詩人:カナリア | [投票][編集] |
ジンジャーエール
あの夏ただの泡ブクとなって流れ落ちた
何ともまぁ
甘ったるい液体
あんなジンジャーエールってあるやろ?あれ飲みたいねん
じんじゃえ〜る?なんや神社の神様やけ?
…おぉそなもんや
あの夏
ばぁば騙して
手に入れたちぃちゃな缶
まるで宝石を握りしめるかの如く
誰にも見つからない様
走り込んだ茂みの中
プッシュワワワ-…
あれから幾年
渇いた喉が張り付いたように
ばぁばは
神社え〜るの神様に連れて逝かれよった
あの夏
ただの泡ブクとなって流れ落ちた
甘ったるい液体は
指に絡み付いて
一つ涙を落とす
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花が咲きました
それはそれは
美しい大輪の花でしたのでひとつ
大きな鉢に植え替えようと黒い土から
掘りあげたところ
美しい大輪の花は
それはそれは
たくさんの根に支えられており
その根
新しい鉢へと
その身を委ねた
後もまた
黒い土の中
姿は見えずとも
水を吸い上げ
姿は見えずとも
愛、変わらず
美しい大輪の花を
支えているのでした
花を美しいと
感じた分だけ
根をも美しいと…
私は自分の足元を見つめるのです
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貴方の腹の中に
小さなポリープが見つかりました
貴方の大きな体に比べたらそれはそれは
小さなポリープでしたからまさか貴方の体を
食いちぎる程に
大きくなるなんて
思ってもみなかったのです
寒い冬が胸を切り裂く
二つの結婚指輪を
薬指にはめてみては
大きさが共わない金属が
カチカチ音鳴らして
俯く私を叱りつけるかのような
泣く私におどけて見せるかのような…
貴方が生涯愛し続けた
妻の元に
貴方が無事たどり着き
また二人
“やっと会えた”と
抱きしめあっているかのように
私の指に絡み付くのです
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もし、一度
いま一度
この足
自由になるのだとしたら
迷わず貴方に会いに
走るのに…
今はただ
ここに、ただ
仰向いて寝そべるだけで…
もっと生きたいよ。
…なんて
今になるまで
気付きもしなかったのに
雨が空から零れて
それはそれは
泣いている…
みたいでした。
泣いているみたいでした。
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出来る事なら
この世界に平和を…
所詮
無理なんだって
諦めた私は
あの武器を持った
兵士と
何等変わりない
日本に生まれて良かった
なんて
他人事
たった一つの
まぁるい地球なのにね
地球の裏側の人とは
手も繋げない
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冬の、この、感じ好き。
夕暮れでも、夜でもない。
この、オレンジと、限りなく黒に近い、濃紺。
まるで、一つ違う空間に、迷い込んだかの様な、異次元。
寒さに身を震わせながら、時が止まったかの様な、錯覚に陥る。
雲はあっても良し。
星はあっても良し。
交わりそうで交わらない。この、空の色が好き。
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人生と言う名の旅の途中
胸を焦がす様な恋をして
眠れぬ夜を過ごしました
現実と言う名の場所に
夢と言う希望を見つけ
必死になってもがきました
その中で
自分の弱さに出会った時
惨め過ぎる程の
滑稽な自分に
あぁ
私はどれだけ
涙を流したでしょうか
けれど
弱さを悟られぬ様にと
弱さを隠す事は
“強さ”でしょうか?
弱さに出会った時
私は同時に
それを受け入れる
強さにも出会ったのです
眠れぬ夜はまた訪れるでしょう
必死になってもがくでしょう
けれど
受け入れる事
強がりはもう要らない
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一日は終わり
また明日は訪れて
あぁ、アレもやれば良かったコレもやれば良かったなんて思っても
結局明日はエンドレス
同じ事の繰り返し
今日を精一杯生きたと
胸張って言える人間は
この世界にどれだけいるのだろう
不様でもいいからもっと夢中に生きれば良かったよ
明日がある保障なんて何処にもなかったんだ
今には今という時間しかないんだって
知っていても
わかっちゃいても
エンドレス
エンドレス
きっと明日も同じ事を思いながら寝るのだろう
きっと明日も後悔するのだろう
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冷たい風が懐かしさ連れてきて
ふっと寂しさで心
埋めつくされたりして
だけどねぇ?
言葉じゃ言い表せないこのポツンとした感情は
誰に伝えればいいの?
悲しみの涙じゃないけど
何処からか
溢れて溢れて…
人は温かいの?
何が嫌な訳じゃないの?
そう
ただ寂しいの
金木犀の香りが懐かしさ連れてきて
ポツンとした理由のない寂しさは
誰に伝えればいいの?
誰に伝えればいいの?
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泣いてもいいんだよ
泣いてもいいんだよ
だけどね
涙は出てきてくれなくて
泣いてもいいんだよ
泣いてもいいのに…
出てきてくれない
涙の理由は
“まだ頑張れ”って事なのかな?
泣きたいのに
泣けなくて
…もう
ちょっと頑張れそうに
ないのにな