秒の積み重ね
時には罪重ね

時間(とき)に比例した心音

一秒は知れるのに
一生を知るには遥かな道程


秒針さえ
鼓動に聞こえる

封筒から
ぱらぱらと
言葉が降る

それらは
港に辿り着けずに
舟の上


きらきらと
希望を反射させる水面に
言葉を泳がせよう

船上よりも
戦場よりも

風上を漂うほうがいい

出口がない
なら入口もない

そんな迷路
ありえない


その未知に足を踏み入れたなら
出口は何処かで待っている

赤の点滅は
危険のシンボル
その怪しげな光の中の虫は


危険の蜜を欲したのか
赤に捕われたのか

風化を求めたのでなく
ただただ永遠を願っただけ

永遠はない
延々と泣く
未知に溢れ
満ち足りず


風化を求めたのでない
ただ永遠という言葉の意味を知っただけ

歩いて知った 地面の固さ
転んで知った 前にしか進まないこと
限りを知った 与えられた時間
誰かが知った 誰かの存在


言葉を知った
なら誰かに伝えたいと思った

いつだって
感情のコントロールのブレーキに
足掛けて

産まれたばかりは
力の限り自分の存在を泣き叫んでいたのに

今では
堪えることを覚え


流れない涙は
消えることなく
心の底に溜っていくのだろう

痛みがなければ
傷に気付かない

だから傷付けたことに気付けず
気付いた時にやっと痛みが顔を出す


己の傷より
人の傷のほうが
はるかに痛い

光の中の闇より
闇の中の光のほうが

きっと探しやすい







(好きな人の悪いところより
嫌いな人の良いところのほうが
きっと知りやすい)

いつだって
行き着く場所は
ここなのだ