詩人:和泉 | [投票][編集] |
正の部分だけが
全てなら
ゼロを知らない
足し算の舞台には
いつの間にか負の顔も現れ
正と負が入り混じる中
導いた答えに丸をつけるのは誰だろう
割り切れたら気持ちが良いのは
誰でも知っている
だけど
それだけではないから
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例えるなら
それは 水
両手で優しく包んでも
少しずつ
僕から離れて
瓶に閉じ込めたら
きっと呼吸困難で
消えてしまうかな
近視な僕に
遠くな君は
よく見えない
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用意された椅子は
いつだって数が決まっていて
人間のほうが明らかに溢れ
あぶれたなら
眼をギラつかせ
余るのを待つ世界
まるで獲物を狙う獣のよう
テーブルの上
白と黒のバトル
多勢が有利な勝敗制
“ドロー”なんて用意されていない盤上
白と黒の間は
やっぱり白と黒なんだ
詩人:和泉 | [投票][編集] |
程良く
適当に
それができない不器用さがある
絵の具は原色オンリー
丁度良い具合いには薄めること
できなくて
筆で混ぜれば いつの間にか
パレットから色が消え
下書なんていらない
白のキャンバスは
期待に胸膨らませ
新たな世界を映し出す
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いつだって
感情のコントロールのブレーキに
足掛けて
産まれたばかりは
力の限り自分の存在を泣き叫んでいたのに
今では
堪えることを覚え
流れない涙は
消えることなく
心の底に溜っていくのだろう
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歩いて知った 地面の固さ
転んで知った 前にしか進まないこと
限りを知った 与えられた時間
誰かが知った 誰かの存在
言葉を知った
なら誰かに伝えたいと思った