詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
私という人間が
泣こうが
笑おうが
叫ぼうが
自殺しようが
世界の頂点を極めようが
この世の地獄を見ようが
宇宙の時間と広さとそこで起こってる数億年規模のドラマからみれば
草原で一本の草が、風に吹かれ
僅かに揺らぐ
ていどの事件だ
まして私の一生は
一枚の枯れ葉が、地面に落ちる、くらいのもんだろう
いや、毛穴から抜け落ちた一本の毛
こんなもんだ
どんなにかっこつけたって人間以上の時間はないし
肉体以上の価値もない
はじめから意味なんてない
夢や希望を叶えたいんじゃない
そこに何か自分だけの意味を作りたいだけ
普遍や真理なんて言葉はまやかし
ただ、一人ひとりにとって
かけがえのない意味があるだけ
どこにもない自分だけの答えを求め
いつか消える運命があるからこそ
輝けるものたち
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
私は、読んだ人が
みるみる自信を取り戻していくような詩を書きたい
優しくしたり、慰めたりするのは簡単だ
けれども誰かの自信や勇気を目覚めさせたり
本人の魅力を解らせることは何て難しいんだろう
どうしたらいいんだろう
こんなにもはっきり素晴らしいものがあると
それはあなたなんだと
それが真実だと
伝えるのはどうして
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
死を誰かに強制されれば恐ろしい
生を強制されれば、逃げたくなり
死にたくなる
本物の銃がなければ
言葉で傷つくように
言葉もなければ
態度で傷つく
怒りがなければ
笑顔にだって傷つく
つまりは傷つく
薬を飲んでも毒だと信じて
攻撃しているのは敵じゃなくて
僕ら自身の思考回路だ
スイッチを切り替え
全ての毒は薬になる
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
要らないものは棄てよう
嫌な過去も忘れていい
とくにつまらない思いでも
役に立たない知識も
使い終わったティッシュみたいにさ
一思いに
キラキラに輝く貴方の核だけ残してさ
心を込めたさようならの数だけ
想像を超えた
素敵なはじめましてが待ってる
引き出しがいっぱいなら
なにか捨てないと幸せが入らないからね
もしくは見つからない
引き出しの奥にひっかかっている忘れかけた宝物は
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
そんなにあせるな
結論を急いで得するかい
そんなにじたばたして
墓場に急いでどうするの
僕らがどんなに急いだって、行くとこは墓場さぁ
終わることは避けられない
神様が決めたから絶対さ
じゃあ腹を決めて楽しんじゃえ
気持ちいいこと
いっぱいしよう
悲しみも 理不尽も 失敗も 惨めさも 楽しんじゃえ
飽きたら
したことないこと
たくさんやろう
ハナクソ食べた事ない人は食べてみよう
選挙に出てみよう
アイドルオーディション応募しよう
ぜーんぶ等しく新しい経験さ
明日
世界が終わるとしても
挑戦しちゃいけないって
楽しんじゃいけないって
誰が決めた?
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
世界は
君を待ってる
大声で叫んでも
百人のひとが無視するかもしれない
けれど
空や森や動物は君の声を聴いているだろう
全力で問い掛けれは
百人の中でひとりは答えてくれるだろう
なんとなくでも生きていけるが
なんとなく生きちゃいけない
なんとなく生まれた人間はいないのだから
たとえ捨て子でも
誕生は命懸けなのだから
君を君らしい
唯一の君にできるのは
世界で君しかいない
世界は両手を広げて待つだろう
太陽は全力で君の影を消すだろう
月は闇を照らすだろう
風は君を待つ人の声を届けるだろう
さぁ君にしかできないこと
みつけにいこう
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
本当は過去よりずっと
具体的で
確かなもの
無限のもの
楽しいもの
それが唯一の財産
未来
お茶のでがらしみたいな過去に囚われず
甘さも苦さも未知の味も 夢の味も
ギュッとつまった
未来を味わおう
過去の夢も 成功も失敗も
もう必要ない
僕らと未来があれば
なにも要らない
勇気さえ要らない
僕らがいる
未来がある
それだけでいい
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
何かが無くなってしまうのは
あなたの持ち物が多すぎるから
何にもない部屋の真ん中にある
真っ赤な林檎は無くしようがない
大切なモノは少しでいい
片手五本の指で
足りるくらい
迷わず、探さず、焦らず、明瞭
何ともお得な人生が待っていた
これからは、林檎を味わってから
バナナを買いに行こう
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
歌をうたうと
心が恋したみたいになる
歌をうたうと
内臓がバラバラに
好き勝手に走りだしていく
毛根もみんなあさっての方角を向いてる
歌は
手綱をふりきって
水の上も
あの高い山の花びらの上も
走り出してしまう
歌を うたうと
全身の血液が
開けたてのCOLAみたいになる
歌をうたったあとは
きっと夜風が締めのお茶漬けみたいに身体にしみる
うたう私は
色鉛筆で書いたような
牧歌的な故郷に
いる
ひどく潜在的な場所
調子がよくても
歌をずうっとうたってはいけない
現実と、うたの狭間をたゆとわなければ
次のうたは生まれないから