いなくなってはじめて気付く

そんな馬鹿な女じゃないから

わたしは貴方の価値くらい

随分前から知ってたよ



だから



当たり前の虚無感を

予測可能な寂しさを

ただ只管に痛感するだけ

キミを表す

たった11桁の番号を消すことで

忘れた気になれるのに




知らない番号も非通知も

キミじゃないかって思うんだよ



今でも

大変だね

がんばってるなぁ

わかってる


そう言って

頭を撫でてくれるキミは



解決策を100個並べる誰かより

ずっと強い味方だよね

同じとき

同じものを

同じだけ

同じように


それがとてつもなく難しいんだ

忘れたいと思ってしまうほど

惹かれてしまったひとを

忘れられるはずないから



忘れないから

憶えていて

泣ける弱さを見せること

それが強さだなんて

どうしてもわたしには綺麗事で



泣いたところで

どうにもならないこと

誰よりも知ってるつもりだったから

泳ぎ疲れた魚 なんて

ただの悪い夢

でも

たまに呼吸が苦しくなるみたいに

目が覚めることがある

そんな時は決まって

キミの声が聴きたくて



切ないとか淋しいって言葉が

なんとなくわかった気がするよ

貴方が理由だとしても


貴方に責任はないよ

事実が一番大切だと
疑わなかったけれど


でも
事実より
わたしがどう感じてるか

それを亡くしたら
貴方を想うことなんて
もう出来ないよね

わたしだけが

悲しいわけでも

傷付いたわけでもない


ならそれで
充分じゃない