詩人:和泉 | [投票][編集] |
程良く
適当に
それができない不器用さがある
絵の具は原色オンリー
丁度良い具合いには薄めること
できなくて
筆で混ぜれば いつの間にか
パレットから色が消え
下書なんていらない
白のキャンバスは
期待に胸膨らませ
新たな世界を映し出す
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用意された椅子は
いつだって数が決まっていて
人間のほうが明らかに溢れ
あぶれたなら
眼をギラつかせ
余るのを待つ世界
まるで獲物を狙う獣のよう
テーブルの上
白と黒のバトル
多勢が有利な勝敗制
“ドロー”なんて用意されていない盤上
白と黒の間は
やっぱり白と黒なんだ
詩人:和泉 | [投票][編集] |
例えるなら
それは 水
両手で優しく包んでも
少しずつ
僕から離れて
瓶に閉じ込めたら
きっと呼吸困難で
消えてしまうかな
近視な僕に
遠くな君は
よく見えない
詩人:和泉 | [投票][編集] |
正の部分だけが
全てなら
ゼロを知らない
足し算の舞台には
いつの間にか負の顔も現れ
正と負が入り混じる中
導いた答えに丸をつけるのは誰だろう
割り切れたら気持ちが良いのは
誰でも知っている
だけど
それだけではないから
詩人:和泉 | [投票][編集] |
そう あれは
世界の時計が狂い始めた頃
“時”の意味について考える
“時”に支配され
“時”の籠に捕まり
与えられた“時”の
有効活用なんてありもせず
針を追いながら
秒針に耳を塞ぎたくなる
支配から逃れても
生まれるは戸惑いで
雑踏の中の混乱
ほら 今も
無情に進みゆく“時”に逆らいながらも
時計を探しては
“時”に触れる日々
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容易く解ける嘘を
必死に結び直すのは誰
重ねた蓋
真っ赤な果実を
どの箱にしまい込んだか闇の中
蓋を開け種明かしする勇気も行方不明
真っ赤な果実は
窮屈な部屋から飛び出すことを願うから
針が進む度に
どんな嘘も解ける
詩人:和泉 | [投票][編集] |
ステップ止めず
スキップすることなく
リターンなんて知らない
針音リズムは焦燥ダンス
一秒の感覚さえ
とうに置き忘れた
針が右往左往したって
焦り直すは人のみ
タイムリミットが数字でチラついても
うまく掴み取ることできなくて