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ナナエの部屋  〜 投稿順表示 〜


[107] つまり思いがけず起こった災難
詩人:ナナエ [投票][編集]

自分ひとりつまらなくて
部屋の隅っこで
いじいじいじいじ

なんだよみんな
遊びに行くなら僕も誘ってくれよ


なんということでしょう

僕はいつの間にか
みんなとはぐれてしまったようだ

違うんだ
ほんとはこうすることで
みんなにどうしたのって

声かけてもらえるんじゃないかって
そう考えた故の行動だったんだけどな


どこで間違った
どこから違った

いやいやこれは事故だから
事故だよこれは

みんな僕を置いて行かないで
違うよ
ただみんなと遊びたくて

ああ
意識が遠のくようで
こんなはずじゃなかったんだ
こんなのってないよ

僕はこんなの望んでないんだってば

2013/01/05 (Sat)

[108] 一番身近なコミュニケーションツール
詩人:ナナエ [投票][編集]

どんな
色黒さんでも
色白さんでも

猿でも誰でも
掌はみんな同じ色をしている気がする

それはきっと
誰にとっても何にとっても
掌の持つ役割は変わらないのかしら


だから

手と手が重なるのは
目と目が合うよりも刺激的で

だけど

手と手を取り合うのは
命を獲り合うよりも困難で

使い
にくくて
憎らしい

汚れてもなお
愛しいものを愛でようとする


なんてわかりずらい共通言語

2013/01/05 (Sat)

[109] 落下作戦
詩人:ナナエ [投票][編集]

まったくもう
お腹が痛いと言うと

大丈夫かと胃薬を持ってくる

お腹が痛いというのはね
笑いすぎたというか楽しすぎたというか

つまりその痛みじゃなくて
と言うと

正露丸ならあったはずと
タンスの一番上の引き出しをあさっている


ほら落ちた落ちた

今ぽろっておちたよ
使いかけの正露丸が


あーあ
墜ちた墜ちた

もう此処に墜落でいいや

どうせ
こうしてる間にも
どんどん腹痛が増してくる

可愛すぎて
幸せすぎて

準備は良い?

まーでも
墜ちるからには
ちゃんと受け止めてくれるよね

2013/01/05 (Sat)

[110] それが生きにくい要因
詩人:ナナエ [投票][編集]

どんなに
自分の考えを持って
相手に向き合ったとしても

その瞬間
決意は脆くも崩れ去る


それは
恋愛においても
仕事においても

変わる事はない


どんな時でも自分を貫き通す
一人称ではできるが

二人称では不可能となる


三人称では
埋もれることを望んでる


自分だけが知ってる
自分の決意なんて

他人に伝わらなければ
無いと同じ


相手に伝えて初めて
それは私の決意となる

2012/08/20 (Mon)

[111] 春夏夏秋冬冬冬
詩人:ナナエ [投票][編集]

かなしいことだ

近頃は
秋が短い

そう思わんかね

暑さが和らぎ涼しくなったと思ったら
瞬く間に
木枯らしが吹き始める


ああ
きっとこの猛暑も
あと1か月は続くのだろう

そういえば
春も短かった

この地では
1年の半分は寒いし

やっと
暖かくなったと思ったら
それはすぐに暑さへと変わってしまった


暑いか寒いか
それしかないな

暖かいも涼しいも
どんどん肩身が狭くなる

その曖昧さが
唯一無二
この国の美しさだと思っていたが



そんな中途半端はいらないって
言われているようだ

それはきっと
季節に限らず

人に限らず

2012/08/20 (Mon)

[113] 限界突破
詩人:ナナエ [投票][編集]

ことごとく暑い
燃えるほど熱い
激しさは増すばかり

そして
僕の気分は
どんどん堕ちていく一方だ

君のように
熱さにあてられて

ヒャッハー

なんて気分にはどうもなれない

ただただ
口数が減り
肌がじりじりと照らされるかわりに

顔には影ができる

汗がこぼれると同時に
僕の命が搾り取られている様


もう少し
涼しくなってもらえないと
僕は立ち直れない
再び元気になれない


君はこの夏
若くなった

僕はこの夏
歳をとった

このアツさがまだ続くなら

君は
これからひたすら昇天し続けるのか

僕は
これからどんどん落ちて行くようだ

2012/08/28 (Tue)

[114] 本を詠む
詩人:ナナエ [投票][編集]

本の中の主人公が
とても綺麗で愛しくて

一緒に泣いた


作りものだとわかっていても
その物語を
言葉で感じ
心で感じて

流れる涙は
まぎれもなく本物だった


目の前で語られる
造られた言い訳や嘘には
同情すら抱かないのにな


フィクションで産み出された
ノンフィクションの感情なんて

現実では考え難い
矛盾の産物

人間はこんなにも
騙されやすく脆いこと

思い知らされているようだ


それでも
本を読むことを止めないのは

信じようと思える人間が
崩れても立ち直れる自分が

きっと存在すると
知っているから

なんだろうか

2012/09/01 (Sat)

[115] キラキラ
詩人:ナナエ [投票][編集]

現実がこの手を引いて
在るべき未来へ連れていく

過去はその行く手を遮るように
忘れないで
と泣いている

思い出が背景のように
周りを取り囲み

幼い私がキラキラ笑っている

大人になんてなりたくない
独りで一人前なんて
そんなもの欲しくない

しかし
どんなに泣いて喚いて暴れても
現実はこの手を離してくれない

過ぎていく
背景は残像も残らず
消えていく

涙も叫びも感情も
現実の前では意味を成さず

ただひたすら死んでいく

時の流れには逆らえず
時の流れを止めることは叶わず

こんなにも無意味なら
諦めよう


そう呟いて顔をあげたら
見えない私が
キラキラと笑った

2012/12/17 (Mon)

[116] やみ
詩人:ナナエ [投票][編集]

時々
自分に降りかかる現実を
他人事のように
笑っている時がある


おいおい
そりゃないぜ

あはははは


心の底から
腹を抱えて笑えるほど

現実は滑稽で
その汚さが面白い


人間
綺麗なものを見て笑う奴はいないだろう?

きっと綺麗なものを見て笑う奴は
己こそが笑われるべきであることに
気付けない
可哀想な人間なのさ



だから笑ってやるんだよ


傍から見たら
現実逃避そのものだが


どうにも受け入れがたいこの現実を
こんなの可笑しいって
ゲラゲラと

そうじゃないと
今にも
事故ってしまいそうだ

あるまじき未来へ

取り返しのつかない方向へ
戻れない明日へ

ガードレールを
突き破り

崖の下の暗い底まで
落ちて行ってしまいそうだ


そんなの可哀想だろう?

あはははは

2012/12/17 (Mon)

[117] それはすべての原動力
詩人:ナナエ [投票][編集]

持つべきものは何か

持つべきものは
裏切らない親友か

それとも
愛してくれる恋人か

持つべきものは
己を犠牲にしてまでも
家族を守る
優しい父ちゃんか

それとも
己の腕がもげても
我が子だけは守り抜く
勇ましい母ちゃんか


いやいや

持つべきものは自分です

みんなに裏切られて
誰にも愛されなくても

自分さえ持っていれば良い

自分を犠牲にして
守ったものなんて

中身がない
空っぽの宝箱と同じ
価値などない
ただの有機物

持つべきものは

他でもない
自分自身なんだ




2012/10/30 (Tue)
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