詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
いつしか臆病者は牙をむき
届かぬ月に吠え続ける
何度も何度も
その声が枯れるまで・・・。。
いつから闘うことを諦めた?
もうその手に力は残っていない
気づいた壁の大きさに
尻尾を巻いて逃げ出した
全てを捨てて彷徨った
愚かな犬のともし火は消えてしまった?
研ぎ澄ました牙で狙いを定め
月に向かって空を切る
何かを諦めれば何かが手に入ると信じてた
腐った世界に愛想を尽かし
空を目指してもがいた犬は
水溜りの月に飛びかかる
足掻いても足掻いても
這い上がれぬ世界の底で
それでも僕は吠え続ける
研ぎ澄ました牙で狙いを定め
月に向かって弧を描く
君に向かって走り出す・・・・。。
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遠い日に君を濡らした雨が
今でもまだ降り注いでいてもいいさ
変わりゆく日々の中に埋もれそうになっても
変わらずに咲き続けていられるのなら・・・。。
どんなに強く抱きしめてみても
君の瞳は過去を映したままで
そこにある確かな温もりさえ
確かめることを避けていた
傷つき失われた思い出に
僕は踏み込めやしないけど
変わることを恐れる君に
ただ好きだと伝えよう・・・。。
今でもその心を占めるあの人の心に
例え別の誰かが残っていたとしても
貴方の重ねたその日々に
確かに花は咲いていた
小さくても誰より強く
紫陽花にも劣りはしない程に・・・
遠い日に君の愛した記憶に
僕は追いつけなくてもいいさ
君が変わらずに咲き続けていられるように
そっと雨を降らせよう
僕の気持ちは君に届かなくてもいいさ
君が過去を受け止め前に進めたその時は
何も告げずにその傍を離れよう
ただ貴方の幸せだけを祈って・・・。。
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いつから君は泣いていた
伸ばした手の先も見えないほどの寂しさの中で
まだあの日々を求めてる
過去を振り返るたびにまた
傍にいる誰かを傷つけても
確かにあったはずの温もりを
捨てきれずに抱いたまま・・・
どれだけ大切にしたなら想いは届くのか
決して触れることのできない貴方の奥には
まだ遠い日が残ってる
時を重ねても色あせぬその灯に
僕は付け入る術さえ手にできなかった
こんなにも近くにいるのに
知れば知るほどまた距離は広がって・・・
振り返った貴方の目が悲しみで滲むなら
震えるその手元を照らす
小さな灯になれればよかった・・・
心の中でいつまでも色褪せぬほど
その影は強くはないけれど
儚いほどに小さな灯の中に
貴方をそっと映すから
僕が傍にいないその未来にも
優しく灯は揺らめき続けるように・・・。。
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眠れぬ夜にはまだ後悔に溺れるよ
自ら目を背けた筈のその声に揉まれて
せめてこの手差し出せていたのなら
君の未来をまだ抱きしめていられたのに・・・。。
近付き過ぎることを恐れて
保ち続けていたその距離は
気づけば手の届かない程に膨らんで
君が傍にいたことの大切さに気付いた今
知らない振りして僕を締め付ける
避けてばかりの臆病者に
君は優しさを注いでくれた
身を引いてばかりの卑怯者を
君は愛してくれていた
幾度自分を責めたてれば罪は消える
どれだけ祈れば神様へと通じる
その小さな肩さえ抱きしめられなかった弱さに
紛れて消えてしまえばよかったのに・・・
僕を必要としなくなった君の世界に
君を失くしたこの世界に
何を求めて歩き続ければいい??
終わりを告げる涙さえ認めずに
まだしがみ付いている
君を失ったこの世界で・・・・
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飾らない言葉を幾度重ねればいい?
手を広げて堕ちていった拭いきれぬ痕に
今も心は囚われたまま・・・
滑らかな夜を滑り降りてゆく
零れ止まぬ吐息の果てで
また一つ切り離した
朧げに揺れる小さな影を
厚き雲間より渡らふ月の
欠けた残円に何を描く?
一所に距離を保てぬとは知りつつも
見えぬ先を求めてる・・・
月の欠片高く舞うのなら
せめて触れられはせぬ程遠く
端から望みも湧かぬなら
いっそこの身を深く沈めて・・・
決して満ちぬと知っている
まだ揺れ残る二つの影よ・・・・・
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滑り零れ終わらぬ涙に
揺られて静かに咲いていた
すぐ傍にあることにさえ気付けないまま
吹かれて君は散っていった・・・
霞んでゆく景色の中で
微かな痛みが頬を撫でてゆく
まだ無垢なその瞳に包まれて
どうしても君を抱けなかった
濡れて留まらぬ幼きその手を
どうやって温めればよかったのか・・・・
傷つくことを恐れたこの心に
知らずに枷を突き刺した
震える指先が今更になって君を求め
届かぬと知りまた沈んでゆく・・・
いつか臆病な心も傷つくことを忘れたのなら
君がいた筈の僕を探しに行こう
繰り返す涙と時が二人を曇らせていたとしても・・・
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崩れ落ちた空を仰いで
沈むように溶けていった君を
欠けてゆく月に重ねて
また零れた涙を慰めた・・・。
同じ夜を繰り返しながら
また後悔は積みあがってゆく
幾度も振り切ると誓ったその過去に
今もこの手は引きずられたまま
同じ答えを求めてる
何時かは祈りも消えて流れるのか
もう届かない君の欠片から
せめてあの日の二人を描けるのならば
その小さな肩さえ支えられなかった
この腕など惜しくは無いのに
繰り返す同じ夜に責められて
動けずに立ち止まったちっぽけなこの心も
逃れられぬ悲しみに包まれたなら
もう少しくらいは優しくなれるだろうか
繰り返す同じ痛みを抱きながら
この腕は君を描き続けるよ
君を探し続けるよ・・・。。
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抱きしめられなかった
綻び崩れてしまいそうなこの心を
繋いでくれた祈りさえも・・・
錆付いたその腕に満ち足りなかったものは何か
自ら負ったしがらみに囚われたまま
区切られた空に焦がれてる
目を向けぬままに告げた終わり・・・
失くして残ったこの涙を・・・
遠ざかるほどに溢れてくるこの想いは
もう叶わぬと知っていても
艶やかに彩は舞い続ける
狂い咲いた罪に飾られるように
途切れた誓いに色は褪せ
痛みだけが寄り添ってゆく・・・。。
「自分だけは一人で生きていけると思っていた。
その小さな手を握るのがこの手で無くなった今 初めて独りが怖いよ・・・」
償いきれぬこの過ちが
罰を折り重ねて消えるのならば・・・
もう一度その弱さに
触れることが出来るのならば・・・
歪んだ世界さえもう怖れはしない
例え儚さに抱かれこの身を失くしたとしても
艶やかに香は揺られ続ける
乱れ咲いた痛みを弄ぶように
織り綴られた祈りに導かれ
記憶だけが寄り添ってゆく・・・
艶やかに君は舞い続ける
繰り返した罪を慰めるように・・・・・・・・
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また一つ涙が零れ落ちた
決して叶わぬ願いを信じ
臆病者の獏は
描いた夢に背を向けた・・・。。
どれだけ他人に焦がれればいい??
偉そうに吠えるだけの野良犬にも
覗けば未来が詰まってる
どうして俺には夢が無い??
繰り返す問いに答えもなく
見たくも無い誰かの世界に入り込んでは
熟して甘くなった夢を
腹いせに少しほおばった。。
焦がれても焦がれても
この腕では欠片も掴めない
虚しさに押し潰されそうなこの夜で
俺は何に助けを求めればいい??
神様落ちてゆく世界にほんの少し
夢という名の優しさを落としてくれ
聞きなれた諦めの言葉蹴飛ばして
俺が現実に変えてやる
夢を見るのが怖かった
自分を覗くのを避けていた
どうせ死んでいく心なら
最後に夢を見てみるさ
臆病者の獏は眠った
生まれて初めて安らかに
他人の夢を漁り尽くした果てに
お前が見たものはなんなのか
誰にも答えは分からないが・・・・・・・・・・
最後にお前が見せた微笑を
誰も忘れはしないだろう・・・・・・・・。。
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塗り隠された想いが剥がれてゆく
後戻りできないこの場所に僕は立っているよ
瞳を閉じればまだそこに
二人の影は揺れている・・・・
もう君さえ描けない瓦礫の上で
辿り着いた世界に花は咲かなかった
おざなりにして捨ててきた心に
今ようやく痛みが追いついた
満たされていた世界に
この手はまだ何を求めていたのか
手を伸ばせば未来にも触れたのに・・・
ねえ
あの日よりも少し色褪せた月がキレイだよ
変わらない景色に包まれて消えそうになりながら
まだ残映にしがみつく
せめて終わりを告げてくれるなら
気付きはせぬ程にやさしく
この場所で見た欠片を壊してはくれないか??
今更になって何を祈れば救われる
横たわる行き場の無い涙に
まだ赦しは得られぬのに
ねえ
あの日より傷ついたこの手で
もう君は抱けないのかな??
いっそあの日の僕を失くしてはくれないか
もう願うことすら与えられぬのなら
その手で壊してくれないか??