詩人:和泉 | [投票][編集] |
枯れ切った声は
涙で潤うこともなく
手を伸ばすより
口許を耳に寄せるほうが
困難で
こんな広い世界で
あたしの声はどこまでゆくの
それでも
言葉を知った瞬間から
愛せずにはいられなかったのよ
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バランスを保つのに必死で
前を見ていなかったね
空の機嫌が悪いなんて
気付きもしなかったよ
キミが泣くまでは
水溜まりの前で
躊躇うのは
上手く跳び超えられるか
不安になるからだろう?
そうこうしてるうちに
水溜まりは大きくなっていくよ
あの時だったら
跳び越えられたかも知れないのにね
きっと
みんながみんな
線の上を歩いて行く
落ちないために
誰かの手を借りたり
両手を広げて
歩いて行くんだね
誰かと一緒に歩いて行くなら
頼りなかった線も
太く太く
未来まで続いていく気がするよ
詩人:和泉 | [投票][編集] |
標識に溺れる街は
まるで迷い子を誘うよう
地図は平面なのに
地球は丸で
世界はでこぼこ
行き止まれば引き返せるのに
道は道に続く
この世が迷路なら
道理で
迷うわけだ
詩人:和泉 | [投票][編集] |
重なれば
上手くなる嘘も
今はそれなしじゃ
歩けていけなくて
いつからか
秘密が芽生え
真実だけでは
保てないバランスが
あるからアンバランスなのか
嘘を重ねるも
真実を芽吹くも
どちらかだけでは苦しくて
詩人:和泉 | [投票][編集] |
生きるに比例して
上達する嘘は
¨真ん中¨で音を立てる
嘘が嘘とぶつかり
存在を唄う
嘘の形は忘れても
歩く度に¨真ん中¨で鳴る
からんころん と
そうして気付き
そうして傷付く
嘘が嘘を呼ぶことに
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少し臆病になって
噤んだ嘴(くちばし)も
突っ付いて誰かを傷付けたいわけでなく
ただ
泣き声でも笑い声でも
鳴き叫びたかっただけ
噤んだ嘴は
傷付けたいわけでなく
口付けたかっただけ
愛も怒りも喜びも全てを
言葉を芽吹こう
勇気も覚悟もありったけ
詰め込んで