ホーム > 詩人の部屋 > 和泉の部屋 > 新着順表示

和泉の部屋  〜 新着順表示 〜


[67] 十字架
詩人:和泉 [投票][編集]

小さな箱に
宿した想いは
窮屈を訴える

蓋を開けるのを躊躇うのは
溢れるからか

紙の箱から染み出す心
箱を崩そうと
壊れた蛇口のように

小さな箱を
大きな箱に隠しても
行き着くマスは
『ふりだしに戻る』

サイコロの代わりに
放り投げた箱は
転がりながら
展開図へと

2006/08/17 (Thu)

[66] 菓子箱
詩人:和泉 [投票][編集]

好きなものは最後のデザートに
嫌いなことから始めよう

一つしかないものは半分にして
大きいものは相手にへと


砕けたビスケットは
相変わらず美味しかった

2006/08/15 (Tue)

[65] 未知数
詩人:和泉 [投票][編集]

明日は必ず来るものだと
無意識な錯覚

絶対的保証は
どこにもないのに


2006/08/13 (Sun)

[64] グ・リップ
詩人:和泉 [投票][編集]

出会いに別れが付き物なら
それは少し寂しい

重ねることに時間を掛けた掌に
握ることがなくなるなら
涙を拭うしかないのだろうか



またの再会を願って交す約束は
大切にしまっておこう

2006/08/11 (Fri)

[63] たまご
詩人:和泉 [投票][編集]

固いようで脆い殻の奥にいる言葉

落として割れた破片は
人や言葉をも傷付ける刃へと

白い殻の中に眠る言葉を
温めるように抱き締める




そんなことはない
温まるのは僕のほうだ

2006/08/09 (Wed)

[62] 忘却カプセル
詩人:和泉 [投票][編集]

効きすぎる冷房に
心も冷え
消えゆく温度が
何故だか君を想わせる

時間と距離の掛け算で
出会えた答えはこの気持ち
名前は何て言ったかな


冷えた空間から飛び出し
暑い世界に引き戻される瞬間の
あのめまいは
何故だか君を想わせる

2006/08/06 (Sun)

[61] 笑顔休戦日
詩人:和泉 [投票][編集]

水分が減るのを
許して欲しい
カラカラになるまで

今だけは

2006/08/04 (Fri)

[60] ±
詩人:和泉 [投票][編集]

プラスとマイナスは
結局はいつも一緒にいて

ただ
プラスを見るか
マイナスを見るか

その人次第というわけで

2006/08/02 (Wed)

[59] ラスト・レター
詩人:和泉 [投票][編集]

出せず仕舞いの手紙

いつの間にか手から消えていて


お元気ですか で始まり

では また で終わる


またなんて
叶わない夢なのに

それは
離れた時間のせいなのだろうか


それでも
決って

最後を飾るのは

その言葉で

八十円切手も

いつを最後に

買わなくなったのだろう

宛先は

まだ覚えていて

眼を瞑ってでも書ける自信があることが

余計に悲しくて

もう使わないレターセットで

引き出しは閉まりきらなくて


出せず仕舞いの手紙を

探す勇気もないのです

2006/10/13 (Fri)

[58] 星屑
詩人:和泉 [投票][編集]

滑り落ちた言葉が
星のように地面に散らばり
たまに
拾う人もいれば
見て見ぬフリの人

落とした言葉を
自分で拾うことは
呼び掛けて相手が気付かなかったくらいの
空しさで

できるなら
落としましたよ と
相手が見つけてくれたなら
そう願うのは
自分でも嫌なのだけれど

2006/08/01 (Tue)
125件中 (71-80) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 13
- 詩人の部屋 -