詩人:タンバリン | [投票][編集] |
オレンジに染まった町並みには
色んな家が建っていて
夕日でベージュに染まった洗濯物は、
少しの風に揺らめいています。
はてさて僕はこの町で、何を探してたんだろう?
小降りの雪も降り終わり、アスファルトが雪を溶かしていきます。
誰の手下げの中にも、『それ』は入っていなかったのです。
奪ってそれを知ったのだから
僕はきっと、悪を背負うのです
徐々に徐々に。
アスファルトが雪を、溶かしていきます
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‥‥
ブンブンブン
くるまがとおるよ
車道をブンブン お日様バンバン
急カーブもブンブンブン
4速、5速、ブンブンブン
トゥートゥートゥー
くるまがとおるよ
くまさんシュンシュン まねしてぼくも
ひだりてシュンシュン
みぎてもブンブン
そうさふのうだよ
‥こんな詩をかいても、どうしようもないよ。
うん。
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明日君はおどろくほど健康で
雪を拾いに、街へ出るよ
初めてスライムに触れるような
不思議な気持ちで
昨日君はものすごく寂しくて
トリコロールのパン屋さんへ行った
エメラルド ルビー
少しでも綺麗な事
液体ガスのタンクが破裂して
ミドリの魔法瓶が空へ飛んだ
それだけなんだけど、
そんな事が、起きたんだ。
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この塔に登っていくと、
10階ごとにコンペイトウが貰えるんだ。
そいつは回を増すごとに、立派なコンペイトウに。
ある時、ある男がその塔を登っていた。
その男は随分高い所まで登っているのに
コンペイトウをみんな、周りの人たちに渡してしまった。
それでも、彼のコンペイトウは尽きなかった。
いつの間にか、キラキラ光るコンペイトウを持っていたんだ。
彼すら気付く事もなく。
譲れない意志を持ちながら、
手に入れてきた物をみんな、周りの人に渡す様な。
その物持ちの仕方、意志の持ち方。
そいつができれば決して持てる物がなる事はない。
それにまつわる、
この話。
でも、
きっと、それは。
誰のポケットにも…
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今朝はあんなに寒かったのにドアを開いたら雪が無かったから不思議だったんだ。
昨日何か素敵な物を見つけたはずなのに今日には忘れてしまってる。
僕の近所のおじさんが長話を続けてるから、僕は赤い車のオモチャで遊んでたんだ。
おじさん達は僕の知らない言葉をたくさん知ってる。ウラギリだとかジサツだとか。僕だってひよこがにわとりになる事を知ってる。
赤い車のオモチャの握る部分が壊れたから、キミドリの乗り物を探してる。
おじさん達は長話を続けるけれど、僕はそんなのちっとも気にしちゃいない。
歪みの広がる世界だから、僕はそこから感覚の何かを拾う。
それで僕の犬の小屋はガラクタでいっぱいになった。キミドリの乗り物を探して。
夕焼けってあんなに美しいけれど、本当はなんなんだろう。お母さんですらいつか死ぬのに、夕焼けってあんなに美しいんだ。
人生って儚いものなのかな。人生って儚いものなのかな。僕はそんな事を考えたくない。
キミドリの乗り物を探してる。
人生って儚いものなのかな。人生って儚いものなのかな。
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どこで生まれ育ったのか
ヨークシャーテリアの犬
人なつっこくてかわいいね
おいしそうにえさを食べる
やわらかい部分がある
大福にも、僕達の心にも
恋人だったら触れてみたいね
触れさせたいとも思う
ヨークシャーテリアの犬が死んで
そのニュースで街は持ちきり
命日は突然やってきては
悲しみの代名詞に変わる
やわらかい部分があるんだ
出来事にも、僕達の心にも
感じないのならそれでいいね
触れさせたいとも思うけれど
優しい柄の毛布がひとつ
鈍感な壁の中に入っていて
青く冷たい鉛の球が
その真ん中へと落ちていく
毛布はやわらかに
いくつものしわをつくる
そしてもう、
しわだらけなんだ
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俺はミサイル
君を背に乗せて
俺はミサイル
どこまでも飛んでゆく
自分の家から離れる程
少年の心はときめいた
うれしいよ
君の背に乗れて
すてきだね
空を飛ぶ事って
少年はミサイルの上
夢を抱いて空を飛ぶ
俺はミサイル
君を乗せて
俺はミサイル
いつか落ちる
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ずぅーっと会いたくて待ってるの
床の上に冷たく寝かされて
かれこれ 三年が過ぎて
あたしは 色が変わるくらい
キラキラ光る排気ダストで
オシャレ
‥そろそろ遊んじゃおうかな
そっと、出かけてみようか、なんて
あ〜あ、あ〜あ、明け方、に
やりたい、放題。
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気を付けねばならない
エンピツって角ばっているからだ。
色がつけられているし、
なにせ角ばっているからだ。
エンピツは思っている
寿司が食いたいと思っている
気を付けねばならない
意外と優しいのにとがっているからだ。
強がってもいるし、
なにせ自分をそうは思っていないからだ。
人々は思い込んで見ている
はみ出した人間を逸れた価値観で
エンピツは見ている、ただ見ている。
訳分からん価値観を植えられて
頭を角ばらせてしまったからだ。
エンピツは思っている
個性ってなんだろう
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ぼくは確かにそこに水風船を持って立ってた。
割れた音がする。ガラスって何でできてるんだろう。
コップから何かがこぼれていて、ミルクかも知れないし煙草の灰だったかも知れない。
タイプを打つ音で火がついて何かがこぼれきってしまう。
違和感のジュース
違和感のジュース
溶けた鉛の様な味。
半透明のビンの間ザラザラを見わたしてる。
天井と自分との間にふわりと浮いている。
一瞬脳に、違和感の果汁が染み込む。