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中村真生子の部屋  〜 投稿順表示 〜


[131] 月遅れのちまき
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月遅れの端午の節句。

子どもたちとちまきを作る。

粉に少しずつ水を加えて

混ぜてよくこねて

小さな手や

大きな手で丸めて

竹の串を差して笹で包む。

大きな鍋でゆでて

アツアツを

砂糖じょうゆでいただく。

今年もまた

子どもたちと作った

ちまきをいただく幸せ。


2012/06/11 (Mon)

[132] ゆすらうめ
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裏庭の

緑の葉陰。

真っ赤に実った

ゆすらうめ。

遠い昔

畑の隅っこ。

そっと口に入れた

ゆすらうめ。

甘酸っぱい

思い出のごとき

ゆすらうめ。

2012/06/12 (Tue)

[133] 葉葉葉
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木はいつも笑っている。

ハハハって。

どんな木も笑っている

ハハハって。

木はいつも笑っている。

そよ風の日は小さな声で。

大風の日は大笑い。

ハハハって。

風のない日も笑ってる。

木は誰にも笑ってくれる。

ハハハって。

そうして木は癒してくれる。

佇む人を喜びで包んで…。


2012/06/13 (Wed)

[134] 海辺のホテルにて
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波のうねりと潮騒の音。

母なる海から

生き物は生まれ

母の海から

人は生まれ…。

波のうねりと潮騒の音。

母と泊りし

海辺のホテルにて

子守唄のように

海は囁く。

過ぎ去りし日の思い出を…。

体を流れる血潮となって…。



2012/06/14 (Thu)

[135] 青紅葉
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水鉢の水面に
青紅葉の陰が揺れ
溢れ出る水とともに
流れるゆく時の
絹布のごとき肌触り。
ともに坐する人が
君なれば…。

2012/06/15 (Fri)

[136] 器の中の夏
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葛アンがかかった

見た目も爽やかな

茶碗蒸しの具は

黄色い銀杏でもなく

白い百合根でもなく

赤い梅干し。

茶碗蒸しも

夏のしつらえ。

優しさの中の

酸っぱさが心地よく…。

その心遣いも

ありがたく…。



2012/06/16 (Sat)

[137] 蛍の光と涙と星と…
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蛍を初めて見た

あの子は泣いた。

「こんなにきれいなものを

見たことなかった」と。

その涙を見て

大人の目にも涙が光る。

空の上では星がキラリ。

真っ暗な山間に

蛍の光と涙と星と…。

もう空と地の

境もなく…。


2012/06/17 (Sun)

[138] 小さなマジック
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置きっぱなしの椅子と

咲き始めた白いアジサイの間の

小さな隙間に

こぼれ種で芽吹いた

ゼニアオイが

赤紫色の花をつけていた。

遅れて咲いて

小さな茎に

小さな花一つ。

けれど

なんだか誇らしそうで

なんだかこちらも嬉しくなった。

今日もどんより梅雨曇り。

けれど

パーッと心に陽が差した。

庭が時々見せてくれる

小さなマジック。


2012/06/18 (Mon)

[139] 雨の贈り物
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大地に染み込む

雨のごとく

友の優しさが

染み込んでいく。

雨がもたらしてくれた

ありがたい贈り物。

そんなふうに

優しさをもらって

生きていることを

これから時々

思い出すのだろう。

今日のような

降りしきる雨の日には…。



忘れまじき。



2012/06/19 (Tue)

[140] とある感情
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その時
とある感情が
心の底から湧き上がる。
その湧き上がった感情が
覆っていた垣根を
一つ取り除く。
その様に
自らがたくさんの垣根を
作っていたことを気づかされる。
画期的な発見!
だからといって
すべて取り除けるはずはなく
再びぐるぐると歩き出す。
けれどほんの少し明るくなって…。
雲の切れた梅雨空のように…。

2012/06/20 (Wed)
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