こころが
痛い


この痛みに耐えかねて
朽ちるように枯れて

声など出ないように


キミの名など
もう呼べないくらい

また 眠れない
日々が続いて

当て所もなく彷徨って
同じように持て余したひとと

慰めるように埋め合った



もう
キミがあの頃毎日言ってくれていた
素直なんてものは
ないかもしれない


キミが惹かれてくれた
わたしの唯一だったのに

今でも
何度も

ねぇって

ねぇねぇって


こころの中で

キミを呼んでる


キミが何気なく振り向いて
困ったようにはにかんで

またわたしの手を
繋いでくれるんじゃないかって

声すら出せない

あの激しい慟哭の中でも



悲鳴のような
あの声が

僕をまだ呼んでるから


まだ
生きるよ

どんなに悲しくても

頭のどこかで

悲しい を理解している自分

拭えない
理性の色は
どれだけリアルでも無意味で



狂えなかった
狂いたかった

そうすれば
理解できないブラウン管の膜の上で

わたしは
誰より幸せだった

キミがいてくれるなら
他になにもいらない

もたれた肩
翳した掌に

光る石で



誰に何を誓っても

それでも

物分りのいい僕に
呆れた貴女

貴女の前で
言い訳をして

貴女の前で
何度も弁解をする

情けない僕に


あの声で

唄ってよ

でたらめの

眠れぬ夜を

抱き締めていいよ

キミの見えない有刺鉄線


痛みでしか
伝わらないなら

キミで痛む傷すら愛しい

白濁した
キミの誠意を飲み干すの


それが例えば
証のひとつ

淋しがりやのキミがいて
何かを持て余したわたしがいた

そこに綺麗なものが
ほんの少しでもあったのかといわれれば
そんなもの
何処にもなかったような気がするけど


淋しがりやのキミがいて
何かを持て余したわたしがいた

お互いにどうしようもないものがあった
抱き締めあえば埋められるような
そんな些細なものだったけど


キミの
大切なものじゃなくても良かった

癒せる何かなら良かった

導けなくても
未来なんてなくても

こんな冷たい夜に
こんな真夜中に

繋がる唯一でいたかった