詩人:カナリア | [投票][編集] |
いつしか貴方を
貴方様を
それはそれは
愛おしく思うようになりました
あれは夏の終わり
蝉達が
もう少し生きたい
と唄っておりました
それと同調する
懐かしいメロディが
耳の奥で響いているのです
消して調和はしない
言魂ですが
彼等の叫びに掻き消される様に
私はいつしか
死にゆきたいと
唄っていたのでございます
貴方を
貴方様を
愛おしいと想うがあまりに…
夏の終わりの
切なさに
胸がはち切れそうなのでございます
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どうしようもなく
悲しくなった
生きる事に怯え
死ぬ事に怖じけづく
何処か誇らしげな
尻尾の長い生き物に
通り過がり
鼻先で笑われ
『独りが恐いのか?』
と…後ろ脚で蹴られた
恐
い
よ
・
・
声さえ出ず
涙さえ溢れず
行き場さえも失い
残ったのは
名前が解らない
この感情
無情にも
月明かりに照らされ
皮肉にも
キラキラキラキラ
輝いて見えて
悲しみという奥底の
美しさに触れた気がした
今夜は丸くなって寝よう
寒くないように
寒くないように
悲しみを抱いて
明日が来るのを
待ってみよう
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泣いてもいいんだよ
泣いてもいいんだよ
だけどね
涙は出てきてくれなくて
泣いてもいいんだよ
泣いてもいいのに…
出てきてくれない
涙の理由は
“まだ頑張れ”って事なのかな?
泣きたいのに
泣けなくて
…もう
ちょっと頑張れそうに
ないのにな
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冷たい風が懐かしさ連れてきて
ふっと寂しさで心
埋めつくされたりして
だけどねぇ?
言葉じゃ言い表せないこのポツンとした感情は
誰に伝えればいいの?
悲しみの涙じゃないけど
何処からか
溢れて溢れて…
人は温かいの?
何が嫌な訳じゃないの?
そう
ただ寂しいの
金木犀の香りが懐かしさ連れてきて
ポツンとした理由のない寂しさは
誰に伝えればいいの?
誰に伝えればいいの?
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一日は終わり
また明日は訪れて
あぁ、アレもやれば良かったコレもやれば良かったなんて思っても
結局明日はエンドレス
同じ事の繰り返し
今日を精一杯生きたと
胸張って言える人間は
この世界にどれだけいるのだろう
不様でもいいからもっと夢中に生きれば良かったよ
明日がある保障なんて何処にもなかったんだ
今には今という時間しかないんだって
知っていても
わかっちゃいても
エンドレス
エンドレス
きっと明日も同じ事を思いながら寝るのだろう
きっと明日も後悔するのだろう
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人生と言う名の旅の途中
胸を焦がす様な恋をして
眠れぬ夜を過ごしました
現実と言う名の場所に
夢と言う希望を見つけ
必死になってもがきました
その中で
自分の弱さに出会った時
惨め過ぎる程の
滑稽な自分に
あぁ
私はどれだけ
涙を流したでしょうか
けれど
弱さを悟られぬ様にと
弱さを隠す事は
“強さ”でしょうか?
弱さに出会った時
私は同時に
それを受け入れる
強さにも出会ったのです
眠れぬ夜はまた訪れるでしょう
必死になってもがくでしょう
けれど
受け入れる事
強がりはもう要らない
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冬の、この、感じ好き。
夕暮れでも、夜でもない。
この、オレンジと、限りなく黒に近い、濃紺。
まるで、一つ違う空間に、迷い込んだかの様な、異次元。
寒さに身を震わせながら、時が止まったかの様な、錯覚に陥る。
雲はあっても良し。
星はあっても良し。
交わりそうで交わらない。この、空の色が好き。
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出来る事なら
この世界に平和を…
所詮
無理なんだって
諦めた私は
あの武器を持った
兵士と
何等変わりない
日本に生まれて良かった
なんて
他人事
たった一つの
まぁるい地球なのにね
地球の裏側の人とは
手も繋げない
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もし、一度
いま一度
この足
自由になるのだとしたら
迷わず貴方に会いに
走るのに…
今はただ
ここに、ただ
仰向いて寝そべるだけで…
もっと生きたいよ。
…なんて
今になるまで
気付きもしなかったのに
雨が空から零れて
それはそれは
泣いている…
みたいでした。
泣いているみたいでした。