詩人:中村真生子 | [投票][編集] |
扇風機の羽音と風
蚊取り線香のニオイ
シーツとタオルケットの感触
蚊にかまれた皮膚のかゆみ
関節の汗ばみ…。
2012年の夏の夜
今、ここに
確かに私はいる。
1万年の昔、鹿児島の森に
彼が確かにいたように
1千年昔、出雲の大地に
彼女が確かにいたように。
今、ここに
確かに私にいる。
地球という
同じ揺りかごの中に…。
その奇跡が夜の静寂に甦る。
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風呂上りに
灯を消して窓を開ける。
隣家の灯
公園のLEDライト
天井のあまたの星…。
ほの暗い部屋に
寄せる波のように
時折、すうっと吹き込む
心地よい風。
わずかに秋の匂いを
漂わせながら…。
冷やしたルイボスティーは
ほんのり甘く…。
時の過ぎていく音が聞こえそうな
夏の夜。
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カナカナカナ…
小雨のごとく
森に響くヒグラシの声。
尾根に立つと
眼下に町と海とが広がり
草に覆われた墳丘墓が
沈みかけた陽に赤く染まる。
東西に2q、南北に1.7q
面積170ヘクタール
勾玉の形をした
日本最大級の弥生の森
妻木晩田遺跡。
紀元前1世紀(弥生時代)から
3世紀半ば(古墳時代)頃の
住居跡や墳丘墓、古墳などが集う。
スサノオ命や卑弥呼などの
活躍した時代だ。
どこからともなく現れたキツネが
人の姿に一瞬立ち止まり
跳ねながら森に帰っていく。
カナカナカナカナ…
辺りは次第に翳りを帯び
夕立のごとく
森に響くヒグラシの声…。
*7月・8月は午後7時まで開園。
8月1日〜15日は午後7時30分まで開園。
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畑に住んでいたときは
どんなに暑くても
どんなに太陽に照らされても
汗なんかかかず
たくましく佇んでいたトマトくん。
ある日
故郷の畑を離れ
町にやってきた。
ほっぺは赤いままだけど
今ではすっかりシティーボーイ。
冷蔵庫から出した途端
ほら、もうびっしり汗をかいている。
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彼女は想いを言葉にした。
ポトリと…。
彼女の胸から放たれた想いは
水面に円を描くように
人々の心に広がった。
やがて
彼女の想いは
いつの間にか
みんなの想いとなった。
そして、その日がやってきた。
確かな、大きな形となって
その思いが届けられる日が…。
今日、「届けビト」によって…。
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夏になると
決まって顔がチカチカしていた。
ナチュラル系の化粧水を使っても
そうだったので
体質だと思っていた。
夏が過ぎると収まるので
我慢するしかないと思っていた。
ところが今年の夏は
途中でバッタリそれがなくなった。
思い当たることと言えば
漢方系の化粧水(ノンアルコール)に変えたこと。
さっぱりしすぎだったので
どうかと思っていたが
あの嫌なチカチカが収まっている。
気づかないうちに
自らが作っている良くない体質も
多いに違いない。
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壮絶な独立運動ののち
2002年にインドネシアから
独立した東ティモール。
その過程で
3人に1人が命を落としたという。
テレビをつけると
ロンドンオリンピックの入場行進。
東ティモールの選手がやってきた。
2000年のシドニー大会では
個人参加という形で
2004年のアテネ大会から
国として参加した。
このオリンピックにはマラソン選手が
男女各1名参加する。
彼らはオリンピックが
何より平和の祭典であることを
感じてやまないことだろう。
そしてそれを私たちに伝えてくれる。
晴れやかな笑顔とともに…。
彼らの胸には
もうメダルがかかっている。
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きみのいった空は
今日も青く澄み…。
今頃きみは
出会っているのだろうか
先にいった彼に。
「やっと見つけたよ」と言いながら…。
都会の片隅で彼を見つけた
あの日のように…。
そして二人でビールでも
飲んでいるのだろうか。
青い空のバーで。
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風がやみ
太陽がジリジリと焼きつける。
今日も終日晴れマーク。
この先、雨の予定はない。
夏たけなわ。
食卓には毎日
キュウリとピーマンとトマトと…。
窓の外では
子どもたちのはしゃぐ声…。
けれど
秋の気配が忍び寄ってくる。
短くなった日や
朝のひんやりした空気や
木漏れ日の陰影に混じって…。
夕べ海辺を歩けば
草むらではもう虫たちが鳴いていた。
明日から8月。