詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
空き地を駆け回り
営業先を駆け回り
疲れ足で向かうは
浮腫足で向かうは
行き着けの駄菓子屋
行き着けのコンビニ
粉ジュース下さいな
栄養ドリンク下さいな
ストローで静かに吸い上げるジュース。
ワイルドに一気に流し込むドリンク。
もうおしまい。
もうおしまい。
大人になれば10円粉ジュース
沢山買って飲めるのにな。
子供に戻れれば栄養ドリンク
必要ない位体力あるのにな。
何だか切ないね。
何だか切ない。
ガキの頃の自分と
すっかり老けた自分。
何だかちょっと同じ気がした。
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お呼びじゃないのに呼ばれてみる
洋画だったら即死だね。13日フライデーナイトのダンスホールパーティー
タップダンスのつもりでシコ踏もう
駆けつけ一杯にお茶漬け頼もう
空気読めないフリして花嫁さん口説こう
缶ジュース一本奢って恩売ろう
頭から缶ジュースぶちまけて仇で返そう。
横断歩道を渡ろうとするお爺さんにバンジージャンプを薦めよう
薦められて買ったCDを鳥避けとして吊そ
文化部なのに甲子園のベンチを暖めておこう
さり気なく隣の席のと伝票すり替えよう
原付免許のみでハーレーに試乗しよう
試食で腹満たそう
柑橘系のトワレをつけて愛猫を抱きしめよう
サランラップの歯をヤスリで削ろう
粗大ゴミ拾って気に入らないからと返品しよう
隣家の松にクリスマスの飾り付けをしよう
こんな事ばっか
言ってるヤツでも
大人になってしまうんです。
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ハイテク時代に生まれて来ました
混合種なんて洒落た小型じゃありません
まぁ間違いなく雑種ではありますがね。
うちのバァちゃん、こんな時代に
なかなかレアな事ばかり押し付けます。
とにかく吠えろ
知らぬ奴を
敷地に入れるなと。
昔の犬は誰が来たって吠えたもんだろと。
そう言われても困るんですよ。今はボタンを押せば家主が応える
そんな時代でしょ?
そんなに泥棒恐いなら
僕に頼らず
セコムに頼って。
うちの坊ちゃん、コイツもなかなかレアなガキ
お洒落にしなきゃと
油性マジック
太い眉を描く。
俺が発明したって面で
笑ってますけど
それは僕の三代前にすされたネタですよ。
僕に言わせりゃ
坊ちゃんのその満足そうな顔
そっちの方がマヌケに見えますよ。
ハイテク時代
家主さんは知っていますか?
犬もカフェで茶すりゃ
首輪にGPSですよ。
ハイテク時代
お父さんは知っていますか?
今更貴方の使い古しのステテコ穿かされたって
ありがたくもなんともありません。
貴様何様?
いや、ただの外犬ですが?
貴様何様?
ただ、ハイテク時代に生きる犬です。
貴様何様?
散歩位一人で行けますよ。
貴様何様?
ただ、GPSを付けてさえくれれば何処へでも
貴様何様?
ただの犬です。
貴様何様?
たまにはステテコ以外のお洒落もしたいの
貴様何様御犬様です。
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愛されないと嘆く人よ
どれだけ愛したのか?
出来ないと嘆く人よ
どれだけやろうとしたのか?
自分勝手な奴め!
俺だって自分勝手だ!
でなきゃ幸せを掴みに行く事すら出来ないだろう?
それでいい!それがいい!
生きぬく事をチャンスと思え!!
命とは幾つあっても惜しいと知る事が大事。
何も出来ないならしなくてもいい。
ただそこで呼吸しろ!
一人で密かに泣く事をせず
人に泣かされてみろ!
それは何より大事な事をくれるキッカケ。
死にたいと嘆く人よ
幸せになりたいと嘆け!!
ゴールは空じゃない
目で見て感じて過ごしている毎日がゴールだ。
ゴールし続けろ!
リタイアなんか許されない。
辛いと嘆く人よ
そうだ
辛いと嘆け!!
無理に越えなくてもいい。
一番の辛さとは何も感じられなくなる
この世と自身との決別死の時だ。
そう思って
自分だけの明日を作って行ってほしい。
余計なお世話でもいい
声を大にして叫ばせろ!!
それで誰かの心に届くならば
私は救われる。
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春に咲き いづれ散る
そんなモンだと薬もつけずに放置した。
肥大した心臓の見えぬ腫瘍は
アイツにすっげー似てんじゃんなんて
ドーナツ屋のキャラクター
店先でニヤニヤしちまう位の症状だわ。
痛みを感じだしたのは何時の日か?
多分煩わしい位に、女扱いの上手いノッポの野郎が
お前の横に現れてからだ。
動悸や息切れの理由
それはお前が綺麗に笑ったから。
不眠や寝不足の理由
それはお前が泣いて俺を叱ったから。
コレを病と呼んだのは
多分こんな日々を
ただ指をくわえて見てた輩が
辛い辛いと嘆いたからだ。
コレを病なんて呼びたくはねぇんだよ。
俺は誰より俺に素直なんだよ。
だから先ずは
この扉を開く事にしたんだよ。
だからお前は
打ち上げ花火を合図に
俺から真っ先に逃げておくれや。
背面迫る
俺の気配だけを
毎日気にして逃げてくれや。
俺はお前を捕まえて
“どーする?”って聞くから
お前は苦笑いで
“参った”と囁いてくれよ。
病は気から
恋は君から…。
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楽になりたい…
あぁ楽になりてぇな…
ソファーに深く腰掛け
落ち着く匂いの膝掛け
淹れたてのカプチーノ
そしてラジオからは
お気に入りのナンバー
楽になりたい
楽になりてぇな…
一日中何も予定が無く
そして誰も訪れる気配も無い。
かと言って誰かに会いたい訳でも無い。
あれ?楽ってなんだ?
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湯たんぽで火傷したバァちゃんが
ある日僕の母ちゃんになりました。
バァちゃんはバァちゃんなのに
僕はそんな違和感でバァちゃん家の生活に馴染めなかった。
湯たんぽで火傷したバァちゃん家の冬。
寒くても暖房器具などは無くて
寒い夜はこうして眠るんだ…と
バァちゃんは黙って泣きじゃくった僕の背中をくるむように暖めてくれた。
バァちゃんが好きです。…でも、
僕の中で母ちゃんが一杯で素直にありがとうが言えなかった冬。
湯たんぽで火傷したバァちゃんの足は
年々枯れて細くなった気がした。
そんな僕の中学時代。
気が付けば僕は
風邪ひいた訳でも無いのに声が低くなった。
バァちゃんは何故か喜んでた。
湯たんぽで火傷したバァちゃんと
同じ布団で眠る事が無くなって数年。
僕は大人になった。
バァちゃんは仏様になった。
叔父さんがそう教えてくれた冬。
僕の独り所帯の布団は寒くて
初任給で奮発して湯たんぽを買った。
今はバァちゃんと同じ場所に僕の足には火傷のあと。
やっぱり湯たんぽは必要なかったね。温もりは必要だけどね。バァちゃん。
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ホイホイと付いてくる
お手軽な
女でもなく
私が一番なのよと
お高くとまる
女でもなく
お手軽な雰囲気と
お高い品格を
兼ね備えた女。
コイツはたとえ
槍が降ろうが
家が燃えようが
間違いなく生き残る。
仕事か恋か
そんなモノがテーマじゃなく
楽しいか楽しくないか
それがコイツのテーマです。
では俺は?
なんて質問すら鼻で笑ってしまいます。
だってコイツは
未来でも過去でもなく
今をとても愛してる。
それはそれは無敵で
俺なんかじゃかないっこありません。
是非とも無理は承知で
今日は一緒にお茶しません?
今を楽しむ術と
甘いミルクティを
用意して。
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男ノリばかりの
芸の無い男でもなく
かと云って
甘い言葉で女を楽しむ
手慣れた男でもない
子供っぽく可愛いジョークと
大人っぽく憂いを帯びた表情。
正に最強の男で何事にも動じない。
きっとアイツは
槍が降ろうが
家が燃えようが
生き残る男。
仕事か恋か
そんなテーマなんかじゃなくって
楽しいか楽しくないか
それがアイツのテーマ
じゃあ私は?
なんて質問すら鼻で笑って誤魔化すの。
アイツは
未来でも過去でもなく
今をとても愛してる。
今は私に時間を頂戴。
アピールタイムは出会った途端にカウントダウンを始めるの。
ほろ苦いカフェに
ほろ甘い時間。
アナタに時間をかけたくなったの。
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俺と云う者と
相対しながら
君ときたら
携帯電話に夢中。
君の気紛れで呼び出された
俺の通称はただの“いい人”
電話相手が憎らしく
既にコーヒー二杯目。
危険な相手なのか
俺は居ない事になっているらしい。
無言で聞き耳
コーヒー三杯目。
知らぬ存ぜぬを通してコーヒーを楽しむけど
君は様々な表情を電話相手に浮かべて
時折声を荒げて言い訳する姿を見たら
とてもじゃないけど味などを楽しむ余裕がないよ。
苦いだけの
コーヒー四杯目。
どうする?
帰っちゃう?
いやいや
そんな事出来ないし。
電話の相手に
涙を流し
ゴメンナサイを繰り返す君。
なんなら
その携帯をへし折る?
それとも
その会話をへし折る?
君がソイツに振り回されてんなら
俺は君を振り回してやるよ
電話を奪い
彼女の制止も効かず
罵声を上げる俺
慌ただしい衝撃に
床に転がり広がる
コーヒー五杯目。