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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[92] よかった
詩人:さみだれ [投票][編集]

なぁ世界は美しいか
そこから見える景色は素晴らしいか
抱えてる不安吹っ飛ぶくらい
ドキドキしてるか
相変わらず死にすがり付いて
かっこわるい詩ばっか書いてるけど
相変わらずお前のことばっか考えて
ぼんやり生きてるけど
そこから見える世界がさ
お前にとって眩しいくらい
手に取るのももったいないくらい
綺麗なもんだったら
なんとなくそれで満足なんだよ
いてくれたら本当は嬉しいけど
たぶん一生忘れないよ
死ぬ間際まで忘れないよ
あの約束はそういうことだって思う
ずっと一緒にいるってそういうことだと思う
詩書くよ
お前のことももっとたくさん書くよ
また夢で会えることがあったら
今度はこっちから言うよ
言いたいこと本当はたくさんあるけど

よかった
世界は美しい
素晴らしい
ドキドキして
嬉しい
よかった
なんとなくよかった

2011/05/19 (Thu)

[93] 夕日の追憶
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錆びた鉄のぎこちない音

沈む日の紫

ロケットは飛んでいき

スコップは地上に残った

遠くには外灯と

大小二つの影

錆びた鉄の冷たい感触

沈む日の世界

カレーの匂いと

カラスの鳴き声

雲の上にのぼった時間も

思いでになってしまった

錆びた鉄のつんとした匂い

沈む日の反対側

帰らなくちゃ

はやく、帰らなくちゃ


2011/05/20 (Fri)

[94] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

夢を見る
つまらない世界
あなたなら
何と呼ぶだろう
ソファに座り
夢を見る
羽が生えることも
法が変わることもない
楽しいのは
心だけ
苦しいともがくのは
心も同じ

夢を見る
くだらない関係
あなたなら
何と呼ぶだろう
服を着ることを覚えて
背筋を伸ばすようになって
心は窮屈になる
誰も見えていないのに
夢を見る
まとまりのないそれ
あなたとなら
意味をもつだろう
心は見る
知られないのをいいことに
真実も虚構も
ごちゃ混ぜにして
心は知る
思想や感情の類い
夢を見る
つまらない世界
あなたとは
見られないもの
あなたとなら
感じあえるもの
生えたばかりの羽を
まだ舐めているんだろう
夢の中で

2011/05/21 (Sat)

[95] テクニシャン
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一体誰の詩を真似ているんだろう
一体誰の言葉を使っているんだろう
一体誰の表現を模しているんだろう
一体誰の個性をものにしたんだろう

ひどい有り様
自分ではないと言いたいのだろう
苦しい言い訳
都合のいい偶然は必然である可能性
神様のありがたい言葉でも聞いたのだろう
それとも誰かの言葉?
わからない知らない
気のせいじゃない?
カビの生えた言葉に
ビーズを散らして飾る
うまいもんだな
いいセンスしてる

2011/05/21 (Sat)

[96] 太陽の時間
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思うことでなんだか嬉しくなる
だからいつだって近くにいるようで
目を閉じても触れられる
ぬくもりだってちゃんとある
だからどこにいたってそばにいるようで
さみしくもないんだ

何でもないことでなんだか照れたりする
だから何をしていたってドキドキして
浮いたような気持ちになる
声だってちゃんと聞こえてる
だからいつだって近くにいるようで
信じられるんだ

思うことでなんだか嬉しくなる
だから今だって近くにいるようで
目を閉じても触れられる
手を繋いで笑いあって
約束をして眠りにつく
どんなときだってそばにいるようで
だからいつだってさみしくもなくて
信じられるんだ

2011/05/22 (Sun)

[97] 宇宙へようこそ
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思わぬところに現れた
ブラックホールに吸い込まれ
電波で届く君の声も
パタンと途切れてしまった

明くる日ベッドはもぬけの殻で
ガスが部屋を満たしてる
光が届いた君の光が
ほこりまみれの白い光が

言わずと知れた超巨星
自分の力を抑えられず
消えてしまう消えてしまうよ
光もなく音もなく

はしたない君の衛星
軌道はすでに決めてある
目指すはハロー
バルジでは会えないわ
そんな言伝ての光が届いた
それから何億年経ってんだろう
何万年ならまだ安心する
何年なら茶でも飲んでから
行くとするよ

2011/05/23 (Mon)

[98] 相合い傘
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手をとることも忘れて
かみ合わない話をして
それでもひとつの傘で
二人は歩いてる
いくつ年を取っても
話をすることもなくなっても
それでもひとつの傘で
二人は歩いてる
どっちの肩も濡れないように
身を寄せて歩いてる
行き先は二人でひとつ
時間がかかっても歩いてる

安いビニール傘だって
いかしたブーツだって
スーパーの買い物袋だって
全部ひとつで
二人は歩いてる
どっちの肩も濡れないように
二人は身を寄せて

2011/05/23 (Mon)

[99] 月影に添う
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幸せって
きっと人が何かを思えることなんだろうな
価値って
きっと一人じゃないとわかったときに確かなんだろうな
たぶんそれは自分だけの答えで
他人のマスには入らないだろうな

騙すことも傷つけることも
覚えたことに後悔はない
さみしい気持ちも悲しい涙も
感じたことはラッキーだった
たぶんそれは自分だけの思いで
他人の思いはもっと別な感じなんだろう

優しさって
誰かがいて初めて役に立つものだろう
喜びって
誰かがいなきゃつまらないものになるだろう
つらいって
人が何かを思いすぎたことだろう
幸せって
人が何かを思えることだろう

そう怖くない
怖くなんかないよ

2011/05/24 (Tue)

[100] 綺麗事
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夢の中では伝わらないこと
現実には感じられないこと
幻にあって、実体にないもの
人はいつだって一方を見落とす
だからこそ一方を真剣に愛する

瞬きすればわかる
過去が未来になったこと
声を出せばわかる
自分も他人もそこにいること
でも何もなければ
何も変わらなければ
息をしてることが
奇跡のように思えてしまう

そばにいなければ感じられないこと
遠くにいなければ信じ合えないこと
君にだって、できることはあるだろう
人はそうやって世界を覚えて
何かがあればこそ真剣に向き合える

2011/05/25 (Wed)

[101] 自殺志願者
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優しさのない
この心は誰のために
役に立たない
この身は何のために
怒らせて
傷つけて
殺した
この心はどうしてあるの?
この身はいつまであるの?

君は嫌いだっただろう
優しさのない、この心
君は好きじゃなかった
鋭く尖った、この手
逃げても
突き放しても
殺されても
この心はあり続けるのかな

生きている意味がわからない人を叱りつける
本当は死にたい僕の心が

死ぬことを論じた
優しさのない、この心は
生きていることを素晴らしいと言った
役に立たない、この身は
本当は死にたがってる
いつだって死にたがってる
この心は

2011/05/25 (Wed)
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