詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
彼にフラれた後の2年間もの時間も
大切な親友を失った虚無感も
僕には巧くは言えないけれど
きっと素敵な経験なんじゃない?
たかが十数年間と端数分を足したような数じゃ
人生観ってものは少ないけど
あのね、また君に巧くは言えないけれども
その古傷をかばったままじゃ
外に出ることも難しいんじゃない?
その傷は本当は完治してきている筈なのに
今の痛みは君が作り出した幻なんじゃない?
まだ山の真下
だけど常に真上を目指して
たくさん転がったり擦りむいたりしてゆくんだよ。
いつか君も
そして僕も
あの時が正しかったと胸を張って言えたら
本当に幸せなんじゃないんかな?
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今更こんな事言ってたって仕方ないけど
やっぱり君が一番の人
僕はね
眠る事しか出来ない。
君にね
眠る時しか会えない。
夢の中でね
僕達は結婚式を開くんだ。
夢の中ではね
君はとっても綺麗な白い天使。
でもこれは
夢の中なんだ。
嬉しくても
僕一人の空想なんだ。
きっと墓まで持っていくんだろうな。
辛すぎるんだ。
だからもう一度眠る事にします。
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温い温度の寝室のカーテンから洩れた
暖かい光が真っ直ぐな線を伸ばし
少し汗で湿った体に優しくもたれる布団
足先のシーツはピンと張ったよい塩梅。
僕の横に居た君を
寝ぼけ眼で不安な顔して探してみれば
板間を軋ませながら僕の横までやってくる。
耳元で囁きながら肩を揺する君の口元からは
ミントの香りが漂っている。
おはよう。もう朝ですよ。
今日も至福の朝が僕に訪れる。
生きているって意味は多分こんな朝を迎える事。
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偉そうな事ばっか言っちゃってるけど
内心足はすくんで心拍だって異様な数値。
俺を信じろとか
俺がお前を選んだんだからって
口先ばっかりだな。
本当に大事な事なのに
虚勢ばかりがこぼれ落ちて
本当に大事な人なのに
弱すぎる自分が有り得なくて
なかなか言えなくなってゆく。
お前が不安で不安で
たまらない時は
俺とは違って
力いっぱいこの手に伝えようと握り返す。
もうお互いが寒い思いをしたくないから
暖かい春の日差しに力を借りて
お前に伝えよう。
結婚しないか?
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逃げ出したように
そこから消えた。
まだ僕の知らない
君の横顔と涙。
全てを吸い込む
枕のカバーは
涙ばかりを吸い込んだ
嘘を吐いた君。
嘘を吐かせた僕。
同罪だったんだって
明日は笑っていたい。
花を買った。
枯れない観葉植物。
僕は涙でいっぱいだったのに。
君はもう枯れた。
ごめんなさいと
ありがとうを
忘れた子供。
きっとそれは僕の事だったんだろうな。
タイトルなんて無いよ
ただそれは悲しい位の真実だったんだから。
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二年前に貴方がくれた指輪は
私の指で黒ずんだ。
デッカい石が入った、豪華なもんをあげる
貴方は私の指輪を見ながら笑った。
私は首を横に振る。
貴方の手を私の手に重ねながら。
お互いカサカサになった手の感触
確かめ合った。
二年ってあっという間だね。
ほら、二年前とは違う指。
指輪なんか似合わない手になったけど、
私は今の自分の手が気に入っている。
これは毎日家族を守ってきた手なので
私は今の手が気に入っている。
たまには宝石よりも綺麗な手だと誉めて。
と、言葉の宝石をねだる私。
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父が
奮発してライカのカメラを買った夏。
私達は
沢山いろんな場所へ連れて行ってもらった。
母は
いつもシャッターを押す。でも写るのが苦手。
父は
いつでもそんな母を笑って茶化した。
母は
笑顔で沢山の私達の写真をアルバムに収めた。
私達は
笑顔でアルバムを開いては母と笑った。
私は子供を産んだ。沢山の写真を撮った。
あの時の母のように
シャッターを押す私の顔は
いつでも口角が緩みっぱなしで
写真には収まらない程の沢山の笑顔を子供にあげる。
目元の笑いシワと
作られてゆく沢山のアルバム。
こうして確かに存在した母の遺伝は繰り返し
私の顔に残っている大切な宝物なんだと。
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君をいつの日からか好きになったんだよ。
なんでと聞かれてしまうと困ってしまう。
楽しそうに話すユーモラスなその話題に
君の心の中を勝手に覗こうとする僕が居たんだよ。
寝そべった砂浜。
見上げた夏の熱い日差しに
いや、横目に映る君の素肌に
僕はまた恋をした。
とっても温かい目頭を両手で静かに覆えば、
君が楽しそうに笑う。
君が嬉しそうに笑う。
君をすぐ近くに感じてくるんだ。
今年の夏もきっと
僕の君への本心を打ち明けずに終わる。
だけど多分それでいいんだ。
君が笑う。
僕も笑う。
それが何よりの幸せだと、ずっと秘めたい夏の気持ち。
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空は確かに蒼かった。
民は平和を歌い
より優れた暮らしを求めた。
いずれ民は分散した。
よりよい団体をと
土地に見えない線を引いた。
民は競い合うように
生活を豊かにする術を沢山排出した。
民が造り上げた
溢れた物たちは行き場を無くした。
溢れた物たちは
『不要品』と呼ばれ、沢山排出された。
飽和が連鎖のように
各地に散らばった民達の常識になった。
民は笑っていた。
しかし民同士の競争から産まれた
新しくないと満たされない感情が
益々不要品を生み出した。
そして21世紀…
空は灰色に染まっていた。
poem2021
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誰が貴女を貶した?
何故僕に八つ当たったりするの?
知らないよ
結局またキレてるんですか?
いつも笑って
聞き流したらいいじゃない。
誰かが貴女に
『らしくない』なんて
笑ったとしても
貴女は貴女なんだし、
頑張ったらいいじゃない。
頑張ってる貴女の顔、
僕はなかなか好きなんだけどなぁ。
僕は貴女に
貴女らしさをなんて
言わないよ。
だって僕は貴女じゃないし、
貴女の事は知らないからね。
だから貴女と居れて楽しいんじゃない。
多分これは愛の告白なのかな?
よく分からないけど、とりあえず僕は貴女を見ていたい。