詩人:タンバリン | [投票][編集] |
みそを自分で食う、
みそを丸めてみる。
キャッチボールしたくなる。
当然相手が必要になる。
しかし中々、
みそを握っていると、
人が寄ってこんのである。
・・・。
結局みそを投げる相手は、
親友くらいしかいないわけで。
だから明日は奴の家にて、
本音の、キャッチボール。
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今日もあの子はケータイ片手に
憂鬱おじさんを待っている。
夜にあの子はケータイ片手に
泣いて悩みを打ち明ける。
青い春の中で、誰も見ようとはせん空気
狂ったものが増えていき
狂っていないことになる。
赤い少女は空を飛ぶ
いつかは落ちるミサイルで。
北パプリカのくまさんが
そいつを食い止めようとする。
戦いは続く。
闘うために、
戦っているのである。
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家に着いて
右手で鍵を掛けて
ソファーに座り
右足を組む。
ライターを出して
バーコードを剥がす
だって、もう
その価値は無いから
犬がやってきて
左手でドアを開く
背中のチャックを
左手で開けてやる。
だってもう、
怖がんなくていいから
少し素直に生きてみなよ
俺も昼間は、犬なんだ。
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それから彼女は、何回も電車を乗り換えたり、プリンを買って食べたりしました。電車は毎回、4度目の乗り換えで元の線に戻って来るので彼女は家に帰る事が出来たのです。
それなりに人生を送る事が彼女にとっては苦痛ばかりで、彼女はよく泣きました。そしてその後プリンを買って食べたりしました。
彼女は17歳の夏に起きた小さな事が自分を変えたのだと思いました。だからそのもっと前に戻ろうと思ったのです。
そうして、あの頃大好きだったプリンを買って。ときどき、純粋で汚れのない日々を思い出しました。
夏の匂いがした日です。たくさんのプリンの容器と小さなスプーンを残して、彼女は居なくなりました。
アスファルトに落とした涙はみんな、すぐに乾いて消えました。立ち直ろうとする気持ちもいつか誰かを愛した事も、みんなみんな、乾いて消えてしまいました。
彼女の家はただの古い家になりました。
プリンの容器と乾いたスプーンだけが残っていました。彼女の胸にはセピアの槍が刺さっていました。
彼女は踏み切りの前―
傷を付けられたっていいから、誰かに心をすくって欲しかった。あの頃の甘さを無くしたら、もう私は人間ではないでしょう。お母さん。お母さん。
‥私は飛ぶ
遠いところまで、
さよなら、現実
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川沿い、ずっと。
湿気た水上公園
川を何度も渡り直した。
せせらぎに佇んで、トンボと遊んだ。
道のない、草むらも歩いた。
長い距離を、スーツで。
エンストした乗り物と一緒に、おじさんが声を掛けて来た。
「やっぱり、あんたも迷子か。」
苦笑い、どうせ本心ない。
学校の脇を、工事現場の下を
潰れた店の横を、小さな虫たちの上を。
僕は歩いた。
馬鹿だな、みんな。
目が、開かないんだよ。
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息を思いっきり吸い込んで、煙草を口にする。
息を吐いてる時間だけ炎が上がったし、
紫の煙はたちこめたまま。
魔法瓶が宙に浮いたね
そんな事があったよね
肋骨にヒビが入ったトカゲ達
次々にウイスキーに。
偉そうに過去を振り返る様に、
何年前の君も今をさげすんでるよ。
革靴は声をあげてる。
誰もに無視された、雲の気持ち。
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それぞれの座席の下には毛の長い小動物が、顔を隠しながら走り回っていた。
皆煙草をふかしていたが、むしろこの店が建つ前から、嫌々生まれるべくして生まれた様な、紫の粉塵、それに構成された煙が目障りだった。
小気味良くベルが鳴り、ミンクを纏った女が入って来た。最初のコーヒーを飲み終えたかどうかの時間だった。
レモンパイが届くと、彼女は上品に、いとも簡単に紅茶の入ったカップを叩き割った。
店中の、黒いスーツで出来た男達は、一人残らず襟を正して、羨みの目でそれを眺めた。
紫の粉塵は、誰にも気にされずに、しかし大胆に引火すると、雰囲気も人間も一緒くた爆破した。
そしてまた、入口のドアやカウンターの後ろから、気分の悪い擬音をたてそうな速度で、そっと、店中に渡って浸食を始めた。
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やっと 僕を見たんだ
余計な、事はしないで って。
シャチを 海に逃がした
あおぞらの下へ逃がした
アメを、水で溶いてる
溶けない、事は知ってる
何で 君は笑った
取り立ての時期が来たって
何かを 空へ逃がした
イタチごっこの気がした
ひだりて アメを入れてた
いつのまに それをこぼした
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こんにゃくのぎっしり詰まった財布
ハンペンを取り出して、レジに叩きつける。
バシィッ!
とても冷たい響き。
屋台のおじさんに人間が降伏して
もう、丸二年になる。
肥やしになるとされては、家財を失った。
逆らう者は、がんもを投げ付けられた。
その度に、熱い煮汁が散った。
「出来合いの物ばっか、食うなよ。」
アルタ前に映る、おじさんのなみだ。
こうなる前に、
屋台のおでん、食べに行こう。
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そのままじゃどうにもならないけど
要するに僕は露出狂で
ピアノだとかギターだとか
紙にエンピツ擦り着けたりして
裸で居たい。
ラップ越しのキスみたいに現実的だよ
要するに君も偏執狂で
癖のある横文字が好きなんだ
今日は風が綺麗だね。日差しも。
目に見えるすぐそこまでは自信がついたけど、
誰も変わらない。そこから先は賭けなんだ。