詩人:黒夢 | [投票][編集] |
見上げた空は、鉛のように重い色をしていた。
このまま生き続ける先に、青い空はあるだろうか。
『明日』という未来に、あの空はあるだろうか。
そこに僕の姿があるのだろうか。
数年先の未来を望む僕が馬鹿みたいだ。
1秒先の未来にさえ
この姿が在るかどうか分からないのに。
確証のない未来。
つかめない瞬間がただ、もどかしい。
そうやって不安を感じる夜はいつも
自分を安心させるように
空を見上げ、天を仰ぐ。
きっとその行動にさえも、意味はない。
気休めに過ぎないけれど
変わらない真っ暗な空を見ていれば
時が止まったように思えるから。
束の間の永遠を、感じていたいから。
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守りたいものがある。
かけがえのないものがある。
きっとその為なら、僕は悪魔にでも魂を売り渡す。
消せない想いがある。
譲れない願いがある。
きっと命をかける理由なんてそれだけ。
伝えたい言葉がある。
まだ果たしていない約束がある。
きっとそれだけが僕を生かしている。
きっとそれだけで僕は、生きていける。
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嘘を嘘と言えずに。
真実を真実と言えずに。
本当のことを話せばただの言い訳になりそうで。
貴方の射る様な視線が怖い。
ただ
貴方には分かっていてほしいだけだったのに。
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白い白い雪は全てを覆い尽くしていく。
全てを白く染め変えて、世界は白くなる。
それだけでいい。
僕の目に映るのはそれだけでいい。
それだけでいい。
そのまま全てを白くしてくれたら。
それだけでいい。
君の姿がよく見えるから。
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いつも通りに別れよう。
僕等が別れるあの信号まで、笑いながら歩いて。
そこで立ち止まって信号が青になるまで話をしよう。
きっとその瞬間
僕は泣いてしまうだろうけど
笑って手を振るから。
いつも通りに首だけで振り返って
歩いていくその背を見送りながら。
そうして僕も前を向こう。
『また』
そう言って、希望の言葉を残しながら。
僕等しか知らない再会の言葉を
その場所に残しておくから。
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今はまだ約束しかできないけれど。
少しずつ近くなる別れの瞬間。
近くに居て一緒にいることができなくなる。
僕にはそれに抵抗する術をもたず
また、拒むことさえもできない。
もう少しこのままでいたい。
このまま時間が止まればいいのに。
きっとそう望んでも僕は我侭ではない。
誰もが一度、そう願うことがあるのだから。
そして願う故に時間は残酷で優しい。
これから迎える別れの為に、僕の背を押してくれる。
別れの為の心の準備を少しずつ強制する。
その中で、僕はある希望を見出した。
今は別れないといけない時でも
生きていれば必ず何処かで出逢えるはずだから。
この世界がどれほどに広くても、大きくても
僕等はきっとまた会える。
確信も保障もないけれど
信じていれば、願っていれば
それは叶うかもしれない。
そう言っても離れたくないと悲しむ僕等の為に
ただ一つの約束をしよう。
信じるだけでは不安と言うのなら
せめて約束をしよう。
今はただ、それだけしかできないけれど
今よりずっと変わってるはずの僕等の為に
また、再び会えるまでの約束をしよう。
そうしていつかの未来で
僕等が笑いあえる日の為に
また再び会える日までの
約束をしよう?
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怖かったんだ。
君が離れてしまうと思ったから。
目を瞑ればその瞬間に君が居なくなってしまう気がした。
抱きしめれば君を壊してしまう気がした。
何かを言えば傷つけてしまう気がした。
怖かったんだ。
君が愛しい故に。
初めての恋だったからどうしたらいいか解らなかった。
ごめんね。
勘違いさせて。
不安にさせて。
これからは沢山言葉をあげるから。
態度で示すから。
だから
これからも臆病な僕と一緒にいてね。
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くだらないプライド保ったまま
貴方との距離を縮めていった。
それが間違いだったということに
最後の最後まで気付くことのなかった愚かな私。
馬鹿みたいね。
今更貴方が恋しいなんて素直になって。
全て今更なのに。
貴方を愛しいと思うことも。
貴方に会いたいと願うことも。
素直になれない自分がもどかしかったわ。
憎まれ口を叩く自分が悲しかったわ。
それ程に
貴方が好きだった。
別れの時も私はいつも通りの私でいた。
貴方がいつも通りに微笑んでくれるのを待って。
でもあの日は違った。
貴方は真剣に私を見て
『だからお前は好きだったよ』
そう言った。
最高の殺し文句。
もう駄目なのね。
そう思って
私は【貴方の好きな私】を演じて舞台をおりた。
貴方は笑った。
いつもと同じ微笑みを浮かべて。
私は最後まで貴方に『好き』とは言わなかった。
『愛してる』だって言ってはいなかった。
貴方の誕生日のあの日
プライドを捨てて言ってみようと思ったの。
最後まで言えなかった貴方への言葉。
最後まで捨てる勇気がなかった私のプライド。
あの日私が泣いて貴方を止めたのなら
今の現実は変わっていたかしら。
『さよなら』
最後の言葉はこれにしておくわ。
『愛してる』だなんて
口が裂けても言えないもの。
私は
何よりもプライドの高い女だってことに気付いたから。
今更になって
それを捨てる気にはならないの。
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簡単だけど難しい。
難しいけど解れば簡単。
複雑で傷つきやすくて
素直だったり違ったり。
そんな
パズルみたいな僕等の心。
足りないピースを互いに補い合いながら
寄り添って生きていく。