう
帰ろう りんごを買って。