詩人:老女と口紅。 | [投票][編集] |
黙って見てたの
好きだから‥
つき日
重ねる程に
増す想い‥
素直になれたわ
あなたを見てると
溢れる想いが
涙を誘うの‥
星に願いを
月には想いを
辛くて
重いから
聞いてもらったの‥
もぉ 片思い
持ち歩いて
ゆけないから
置いてゆくの ここに‥
でも
笑みも
こぼれるの
片思いの
思い出なんて
綺麗すぎるから‥
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泣くなよ
これ
あげるから
うつむく瞳に
青空あげる
乾いたお口に
潤いあげる
冷たい両手には
僕の手‥ あげる
だから
ね、
少し
歩こうか‥
ごめんね
わるかった
僕には
君だけだから‥…
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木漏れ日に
つつまれて二人
六月の風は
四つ葉をゆらす
うつむいた
麦わら帽子
彼の手が
髪たぐりよせ
君の瞳には
私がいたの
かかとが大地を離せば
音と光は息を飲み
時と風は歩みをとめた
私の唇はゆっくりと
甘く切なく濡れてゆく
震えた吐息‥
この身と共に
しなやかに流されて
広い胸へと
沈みゆき
こぼすことなく
あますことなく
つつまれて
つつまれて私‥
時よ
お願い
もぅ
少しだけ
このままで
いたいの‥…
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若い夫婦が種まいて
二人は
体操座りで
じっと見つめる‥
水やってまた
体操座りでじっと見る
綺麗な花
咲かせよと
体操座りで
じっと見つめる‥
やがて
可愛い芽を出し大喜び!
あ!口がついてた
せっせ
せっせと
エサをやる
やがて
手が生え
足が生え
悪さ一杯 しほうだい
それでも
夫婦ニコニコ世話をする
それからこいつは
知恵がつき
言いたい放題
やりたい放題!
それでも
夫婦ニコニコ世話をする
一人前に
花 咲かせるまではと
夫婦ニコニコ世話をする
やがて夫婦も年老いて
花見もできず年老いて
本人は
いつまでたっても
ボンクラで
とうへん木と
ののしられても
そんなことは
お構いなしで
まいた種、
育ってみれば
唐変木へと
まっしぐら!
ありがたきかなは
親心‥
そんなことは
分かっちゃいるけど
人生に
綺麗な花を
いつ咲かせるの?
ほんと
今だに
とうへん 僕‥
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この世が嫌になったら
創ればいいのさ‥
腐った家庭に生まれて
歪んだ社会で育ち
虫けらの様に
死んでいくのなら
今を変えるんだ
そうさ
現実逃避さ
バーチャな
世界はいいもんさ
世界の中心となれ
ここが出発点なら
地の果てもここなんだ
必要な物は
ここにある
この 四畳半の
指令塔にね
ふんぞり返って
パソコンにスナック菓子
熱い
コーヒーさえあれば
創れるのさ‥
俺にとっての
理想的な社会‥
がね
失敗したらまた
創り直せるんだ
な、
便利なもんさ
パソコンってのは
俺は
俺の世界が完成するまで
おとなしくしてるんだ
お外に出りゃ
うつむいて
はじっこ
歩くんだ
蹴られ
なじられ
罵倒の末に
刺されても
家路についたら
ほくそ笑むのさ
今に‥
見てろよ
カスどもが‥
理想的な
社会ってのは
いつの時代も
四畳半の
闇から
創り
出されるのさ‥
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華
やげば お前はいない
それは
足元に 絡み付き 失墜の時 現われる うつむき なえ へたれば 沸き上がり どこまでも どこまでも ついてくる 病む精神に 肉体に 付き纏う 剥がれない 剥がせない 我を 見据え ついてくる どこまでも どこまでも ついてくる‥ 長い トンネルを 抜け 逃げ帰り 裸 電球に 照らされて 壁に 貼り付く 黒い 影 苦しいと 嘆き もがく 黒い 影 救いの 手 そっと 差し 延ばせば ニヤケてやがる 黒い 影 細い 柱より 垂れる ロープ 見て 怯える 黒い 影 サヨナラと 影から 闇へ お別れさ‥ 肉体さえ なければ 離れられる 逃れられる‥ 我の 重みに 遠ざかる 意識の中 ニヤケるのは 俺 動けないのは 影 それを照らすのは 裸 電球
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僕の胸ポッケに
かざぐるま一つ
君は‥
風
夕日 蹴飛ばしに
あの丘まで駆け足さ
二人
手をつなぎ
駆け出せば
夕やけ
小やけの
赤とんぼ
立ち尽くし
眺めてた‥
揺れる
ススキ
足元に
真っ赤な
夕日に
誓うんだ
愛してる
‥愛してる
好きだから
‥ 好きだから‥
受けとめられるさ
君のこと
きっと
うまく‥
この
胸ポッケで
回わり続ける
かざぐるまの
ように‥…
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やはらかく ただ果てしなく やはらかく 落ち葉の上に ぽっちゃりと居ぬる
短歌物語/
柿‐不可抗力編
風が吹き
柿さんは落ちました
柔らかな葉の上に
ぽとり‥
ここは
ポカポカと
日の当たる‥
‥そんな場所
その先は
ゆっくりと
まったりと
時の流れる
この場所で
心地よく
気持ちよく
うたた寝の中‥
いつしか
座っているのが
やっとのくらいに
ぽっちゃりに
なってたとさ
おしまい
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どしゃ降りの
闇夜に紛れ逃げ惑う
気が付けば森の中
枯れぬ涙と森の中
その場所は
自由なようで
圧縮された空間
空気に流れは感じない‥
静かなる雨上がり
静寂だけが時を打つ
疲れ果てしゃがみ込み
うつむけばその姿
朽ちゆける老木のよう‥
深き森
月明かり抱けば葉の一雫
プリズムの如く虹色を放つ
シズク‥
無情がゆえにその光 悲しく
無情がゆえにその姿 愛しく
人知れず輝けるなら
地に落ちるまで見ててあげる
この雫のように
その悲しみを
虹色に変えて
解き放てるのなら
それは
きっと 幸せ‥
命
尽き果てるまで
消えゆけるまで
精一杯に生きよと森は言う
そして森は
ゆっくりと割れ
背負いし重圧を
優しく解き放なつ
なれば
日差し眩しくも降り注ぎ
癒されてゆく君の目に
見上げれば青い 空
流れるは 雲
風 吹き抜けて‥ 心
涙 拭い去り
瞳 明日を見据え
両腕は天空をかざし
両足は大地を蹴り上げる
そして君はまた
希望を抱いて
歩み続けるんだ‥
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ふと引き出された記憶‥
亡き体に
君をたどれば
膨張し続ける余白
増す思いあれど
薄れゆく悲しみ
頬をつたう
無念の唄は
ぽたり
ぽたりと
悲願の言の葉
地底湖へと
湖面を揺らすも
魂は静寂を好む
月は
罪人を照らし
星は
罪人を嘆き
時は
罪人を受け入れて
君は
ただ ただ月日重ね
静かに 清く そして深かく
時の重さを抱き締め 眠ればいい‥