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高級スプーンの部屋  〜 投稿順表示 〜


[79] ざくり
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隣で寝ている彼女を

ざくり

コンビニで
立ち読みしている人を
2、3人

ざくり

店員を

ざくり

会社に着き
挨拶がてらに同僚を

ざくり

上司を

ざくり

ついでに後輩も

ざくり

久しぶりに会った友達
帰り際に
また会おうよ
そして

ざくり

帰り道にすれ違った人達を

ざくり

ざくり

マンションの
エレベーターで
乗り合わせたカップルを

ざくり

最後に自分を

ざくり

朝が来て
彼女は言った
お早う

夢も見ず死ぬ
次の日
皆生き返り
全て元通り
なら
僕は詩も書かないのに

2004/12/20 (Mon)

[80] と薄皮一枚
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つぎはぎだらけの薄皮
剥がすのにてこずり
目の前を
見極められないでいる

人間と関係の無い部分に
必死になってどうする

剥き出しになった顔が
僕を睨んだ
かさぶたを
剥がしてしまうように
抑え切れない何かが
衝動的な何かがある

何故か気になるのは
人の人間じゃない部分で

君の眼球に
ぼんやりと映る
僕の真顔を見て
怖くなった

生きているうちに
出くわすのは
余計な事しかないから
この文も読まなくていいが
誰もが抱える
欲求と苦悩は
ゴミを棄てるのを拒む
生み出すものは
膿とゴミと薄皮一枚

2004/12/20 (Mon)

[81] 枯れる歌
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葉が落ちる頃
枯れない歌を探し
僕ら旅に出る頃

また一つ消えた小さな命
そして代わりに生まれる命
風に己、託し飛んでゆく種
遥か彼方の大地目指し

辿り着いた先で待つ
数々の試練
立ち向かうしか他なく
様々な苦闘の果てに
立ち尽くすしか他なく
減っていく仲間達
増えてゆく子供達
過去を背負い
立ち上がるしか他なく

枯れては咲いてを繰り返し
どれくらい進んだ?
今、何処に立ってる?

枯れないように
生きるのは無理
でも僕らだって
また立って
目指して探して
枯れては咲いてを繰り返し
旅を続けるしか他なく

2004/12/21 (Tue)

[82] 安怒
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安らかになれば
アナタも好きになれる

2004/12/23 (Thu)

[83] 夢の跡
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貴方はミイラ
触れるとすぐに
崩れてしまうの
目の前から
消えてはいつも
何処で何をしているの

手を伸ばしても
届かぬ距離に
貴方が居てくれたなら
苛立ちを
感じながらも
希望だって
抱けたでしょう

散々楽しんだ後
尻尾を巻いて
逃げる位なら
逢いたくなかった
出会えただけで
嬉しかったのに

叶わぬ夢が欲しい
悦びは手に入らないから
楽しめるものなの

私は
貴方の影を
追いかけて
掴めずに悶えて
満たされない心に
砂を注ぐ

浅い夢の中でなら
私の好きな
異なる貴方に
抱いて貰う事だって
出来たのに

2004/12/23 (Thu)

[84] 放射能]'mas
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ヒマワリの咲く
この場所で
かつて誰かが灰になった
遺された人々は
心を焼かれ
生涯苦しみ忘れない

影を写した壁から
声が聞こえた気がして
狂っているのは
自分で
人間共が
おめでたいと騒いだ日
僕は俺だけを
崇拝しようと決めた

爛れた風景さえ
笑い飛ばせと
痛みが蝕む身体を抱えた
緑のバケモノが騒ぎ
街を赤に染めた


悲しみに暮れて
惨めになった夜も
ナゾめいた怪人は
死ぬ寸前に目を覚まし
ヲカしくなって
笑い転げる
エロスと殺すが
!?に繋がる武器なのだ


酢で清められた性夜
獣を袋に詰めて壊せ

2004/12/23 (Thu)

[85] 落としましたよ?
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落としたモノを
拾いもせずに
失くしたモノを
探している人

落としましたよ?

その声にも気付かず
行ってしまった

あなたにとっては
ゴミのように
価値の無いモノが
何より大切な
モノだったりする

心の無い人は
両目を失い
我を忘れて
さ迷うばかり

終わりが近付き
始まりは遠退き
朽ち果てるまで
あの辺を
うろちょろうろちょろ
さ迷うばかり

2004/12/24 (Fri)

[86] 孤独詩
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泣いている彼女の
隣の部屋で
一人になって詩を読んだ

いったい

何を

してるんだろう

これまでを振り返り
今の自分を思い返す

あ〜あ
あ〜あ
あ〜ああ〜

隣の部屋に
彼女を一人にして
僕は詩を読んでいる

いったい

何を

してるんだろう

2004/12/25 (Sat)

[87] 大阪のオバチャン
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大阪のオバチャン
ムカつくとこもあるけど
憎まれへんのや

大阪のオバチャン
三人寄れば
えべっさんも
しかめっ面なる程
ウルサイで

大阪のオバチャン
エレベーターで
二人になったら
大体喋りかけられる
初対面でも
慣れ慣れしいけど
なんか少し嬉しいやん?

大阪のオバチャン
誰でも同じ目線で話す
社長も小泉さんもヨン様も
お構いなしや
ホンマ怖いで

かわいい
あの娘もいつか
オバチャンなるって
誰かが言うてた

俺オッサンなったら
どんなオバチャンと
一緒になんやろ
きっと尻に敷かれてんな
アイタタタ

2004/12/25 (Sat)

[88] 繕わない弱さと何か
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君を手放す勇気があれば
他に必要なものは無いよ
だから僕は下を向いて
何かを書いた

君が好きだ
でも僕は
好きでもない嫌いでもない
分からない行為を
続けてばかり
左手が動き両目が見つめて
何かを作った

君を哲学して出た答に
いつも僕の気持ちが
足りなくて
それを埋めるかのように
何かを描いた

推敲するうちに二人は
画面から消えて
居なくなった
どうしよう

白い紙の上の消しカスを
拾い集めれば
君と僕になるんだと
本当は知っている

拒むんだ
繕った強さが


このままだと
君は連れ去られて

僕は

2004/12/26 (Sun)
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