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和泉の部屋  〜 投稿順表示 〜


[26] おやすみ
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まやかしの月に潜むウサギは地上に降りてはこない
地上から見る夜空
黒に捕まりそうな闇
広く高い天井だから
息苦しくはない

足元に散らばる星は
空から降ってきた子たち

お家に帰してあげたいけれど

ごめんね
空には届かない

だから
部屋を暗くしてカーテンに飾ろう



夜の篭の中の三日月パン
あのベッドで眠りましょう

2006/06/30 (Fri)

[27] おはよう
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ふりだしに戻ったとしても
あの頃が帰ってくるわけじゃないことぐらい
知ってたよ

ないものねだり?
サイコロを何処になげても
1ばかり

モザイクがかった記憶
ピントが合わない映像
ボヤけた視界


寝起きは
瞼が重すぎる

2006/07/01 (Sat)

[28] 
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とがった手じゃ
君と握手出来ないね
君と繋がらないね

鋭利な言葉は
あなたを傷付けるだけね
私を嫌いになるでしょう?


攻撃じゃない
防御だった

自分を守る行為が
あの子を遠ざけるとは思わなかったの



目指したのは丸
柔らかな
温かな
全てを包み込む丸

2006/07/02 (Sun)

[29] リッスン
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口に広がる苦み
かさかさの唇から漏れる溜め息
ぼうっと
何かを見ているようで
見ていないようで
瞼を閉じれば
消えるはずの映像が
残像となって
そこにあって

唇を動かなきゃ
口を開(ひら)かなきゃ
聴こえないよ

君の声が
僕の声が

聴こえないね


溜め息ばかりが充満する部屋
空気は最悪

窓を開けて換気をしましょう

溜め息が消えたなら
君の声を聴くよ

空気を震わせて
空気を波打たせて


さあ
僕の声を聴いて

2006/07/02 (Sun)

[31] 空白の最終章
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仮定ばかりを繋げて
逃げ場を用意して

ラストなんて
まだ先だと
見え隠れする未来に
なに思うの

教科書に描かれたアート
持て余した時間を
黒で塗り潰して

輪の中の孤独
繋いだ手を離さないで


古びた教科書は
誰の目に触れることなく
本棚で今も眠っている


2006/07/03 (Mon)

[33] 
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たまにちらりと見えるそれは
あまり見たいものではなくて

見て見ぬフリを
演じ

心の中でそっと呟く私は
笑顔を振り撒いて

気付いてないよ
傷付いてないよ
自分に暗示をかける


見え隠れするそれは
私にも有り得ることなのだろうか



彼女の笑顔
まるで静止画のよう


2006/07/05 (Wed)

[34] 
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誕生日にプレゼントより
母の日にカーネーションより
あなたからの電話が


母は兄の贈り物よりも
兄の声が聞きたいと



兄と話す母の顔は笑みで溢れ
“優しい母”の顔なのです


プレゼントよりも
カーネーションよりも
「元気?」の一言でも

2006/07/06 (Thu)

[35] ビニール傘
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素手で触れてしまったなら
傷付けてしまいますか

一定の距離が眼について
並ばないように足の速度を落とし
さらけ出さずに
行けるところなんてどれくらいあるのでしょう


何かを恐れ
足元ばかり見て
雨が止んだことにすら

気付けないなんて


2006/07/06 (Thu)

[36] 蚊取線香花火
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渦巻いていた私の中のもやもやが
誰が付けたか分からない火で

ぽとり と
静かに消えてゆく


あなたが
私から離れていったのは

この渦のせいなのだろうか

2006/07/07 (Fri)

[37] アイ
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瞳は僕を捕えているなんて
とんだ勘違い


わし掴まないで
心臓 痛みます
リズムを崩し
不安定です


その鋭さは
僕を呼吸困難にし

赤い頬も
暑さのせいにする


声が響くたび
比例して
高鳴るのは何ですか



瞳が僕を捕えているなんて
とんだ自惚れ


溢れるは
塩味スマイル


2006/07/08 (Sat)
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