詩人:黒夢 | [投票][編集] |
『さよなら』
そんな言葉で、それまでの日々全てを
忘れることなど出来るはずがなく。
僕は多分、まだ君の事が好きだよ。
あと少しだけ、君を想うことを
どうか許して。
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嗚呼、また今日が終わっていく。
嗚呼、また繰り返していく。
いつも通りが一番好き。
それでも
嗚呼、僕が此処にいたという証さえも残せずに。
嗚呼、昨日の僕は、死んでいく。
矛盾したやるせない心を鎮めるのは
やはり今日を生きるということだけ。
嗚呼、時間が過ぎていく。
嗚呼、何も遺せなかった僕が死んでいく。
消えていく。
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新年を迎えて。
それでもいつも通りの生活を送る僕。
きっと年が変わろうと僕には何の関係もないんだ。
だから今年もいつも通りに過ごしたい。
いつも通り
キミと笑って過ごしたい。
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涙を流す前に、君の痛みを少しだけ僕に分けてほしい。
そして僕も涙を流すから。
きっとその方が、独りきりで泣くよりいいと思うから。
僕の自己満足でも偽善でも、エゴでも。
君が僕を拒んで罵っても、それでも
『君ガ楽ニナルノナラ、僕ハ構ワナイ』
君の苦しみも悲しみも、全部僕が背負うから。
怒りをぶつけたっていいから。
だから、どうか。
『独リデ泣クナンテシナイデ』
僕が此処にいるから。
何時だって何処にいても、君の所へ行くから。
だから、どうか。
『泣キタイ時ハ僕ノ胸デ泣イテ』
君の心の中を少しだけでも僕に教えて。
僕にどうにかできる事ではないと解っていても。
それでも
少しでも君に笑っててほしいから。
だから、どうか。
『涙ヲ流スソノ前ニ、心ノ中ヲ教エテ』
そして、どうか。
『独リデ震エナガラ泣カナイデ』
君の弱さも、涙も、苦しみも、悲しみも、憎しみも。
その震えも、全ての感情も。
まとめて僕が抱えて歩くから。
君の全てを、全部。
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まだ少し、雨の匂いが残る 雨上がりの午後に。
僕はすれ違おうとした男に問われた。
「貴方は神を信じますか?」
僕は何も言わなかった。
『神様がいれば、こんな辛く悲しい現実はないだろう』
そう思ったけれど、僕は心の中に止めておいた。
僕だって時々神頼みをするから。
都合のいい時だけ、名だけの神様を利用する。
なんて身勝手な生き物だろう。
こんな人間が多いから
【神様】は何も叶えてくれなくなったのかもしれない。
僕は、話しかけてきた【神を信じる】男を無視して
ぼんやりとそんなことを思った。
【いつも通り】の街の光景。
誰かが泣いていて、誰かが笑っている。
誰かが不幸になって、誰かが幸せになる。
僕はそれにも目を向けず、ただ自分の道を行く。
誰にも平等で、全能な【神様】という名の存在が
少し嫌いになった雨上がりの午後。
顔を出した太陽が、ひどく眩しかった。
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俺の前で大切な人が傷つくのは嫌だ。
それでも
その人を守る為に俺自身が傷つくのも嫌だ。
なぜなら
俺が傷ついた所為で
その瞳が悲しく歪むのを知っているから。
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雨の中、水溜りに映る人模様。
叩きつけるような酷い雨はきっと、当分続く。
そっと観察してみよう。
目の前に広がる街模様。
小さな小さな子犬が震えてる。
可哀相に、捨てられたんだ。
寒いんだね、雨を凌ぐ物もなくて冷たいんだね。
でも僕には何もできないよ。
きっと誰かが…。ああ、ほら。
誰かが傘を差した。
ヨカッタネ、オチビサン。
沢山の人が集まる駅前の喫茶店。
その扉の近くに立つ彼女。
何度も何度も時計を見ているね。
どうしたの?誰を待ってるの?
キット、待チ人ハ来ナイヨ。ソレデモ、待ツノ?
その横で何人かの少年達が
其処に置いてある誰かの傘を、黙って持っていった。
人の物なのに。
でも僕は何も言わないよ。
だって関係ないでしょ?
見テイタノハ、僕ダケ。
ヨカッタネ、オ兄サン達。
今日も変わらぬ街模様。明日もきっと変わらない。
僕はいつでも見ているよ。この大きな家の窓から。
きっと誰も気がつかない。不思議なものだね。
イインダヨ、思ウヨウニ生キタラ。
いつも変わらぬ人模様。そして僕も変わらない。
何て悪趣味で、ひどく滑稽なんだろう。
雨が全てを濡らしてく。
僕の心も、べとべとに。
水溜りに映る僕の心。
何て醜いんだろう。何て情けないんだろう。
暫く止まない雨に全てを委ねよう。
心も、全部、全部。
そうしたら、僕の心は変わるかな?
くるくる廻る、心模様。
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時を刻み 瞬間を生きる。
此処で生き いつか此処で死ぬ為に。
今はまだ その時ではないけれど
始まりには必然的に終わりがつきもので
それはまた 僕等の一生を表しているようで。
生きるほどにいつかの終わりへ恐怖を覚える。
時間を重ねていくほどに 望みが大きくなっていく。
それはまた 身体に抱える痛みの象徴。
生きる 故に 望み。
望む 故に 痛み。
時間を刻み 魂を刻む。
一生に 此処に在る証として。
いつか 此処で消えるまで。
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半分の月が笑っている。
とても楽しそうに。
あるいは とても悲しそうに 哀しそうに。
形を変えていくそれは
いつまでもそのままでいられなくて。
久しぶりに半端な形のそれは 姿を見せた。
また 笑っている。
不安そうに 諦めたように。
誰も見てくれないから。
誰もが満月を望んでいるから。
でも僕は 今 空に浮かんでいるあの月を望む。
半分の形が 僕の心と似ているから。
もう半分を補ってくれる 誰かを待つのが
僕とそっくりだから。
僕は笑う。
月と一緒に。
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存在証明。
僕等は此処にいる。今は。
もっと先の未来に僕等はいない。きっと。
存在証明。
僕等は此処に生きている。 今も。
いつかの未来はまだ見えない。 きっと。
存在証明。
此処で生きている故に。
此処で生きる故に。
存在証明。
いつか此処で死ぬ為の。
でも 今はまだ僕も君も此処で生きている。
存在証明。
痛みを抱くこと 傷つけること 涙を流すこと。
存在証明。
人を想うこと 守ること 思うままに生きること。
君の存在証明。僕の存在証明。僕等の存在証明。
どうか導いて。